有価証券報告書-第152期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 10:35
【資料】
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【項目】
108項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策の効果もあり、緩やかな回復基調が続いていますが、中国を始めとするアジア新興国や資源国等の景気が下振れするなど、海外経済の不確実性の高まりや、金融資本市場変動の影響を受け、実体経済は不安定な状態で推移いたしました。
このような情勢のもと鋼管業界におきましては、自動車・住宅関連では消費の改善が見られず、オリンピック関連施設の建設、インフラ投資、東北の震災復興需要など期待があったものの、引続き建設・建築での計画見直し・一部人手不足発生などの要因により荷動きが低迷し、厳しい状況が続きました。
当社グループといたしましては、ステンレス製品は材料価格の変動など影響はあるものの、販売価格維持により比較的好調に推移いたしましたが、全般的には鉄鋼製品の供給過剰に伴う需給バランスの悪化により、厳しい状況となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は36,032百万円(前年度比2.1%減)、営業利益749百万円(前年度比2.7%減)、経常利益754百万円(前年度比14.7%減)となりました。なお、自転車関連事業のインドネシア子会社において事業構造改善費用を特別損失に計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は215百万円(前年度比64.1%減)となりました。
セグメント別の概況は次のとおりです。
(鋼管関連)
普通鋼製品においては、建築着工数の落込み及び自動車生産の減産傾向など、足下で一部弱い動きとなりました。また、アジア市場の需要減少、国内の建設計画の見直し、震災復興対策の遅れ、電力などのコストアップ要因も加わり、鉄鋼業界を取り巻く環境は厳しい状態が続いております。しかし、比較的堅調な戸建住宅関連の拡販や、流通関連では各種商業施設の出店・物流倉庫に伴う需要、パレットなど積極的に販売活動を行いました。
ステンレス製品につきましては、原材料であるニッケル価格が値下がり傾向にあるものの、各メーカーの販売価格維持もあり、一定の収益改善を行うことが出来ました。しかし、年度末に向けての盛り上がりは見られず、市場は軟化傾向となりましたが、比較的堅調な食品飲料業種、医薬品設備関連、建築部材、鉄道車両関連などを中心に販売活動を行いました。
この結果、当セグメントの売上高は34,022百万円(前年度比1.8%減)、営業利益は393百万円(前年度比24.6%減)となりました。
(自転車関連)
国内の自転車業界につきましては、自転車の需要回復は弱く、国内生産車・輸入車ともに販売は昨年同様に減少傾向が続きました。健康志向や環境・省エネなどの配慮から愛好者の広がりがあるスポーツ用自転車の販売は、比較的安定した需要があるものの、多くが輸入商品であることから、円安基調など為替変動の影響を受けやすく、依然市場は厳しい環境が続いております。
このような状況の中で、「アラヤ」及び「ラレー」ブランドのスポーツ用自転車については、独自の商品企画力を発揮して、ユーザーの支持を得られるよう話題性のある新商品の提供に努めております。また、タイをはじめ東南アジアの諸国をスポーツ用自転車の新しい輸出市場として取り組んでおります。
国内生産の中心となっております電動アシスト自転車は、徐々に品揃えが多様化しており、需要は堅調に推移しております。それに採用されている当社のステンレスリムは強度・精度面の評価が高く、販売を維持することができました。
アルミリムにつきましては、引き続き中高級品に絞り込み、インドネシア子会社との連携により拡販に努めました。
この結果、当セグメントの売上高は1,530百万円(前年度比5.9%減)、営業利益は32百万円(前年度は営業損失59百万円)となりました。
(不動産等賃貸)
不動産賃貸収入につきましては、東京工場跡地の地代収入を中心に、東京都江東区に建設した自社ビル「アラヤ清澄白河ビル」の賃貸収入が加わり、安定した業績をあげております。
この結果、売上高は401百万円(前年度比3.4%増)、営業利益は330百万円(前年度比5.7%増)となりました。
(その他)
その他は機械設備・福祉機器関連の事業であります。
機械設備関連の販売につきましては、景気が回復基調にあるなかで、企業の収益改善から設備投資が持ち直しており、主要ユーザーの自動車部品業界においても新規設備の引き合い案件が出てきておりますが、輸入機械設備の販売は、為替動向、製品輸出動向など企業にとって先行きに不透明感があり、引き合い案件の進捗は不確かな状況が続いております。
この結果、売上高は78百万円(前年度比50.6%減)、営業損失は7百万円(前年度は営業利益12百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、6,459百万円となり、前連結会計年度末より227百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は651百万円(前年度は622百万円の資金の増加)となりました。これは主に、売上債権の増減額が774百万円の資金増加から361百万円の資金増加になったことや、仕入債務の増減額が134百万円の資金減少から1,084百万円の資金減少になったものの、たな卸資産の増減額が1,048百万円の資金減少から438百万円の資金増加になったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は480百万円(前年度は625百万円の資金の減少)となりました。これは主に、投資有価証券の償還による収入が300百万円減少したものの、投資有価証券の取得による支出が449百万円減少したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は375百万円(前年度は583百万円の資金の減少)となりました。これは主に、短期借入金の純増減額が305百万円の資金減少から131百万円の資金減少になったことなどによるものであります。