有価証券報告書-第91期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/22 16:12
【資料】
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【項目】
118項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グルーブが判断したものであります。
当社グループは、中期的な視点で経営を行うため平成29年3月期をスタートとする3カ年の中期経営計画を策定いたしました。
平成28年3月期 (実績)平成29年3月期 (目標)平成29年3月期 (実績)平成30年3月期 (目標)平成31年3月期 (目標)
売上高営業利益率(%)1.72.02.63.25.0
連結売上高(億円)333320333333350
海外売上高比率(%)32.836.036.438.040.0

本中期経営計画では、株主が期待する高収益で資本効率の良い会社をめざすため、収益性(売上高営業利益率)と資本効率(ROE)の改善を第一と考え、平成31年3月期に売上高営業利益率5%、ROE5%を目標値として掲げております。また、これまで培ってきた事業基盤を最大限に活用し、グループの強みを活かし「精密分野でのカテゴリー№1の実現」に向け経営資源を集中し「RHYTHM」ブランド価値向上に努めてまいります。各事業とも、お客様との協創によりソリューションを提供し、長期的な視点で企業価値向上に努め、持続的な成長を図ってまいります。また、継続的な事業ポートフォリオの見直しや事業シナジー効果の見込めるM&A、コスト構造改革の推進、将来を見据えた働き方改革等に取組み、安定した経営基盤の確立に向けて取り組んでまいります。
⦅カテゴリー№1を目指す分野⦆
時計事業:クロック・小型ファン・防災行政ラジオ
電子事業:カスタマイズカメラ(旧:多用途小型カメラ)・ゲージ等の表示機器
プレシジョン事業:精密金型製造
接続端子:接続端子・小型精密プレス部品
① 時計事業
喫緊の課題である収益性改善に向けて、一丸となって取り組みを進めてまいります。
国内外において、「RHYTHM」ブランド認知度向上に向けてグループ全体でアピールに取り組んでまいります。主力の国内クロック分野では、「RHYTHM」ブランドを基軸とし「ギフト需要」を喚起させ、販促・広告活動に長期的に取り組み、ブランド認知度向上を図ってまいります。小型ファンや防災行政ラジオなどクロック以外の商品群についても当社が保有する技術を基に開発も進めてまいります。これらと並行して、商品ラインナップの絞り込みと低採算商材のダウンサイジングにより、収益の改善を図ってまいります。
海外販売におきましては、米国市場では大手量販の拡大、中国市場では大手インターネット向けにクロックおよびクロック周辺商材開発による対応強化に努め、94か国にある販売網を活かし、収益の改善に努めてまいります。
生産面では、ベトナム工場の生産性向上と合理化の推進により原価改善を進め、生産の最適化を図ってまいります。
② 電子事業
永年培ってきた技術力・開発力を活かし、特に国内では、情報機器での受注減少が引き続き予想されますが、顧客ニーズにマッチしたカスタマイズカメラ(旧:多用途小型カメラ)、表示機器の開発を強化し、車載や表示機器での強みのアイテム構築を図ってまいります。一方、海外を中心に当社グループの特長である金型から成形・加飾・実装・組立を一貫生産できる体制を活かし加飾部品やEMSの受注拡大を図ってまいります。生産面では、国内外最適地生産の再構築と変動費削減等により、構造改革を完遂させ、コスト競争力の引き上げを図ってまいります。営業面での新規取引先開拓に向け重点活動を実施し、生産コストの競争力アップとあわせ、平成31年3月期からの成長軌道への転換に向け、準備を進めてまいります。
③ プレシジョン事業
永年光学分野で培ってきた高難度の金型製造および成形部品加工技術を保有しております。国内では、車載カメラ、工作機械分野等の高難度の製造技術ニーズに適合し受注拡大を図ってまいります。海外については、光学メーカーが開発する事務機等の製品の金型、成形部品の受注等に努めてまいります。
さらに、将来を見据え、自動車等の金属部品を樹脂部品へ転換することをめざし、技術の確立にチャレンジしてまいります。
国内外の工場で、製造工程の省力化や効率化を更に進め、高精度で高品質な製品供給に信頼性を高めると共にコスト低減に取組んでまいります。
④ 接続端子事業
家電民生用機器の部品から、自動車や二輪の電装部品に強みのある当事業は、長期的に自動車や二輪関連部品の受注を日系企業にこだわらず幅広く強化してまいります。日本では、HV、PHV、EV向けの電装部品のほか、エアコンや4K・8Kテレビ等の家電製品の電源部品の開発・受注に注力してまいります。ベトナムとインドネシアの製造拠点では、二輪関連の部品から両国とも自動車関連部品の受注に移行しており、中国の製造拠点とあわせ、自動車・二輪、家電向け等幅広く受注に努めてまいります。さらにドイツ デュッセルドルフに新たに駐在員事務所を開設し、環境意識の高い欧州でEVの電装部品や家電製品の受注に向け、情報収集を精力的に行ってまいります。
生産面では、設備の内製化と自動化率の向上にも取り組み、合理化と品質の安定に努めてまいります。
株主還元につきましては、安定配当、概ね30%の配当性向を基本とし、自己株式の取得も継続的かつ機動的に実施してまいります。
また、当社グループ各社では、女性や外国人をはじめとする多様な人財が最大限に活躍できる環境づくりの推進を従業員が主体となって進めるよう、経営陣は環境整備に努めてまいります。
さらに、適時コンプライアンスマニュアルの見直しを行い、全役員・従業員が参加するコンプライアンス研修を実施し、法令順守を図ってまいります。
このように当社グループは、収益性を高める施策を積極的に展開し、企業価値、株主価値の向上に努めてまいります。