有価証券報告書-第24期(平成26年7月1日-平成27年6月30日)

【提出】
2015/09/28 10:42
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業績等の概要

(1) 業績
①連結売上高及び損益の状況
当連結会計年度(自 平成26年7月1日 至 平成27年6月30日、以下「当期」という。)における我が国経済は、新興国経済の成長鈍化などマイナス要因はあるものの、企業収益の改善や設備投資の増加により、緩やかな回復傾向が見られました。
当社グループの情報技術事業においては、IT投資の回復に伴いシステムの再構築や統合、クラウドへの移行等の需要が増加し、回復傾向が継続しておりますが、案件増に対応する技術者の確保が困難で、採用環境が厳しさを増しております。
このような状況の下、当社グループでは前期から開始した3ヵ年の中期経営計画の2年度目として、前連結事業年度の年度テーマ「再生」に基づき取り組みを始めた施策を引き続き実行するとともに、当期の年度テーマである「成長」を目指す基本方針の下、グループ各社が連携し積極的な戦略展開を行なってまいりました。当期の売上高は消防通信指令システムの納品があったこと等により4,003百万円(前期は売上高3,578百万円、前期比11.9%増)となりました。しかし、消防通信指令システムの案件に係る損失が発生したことから営業損失131百万円(前期は営業利益20百万円)、同様の理由により経常利益は経常損失128百万円(前期は経常利益23百万円)、当期純損失は298百万円(前期は当期純損失9百万円)となっております。
②セグメント別の状況
各事業セグメントにおける状況は次のとおりです。
当期の年度テーマである「成長」を目指し、成長分野のクラウド構築やタブレット開発等の技術レベル向上のため、助成金を活用した社員の研修や社内勉強会を実施してまいりました。当社の事業所がある首都圏及び茨城地区では顧客の需要に対応した技術者の確保が難しくなっていることから、受注案件拡大のため社員の技術レベル向上を図るとともに、採用活動の強化と、協力会社の開拓を進めております。
当社では首都圏を主要市場としてクラウドサービスやモバイルサービスの展開をするため、提案型営業展開を行っているソリューション統括センターに当期より首都圏センターを新設致しました。成長分野のサービスの提供、ITベンダー等との協業による顧客開拓等、首都圏の営業体制を構築致しました。クラウドサービスについては、SYMPROBUS Cloud(シンプロバスクラウド)とサービス名称を統一し、文書管理サービス等アプリケーションメニューをリリース致しました。茨城地区で展開しております地方公共団体向けグループウェアの共同化の案件では参加自治体が増え、規模が拡大しております。
当社が開発を行っておりました消防通信指令システムの複数案件において、工程・仕様変更による不採算案件が発生いたしました。平成27年3月末の納品後においても現地対応業務の長期化、消防指令システムと車両動態管理システムとの連携にかかる障害やその他の不具合対応により損失が拡大いたしました。平成27年7月以降に発生する見込みの費用についても119百万円を製品保証引当金として製造原価に計上しております。
ASロカス株式会社では、利益を重視した受注活動や開発、制作現場のPM(プロジェクトマネージャー)を支援するPMOの充実にも取り組みました。当期の業績においては、本年が国勢調査の年に当たることから統計調査システムや関連業務の受注が増加したこと、社団法人、地方公共団体、大手コンサルタント会社、林業メーカーと共同で提案を行うなど、自社のソリューションを中心にしたビジネス展開による成果、消防指令システムに係る当社との取引等により売上高は前期より10.2%増加しました。平成27年6月には、マーケティング活動としてLocation Business Japanへ当社と共同で出展を行い、GISやタブレット等の活用による顧客の業務課題対応ソリューションの開発を進めております。
ACMOSソーシングサービス株式会社では、企業向けのシステム開発、運用案件が堅調に推移いたしました。病院内情報システムの運用については事業拡大のため、人材の採用と教育に注力してまいりました。人材教育面では特に医療情報技師の資格取得支援に注力し、医療関係の運用案件の受注拡大を進めております。又、他社とのアライアンスによる受注を獲得し、当期末においては関東地区の一都四県で10病院での運用を行っております。
ITソリューション事業の売上高は3,760百万円(前期は3,243百万円、前期比15.9%増)、営業損失99百万円(前期は営業利益32百万円)となっております。
株式会社エクスカルは、規格認証サービスの需要低下により厳しい事業環境が続いております。Ethernet規格に対応した電気計測サービスの開始、スマートハウス向け通信プロトコルであるECHONET Lite関連のサービス展開を進めており、平成27年3月にはUSB3.0 Embedded Host の認証試験、プレテスト、技術サポート等の関連サービスを開始いたしました。しかし、規格認証でのリピート受注案件の失注があり、第三者検証についても単発の案件の受注に留まっております。売上高は前期比34.0%減、営業損失も11百万円増加いたしました。
株式会社ジイズスタッフは、新規に採用した従業員の業務レベル向上と戦力化のため教育を進めるとともに、ターゲットを明確にした営業戦略により受注活動を進めました。営業体制の再構築も進めておりますが、当期では新規顧客の受注獲得が少なく、また全般的に小規模の案件が多くなったことから売上高は前期比7.5%減少いたしました。従業員の採用による費用が増加したこともあり、営業利益は前期比52.4%減少いたしました。
ITサービス事業の売上高は364百万円(前期は431百万円、前期比15.6%減)、営業損失0百万円(前期は営業利益28百万円)となっております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当期における現金及び現金同等物は前年同期と比べ、399百万円増加し、1,476百万円となりました。
各キャッシュフローの区分の状況とその要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、139百万円の収入(前期は150百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失△245百万円、売上債権の増加△45百万円の一方で、減価償却費91百万円、のれん償却費59百万円、減損損失31百万円、ソフトウェア評価損53百万円、製品保証引当金の増加119百万円の資金の支出を伴わない費用によるもの及び仕入債務の増加96百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、4百万円の収入(前期は63百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の解約による収入92百万円の一方で、有形固定資産の取得による支出30百万円、無形固定資産の取得による支出56百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、256百万円の収入(前期は5百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純増額333百万円、長期借入金の純減額58百万円、配当金の支払10百万円によるものであります。
(参考) キャッシュ・フローの関連指標の推移
平成23年
6月期
平成24年
6月期
平成25年
6月期
平成26年
6月期
平成27年
6月期
自己資本比率(%)64.768.164.458.944.2
時価ベースの自己資本比率(%)28.439.870.366.675.5
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)224.5421.2193.3140.5349.6
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)18.811.825.629.622.2

(注) 自己資本比率:期末自己資本/期末資産の部合計×100
※自己資本=純資産合計-新株予約権
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出
※営業キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを使用
※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象
※インタレスト・カバレッジ・レシオの計算における利払いは、連結損益計算書に計上されている支払利息を対象