有価証券報告書-第56期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/24 11:29
【資料】
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【項目】
139項目

研究開発活動

医師でもあった創業者の医療現場視点に立った製品開発ポリシーを継承し、患者さんはもとより、医療従事者の方々の立場に立った研究開発活動を進めております。活動領域は現事業領域である輸液・栄養、透析、外科治療、血液・細胞の4つの領域に加え、将来を見据えた再生医療や、IoT、AI等を生かした先端技術研究等についても実施しております。
区分分野
輸液・栄養領域輸液、経腸栄養、摂食嚥下 等
透析領域血液浄化(血液透析、腹膜透析) 等
外科治療領域人工心肺、カテーテル 等
血液・細胞領域血液・細胞分離、細胞関連デバイス(培養、搬送) 等
その他組織再生、生分解性材料展開、IoT・AI技術展開 等

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は1,600百万円であり、セグメントごとの主な研究開発活動を示すと次のとおりであります。
(1) 日本
当連結会計年度における研究開発費は1,600百万円であります。
① 輸液・栄養領域
輸液領域では、より安心安全な輸液管理を目的に、医療従事者の視点に立った新型輸液ポンプ「キュアセンス IP-100」の提供を開始しました。本製品は、誤操作防止に配慮したシンプルなタッチパネル操作を可能とした小型軽量輸液ポンプであり、2021年度グッドデザイン賞を受賞しております。
また、栄養領域では、口腔機能向上に不可欠な舌圧機能を、楽しみながらより効果的にトレーニングする舌圧レベル表示器「ペコじーな」の提供を開始しました。
② 透析領域
透析領域では、多くの透析情報を効果的に管理し、安全な透析をサポートする透析情報システム「エルゴトライ」のWEB版の提供を開始しました。本システムではデータのクラウド保管を可能とし、運用コスト低減を図ったほか、カルテ連携機能を拡充し、透析室に留まらず診察室等で透析情報をタイムリーに確認できる等、信頼性、利便性が一層向上しております。
③ 外科治療領域
外科治療領域では、人工心肺システム製品の拡充に努め、より医療従事者の視点に立ち、信頼性を向上させた人工心肺用回路洗浄フィルタ、人工心肺用遠心ポンプ「ミクスフローMP」のほか、従来品に比べ大幅な小型軽量化に成功し、優れた操作性、利便性を実現した人工心肺用圧力計「PS-1」の提供を開始しました。
④ 血液・細胞領域
血液・細胞領域では、再生医療等に使用される細胞を安全、確実に凍結保存できる凍結保存容器「セルキュア」を開発しました。再生医療等に使用される細胞等はマイナス196℃の液体窒素の中で凍結保存されることが多く、「セルキュア」は、液体窒素の中で十分な細胞保存性を持ち、また、使用時においては、貴重な細胞等を余すことなく採取できる構造とする等、従来にない工夫を凝らしております。
⑤ その他
コロナ禍の中、これまで以上に安全で確実な医療をサポートすべく、最新のIоT、AI技術を活用した、医療従事者業務の安全性確保、効率化支援、また治療品質の向上等に繋がる各種モニタリング技術の開発に引き続き注力しております。また、産学官連携活動にも積極的に関与し、異業種の最新技術の医療への応用展開に努めております。さらに、体内で安全かつ有効に機能する生分解性材料の特性を生かした次世代製品開発のほか、小口径人工血管の開発にも引き続き取り組んでおります。
(2) 日本以外
シンガポール、中国、フィリピン、ドイツ、その他のセグメントについては、既存製品の改良等に取り組んでおります。