有価証券報告書-第88期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/20 16:47
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【項目】
114項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度(平成25年度)における世界経済は、欧州では債務危機問題は小康を保っているものの景気停滞は長期化し、中国や東南アジアの新興国では一部に弱い動きが見られたものの、概ね回復基調のうちに推移いたしました。一方、米国では慎重に量的金融緩和策縮小へ方針転換を行い、わが国経済は金融および財政政策の効果により個人消費および企業の生産が増加し、雇用環境や賃金も改善するなど景気回復の兆しが見え始めております。
このような状況のもと当社グループは、収益基盤の強化とともに売上高の拡大に取り組んでおります。時計事業は、海外における売上は増加しましたが、国内では非クロックの売上高が減少し、前年に比べ円安による原価率の悪化などにより、事業全体では減収減益となりました。電子事業は、自動車部品の受注が増加し、情報機器も回復しましたが、原価率の悪化等により、増収減益となりました。プレシジョン事業は、受注の減少により減収となりましたが、原価の改善により黒字化することができました。接続端子事業は、次世代エネルギー分野のパワコン部品の受注が好調に推移し、また、PT UMEDA KOGYO INDONESIA(平成26年6月1日にPT.RHYTHM KYOSHIN INDONESIAに社名を変更しております。)の買収もあり増収増益となりました。
以上のことから、当連結会計年度の売上高は、339億16百万円となり、前年同期に比べ14億84百万円、4.6%の増収となりました。営業利益につきましては、グループをあげて継続的に収益改善に努めておりますが、円安の影響などによる原価率の悪化により、8億61百万円(前年同期17億89百万円 前年同期に対し51.9%減)となりました。経常利益は、13億47百万円(前年同期20億51百万円 前年同期に対し34.3%減)となりました。これらに、固定資産売却益や税金費用等を計上した結果、当期純利益は、8億51百万円(前年同期14億42百万円 前年同期に対し41.0%減)となりました。
これらをセグメント別に見てみますと次のとおりとなります。
① 時計事業
時計事業におきましては、国内販売は7月に発売しました大音量めざまし時計や11月に発売しました立体キャラクター電波時計「くまモン」が好評を得ておりますが、競争の激化や、非クロック分野での防災行政ラジオの受注減少をUSBファンや温湿度計などでカバーするには至らず前年を下回りました。
海外販売は、積極的な販促投資を行い、現地代理店と販売プロモーションを実施するなど拡販活動を展開してまいりましたが、国内販売の落ち込みをカバーするには至らず、時計事業の当期売上高は、136億29百万円(前年同期137億72百万円 前年同期に対し1.0%減)となりました。収益改善に取り組んでおりますが、主として円安の影響により営業利益は、5億69百万円(前年同期16億28百万円 前年同期に対し65.0%減)となりました。
② 電子事業
電子事業におきましては、新たな取引先の開拓を行っているほか、グループの技術を活かした商品開発、あるいは顧客企業への提案等を積極的に行い、業容の拡大に努めてまいりました。その結果、海外での自動車部品の受注が増加しております。
これらにより、電子事業の当期売上高は、76億51百万円(前年同期72億43百万円 前年同期に対し5.6%増)となりました。海外での生産が増えたことによる国内の操業度低下、更に海外工場の人件費アップによる原価率の悪化等により、前年同期1億14百万円の営業利益に対し当期は1億13百万円の営業損失となりました。
③ プレシジョン事業
プレシジョン事業におきましては、国内外での新販路開拓に努め、通信機器や事務用機器分野における新たな売上を獲得しておりますが、前期第2四半期連結会計期間以降光学関連部品の受注減少をカバーするには至らず、プレシジョン事業の当期売上高は、50億43百万円(前年同期55億90百万円 前年同期に対し9.8%減)となりました。受注減少に伴い固定費の圧縮や合理化に努めたことから営業利益は、17百万円(前年同期1億24百万円の営業損失)となりました。
④ 接続端子事業
第2四半期連結会計期間におきましてPT UMEDA KOGYO INDONESIAを連結の範囲に含めたことにより、接続端子事業に加えております。みなし取得日は平成25年6月30日としておりますが、同社は12月決算のため、第3四半期連結会計期間より損益計算書を連結しております。
接続端子事業におきましては、ベトナムでの二輪車向け部品が前年に比べ減少しましたが、国内、海外とも、次世代エネルギー分野向けパワコン部品の受注が増加し、更に国内では自動車の電装部品や家電向け部品も好調に推移しました。更に、PT UMEDA KOGYO INDONESIAの損益計算書を連結したことによる上積みも寄与しております。
これらにより、接続端子事業の当期売上高は、68億8百万円(前年同期50億55百万円 前年同期に対し34.7%増)となりました。M&Aや円安効果により、営業利益は、6億61百万円(前年同期3億97百万円 前年同期に対し66.5%増)となりました。
⑤ その他
物流事業、介護事業等その他の事業におきましては、リズムサービスでの新倉庫建設など、積極的に事業の拡大に努めてまいりました。その結果、その他の事業の当期売上高は、7億83百万円(前年同期7億70百万円 前年同期に対し1.7%増)となりました。営業利益は、減価償却費の増加等により60百万円(前年同期75百万円 前年同期に対し20.3%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億77百万円減少し、当連結会計年度末には84億27百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上や仕入債務の増加などにより、12億50百万円の資金の増加(前連結会計年度に比べ8億13百万円の収入減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは有形固定資産の取得による支出や新規子会社株式の取得があったことなどにより、29億62百万円の資金の減少(前連結会計年度に比べ21億82百万円の支出増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金による収入や新規子会社の旧株主に対する配当金の支払いなどにより、6億25百万円の資金の増加(前連結会計年度は28億34百万円の支出)となりました。