有価証券報告書-第149期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/28 15:41
【資料】
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【項目】
137項目

研究開発活動

当社グループは、生活者として社会と融合し、価値観を共有しながら事業を通して新しい価値を提案し、人々の健康と幸せな生活を実現するという経営理念「Social IN」を実現すべく、研究開発活動を行っています。
平成28年3月に発表した「中期経営計画(16CSP)」において「技術開発機能戦略」を策定し、当社の研究開発機能は、経営目標の達成に向けて医療を中心とする各事業戦略を技術的側面から支援するとともに、当社のコア技術を継続的に強化し続けていくことを目標としています。
当連結会計年度の研究開発費は前期比2.7%減の792億円であり、売上高に対する比率は前期から0.5ポイント上昇し10.6%となりました。
○ 医療事業
内視鏡ビデオスコープシステムや内視鏡処置具、手術用エネルギーデバイスなど、病気の早期発見と患者の負担の少ない低侵襲治療に貢献する医療機器の研究開発を主に行っています。
当期の主な成果としては、IR(赤外光)観察に対応した外科手術用内視鏡システム「VISERA ELITE Ⅱ(ビセラ・エリート・ツー)」や、組織への刺さりやすさを追求したディスポーザブル吸引生検針「EZ Shot 3 Plus(イージーショットスリープラス)」、世界で唯一のバイポーラエネルギーと超音波エネルギーのコンバインデバイス「THUNDERBEAT(サンダービート)」の組織シーリング性能を向上させた「THUNDERBEAT Type S(サンダービートタイプエス)」および超音波凝固切開装置「USG-400(ユーエスジー)」のアップグレード機能として、世界初*の出力制御技術「Intelligent Tissue Monitoring(インテリジェントティシューモニタリング)」などを開発しました。*2016年12月時点
当事業領域に係わる研究開発費は、前期比3.7%増の474億円です。
○ 科学事業
医学・生命科学の研究を支援する生物顕微鏡や、非破壊検査領域で社会インフラの安心と安全を支える工業用顕微鏡、工業用内視鏡、超音波探傷器などの研究開発を主に行っています。
当期の主な成果としては、生命現象を高速かつ正確に捉え、高精細な画像を実現する共焦点レーザー走査型顕微鏡「FV3000」「FV3000RS」や、シリーズ最高の明るさと高画質の実現などにより、より正確で効率的な検査をサポートする工業用ビデオスコープ「IPLEX NX(アイプレックス・エヌエックス)」、対象物に含まれる成分(元素)の種類や含有量を測定できるハンドヘルド蛍光X線分析計「VANTA(ヴァンタ)」シリーズなどを開発しました。
当事業領域に係わる研究開発費は、前期比6.5%減の95億円です。
○ 映像事業
ミラーレス一眼を中心としたデジタルカメラやカメラ用の交換レンズ、ICレコーダーを始めとしたオーディオ製品などの研究開発を主に行っています。
当期の主な成果としては、AF/AE追従で最高18コマ/秒の高速連写を可能にしたミラーレス一眼のフラッグシップ機「OLYMPUS OM-D E-M1 MarkⅡ」や、手ぶれ補正機構を搭載した高性能高倍率ズームレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」などを開発しました。
当事業領域に係わる研究開発費は、前期比22.5%減の40億円です。
○ その他事業及び全社共通
医療事業を主とした当社の主力事業のさらなる発展を目指し、様々な分野における研究開発を行っています。
当期の主な成果としては、中長期戦略で設定したコア技術を強化するために、早期診断・観察機能向上を実現する光学技術や画像処理技術、低侵襲治療を実現するためのデバイス技術・精密制御技術の開発、および内視鏡や処置具をはじめとした医療事業新製品の高機能化、低コストを実現するシミュレーション技術開発や材料技術開発、高精度レンズ量産化の加工技術開発や、生産設備開発などの生産技術に関する取り組みなどです。
当事業領域に係わる研究開発費は、前期比10.3%減の183億円です。