有価証券報告書-第12期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 15:03
【資料】
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【項目】
127項目

研究開発活動

(1) 研究開発活動の基本方針
当企業グループは、一貫してTAKATAビジョン“交通事故の犠牲者ゼロ”という夢を実現する安全システムの研究開発に邁進しております。
世界主要国の交通事故統計データの解析に基づき、現実の事故を具体的に想定しながら、“事故を回避するための最適な安全システム” 及び、“事故発生時に乗員の生命を守る最適な安全システム”を追求するとともに、両者を融合させたトータルセーフティーシステムの開発を目指しております。
また製品をいかに作るかに力点を置くのではなく、乗員、歩行者の生命を守り得るセーフティーシステムとはいかにあるべきかという基本理念を常に考えつつ、交通事故による犠牲者ゼロを目標として研究開発活動を進めております。
(2) 研究開発活動の体制
当企業グループは、研究開発の拠点を日米欧の先進国主要三セグメントに設置し、更に新興国市場向け開発を担う中国を加えてグローバルに一体となって技術開発を実施しております。また製品化の過程においては、顧客である各自動車メーカーと一体となり、量産仕様の検討を行います。製品化活動は、アジアを含む各セグメントにおいて実施されております。
① 技術開発
前面衝突乗員保護システム、側面衝突及びロールオーバー乗員保護システム、歩行者保護システム、モーターサイクル乗員保護システム、衝突回避・運転者サポートシステム等、衝突形態、システム機能ごとのアプローチにより、調査、研究開発、及び、保護システムを構成するデバイス(インフレータ、エレクトロニクスを含む)の開発を推進しております。また、幼児拘束システムの研究開発も推進しております。
② 製品化活動
アプリケーション設計が各顧客の要望とその市場規模の把握に努め、市場の将来ニーズとその売り上げ予測を行い、それらに基づき、技術開発活動において安全システムと構成デバイスの開発を推進しております。開発された新システム・新デバイスに、当企業グループの有するノウハウ、技術を加味し、顧客の要望を満たす具体的な提案を適時に提示し、受注に結び付ける活動を推進しております。受注後については、量産仕様製品の開発を顧客と一体となり推進しております。
(3) 研究開発の主な施策及び成果
① 独自の新規安全システム
当企業グループ独自の新規安全システムを、顧客である各自動車メーカーに対し提案することを前提にした研究開発活動を推進しております。具体的なアプローチとして、事故時の傷害を最小限に抑える衝突時の乗員保護を目的とするパッシブセーフティの領域から、危険を予知し、衝突の未然防止或いは衝突程度の軽減を目指すアクティブセーフティの領域を統合した安全システムの構築を追求し、前面衝突、側面衝突及びロールオーバー、歩行者との衝突、二輪車の衝突等、衝突形態毎に、システムアプローチを基本にした開発を実施しております。
② グローバルで競争力のある製品の開発
当企業グループ独自の新しい考え方に立脚した新規安全システムの提案をグローバルに展開し、新技術による競争力を確保するべく活動しております。アプリケーション開発においては、技術開発活動を通じて生み出された基本のシステム及び商品を基に、自動車メーカーの新車企画時に提案することとしております。
(4) 研究開発費
当連結会計年度の研究開発費の総額は、243億83百万円であります。各セグメント別の内訳は下記の通りであり、安全システム、デバイスの開発及び製品化活動に使用しました。
(百万円)
セグメント日本米州欧州アジア調整額※合計
金額2,66210,1049,1072,535△2624,383

※調整額は、セグメント間の内部取引消去額であります。