有価証券報告書-第32期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/25 15:53
【資料】
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【項目】
119項目

業績等の概要

(1) 業績
日本トリムグループは、当連結会計年度におきまして「新しい成長ステージ」をテーマとしてさらなる事業拡大を目指し取り組んでまいりました結果、前期に引き続き過去最高収益を達成いたしました。
当社は、皆様の健康維持を目的に、体にいい水を日々の生活に取り入れていただく「ウォーターヘルスケアという、新習慣。」を提唱しております。高齢化が進むわが国において、アベノミクスが掲げる「健康長寿社会の実現」には「予防医療」が最も大切であると捉えており、当社の「科学した水・電解水素水」が果たせる役割は大きなものであると考えております。電解水素水の新たな機能解明に向けた研究開発の推進はもちろんのこと、電解水素水の医療への応用である「電解水透析®」の普及や、遺伝子診断分野において展開する事業の拡大、株式会社ステムセル研究所による再生医療分野における事業を通して、より医療分野に特化する事業戦略を進めてまいります。日本トリムグループの医療機器メーカーとしてのブランディングによる家庭用整水器販売への波及効果も視野に、更なる業績伸長へ向けて精力的に取り組んでまいります。
当社では、株主の皆様への利益還元を経営の重要課題の一つとして捉えております。安定的な経営基盤の確保と株主資本利益率の向上に努めるとともに、配当政策といたしましては、安定的な配当を継続して行うことを基本としながら、業績に応じて水準を高めてまいります。また、コーポレートガバナンスにつきましても、強化・充実を図り、企業価値最大化に向け、より一層邁進してまいる所存でございます。
当社グループの当連結会計年度の売上高は13,144百万円(前期比23.0%増)、営業利益は3,114百万円(同42.6%増)、経常利益は3,442百万円(同41.1%増)、当期純利益は2,507百万円(同64.3%増)と前期と比べ増収増益となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
(ウォーターヘルスケア事業)
<整水器販売事業>[国内事業]
職域販売部門DS(DS・HS事業部)では、売上高前期比4.4%増となりました。昨年9月、業容の拡大を目的に新たに3事業所を開設いたしました。また、引き続き販売効率の向上に注力するとともに大口代理店との連携強化による業績拡大にも注力しております。平成27年3月期からの大規模展開に向けて取り組んでおりました新規代理店につきましては、先方の既存製品に対する消費税増税前の駆け込み需要の拡大による影響等により当初計画に対して進捗が遅れているものの、本格的スタートに向けて引き続き進めております。
取付・紹介販売部門HS(DS・HS事業部)では、CRM活動に注力し、顧客満足度の向上と業績向上の相乗効果に努め、ユーザーからの新規紹介の開拓に取り組むとともに、展示会等での展開により同26.9%増となりました。
店頭催事販売部門(SS事業部)では、販売員の一人当たり販売台数の向上に取り組むとともに、百貨店、スポーツクラブでの展開を推進し、同20.3%増に、また、卸・OEM部門(業務部)では、大手家電メーカーやその他新規取引先とのOEM契約により、同58.1%増と大きく伸長しております。
浄水カートリッジ販売につきましては、ストックビジネスとして安定的に伸長しておりますが、3月の消費税増税に伴う駆け込み注文もあり、同15.5%の増収となりました。
[海外事業]
①インドネシア
インドネシア連結子会社PT.SUPER WAHANA TEHNOでは、同社ブランド「Pristine」のペットボトル及びガロンボトルを主軸商品として、国内販売の拡大に注力しつつ、シンガポールなどへの輸出事業にも注力しております。同国における消費財のマーケットは引き続き拡大しており、当社も現在の売上増、黒字幅を拡大し、連結業績への寄与度を高めるべく取り組んでおります。
②中国、台湾
中国市場における広州多寧健康科技有限公司につきましては、地道なマーケティング活動の結果、着実に実績をあげており、当連結会計年度売上高は前期比54.3%増となり、規模は小さいものの過去最高収益を計上し、順調に推移しております。台湾の関連会社「多寧生技股份有限公司」では、引き続き台湾国内整水器販売事業の拡大を目指しております。
[その他]
購入決定率を向上させるため注力しております口コミによる認知度向上、ブランド構築を目的としたSNSの活用を始めとするWeb対策につきましては、ホームページの改訂、生産工場のホームページの開設や公式YouTubeチャンネルの立ち上げなど積極的に推進しております。また、ご当地キャラとのコラボで料理番組「すごいね!ご当地キャラ弁!」をCS放送で放映するなど、メディアを通じたPRにも取り組んでおります。今後、これらの取り組みが業績拡大に大きく寄与するものと考えております。
昨年4月に、CSR活動の一環として起業・ベンチャー支援を目的とする「こうちビジネスチャレンジ基金事業(通称:日本トリム基金事業)」の原資として高知県に対して1億円の寄付金を実施し、販売費及び一般管理費に計上しております。
<農業分野>農業分野においては、高知大学農学部、JA南国市等と、当社の電解水による作物栽培への影響評価を行い、収穫量増や野菜の抗酸化成分増等のデータの集積を推進しております。本年1月に開催された「高知こだわり青果市in大阪2014」では、還元野菜®のホウレンソウ、小松菜、トマトを出品し、日本野菜ソムリエ協会の方々などから大変高い評価をいただきました。
これらの結果、ウォーターヘルスケア事業における売上高は12,171百万円(同15.5%増)、営業利益は2,608百万円(同24.1%増)となりました。
(医療関連事業)
<医療・予防医療分野での研究開発事業>「電解水透析®」では、カロリンスカ研究所、東北大学、福島県立医科大学等との臨床研究及び独立行政法人科学技術振興機構及び福島県の医療福祉機器開発事業から約2.3億円の補助金を得ている研究開発を引き続き推進しております。昨年末から年初にかけて、新たにセントラル方式向けの大型電解水透析システム2台、個人用システム1台を納入し、現在14病院、188床で電解水透析が実施されております。当分野の事業化による家庭用整水器販売への波及効果も非常に大きなものになると考えております。
基礎研究分野では、電解水素水の効果の機序解明を目的とした九州大学との研究及びカロリンスカ研究所との電解水素水飲用による脳神経炎症に対する影響に関する研究を引き続き推進しております。
<遺伝子診断分野>TRIMGEN CORPORATION(トリムジンコーポレーション)では、抗ガン剤等の選択、抗凝血薬の投薬量のコントロールによる、副作用や医療事故リスクの低減等、患者個々の状況に応じた医療(個別化医療:Personalized medicine)分野において、独自の技術で開発した遺伝子変異検査キット及び遺伝子抽出キット等の研究開発、製造販売事業を行っており、当事業の拡大並びにグローバル展開を目指しております。
同社は1999年にJames Wang氏及び当社代表取締役の森澤が共同で設立して以来、長年にわたり研究開発を行って参りましたが、欧米を皮切りに日本においても遺伝子検査が保険収載されるなど、世界的にも事業環境が整って参りました。
現在、研究開発期から、まさに本格的なビジネス展開のステージに入ろうとしており、このため管理体制の強化、世界(日本含む)市場への本格的参入を目的に、昨年10月に大阪市へ持株会社㈱トリムジンホールディングスの事務所を開設いたしました。同分野は非常に先進的でスピードの早い事業分野であるため、独自経営、資金調達による事業の拡大を目的に、㈱トリムジンホールディングスの日本での株式上場を目指し、資本政策の実行や内部統制整備等を行っております。当面は研究開発、営業、管理体制強化のための人員増や上場準備等により費用が増加すると見込んでおります。
当連結会計年度におきましては、米国FDA承認のもと、抗凝血薬ワーファリンに関する治験を実施している臨床検査会社へのキット納入が拡大した結果、売上高は619百万円(同353.1%増)、営業利益467百万円(同823.8%増)、営業外収益として為替差益204百万円を計上し、経常利益は677百万円(同371.1%増)、当期純利益693百万円(同383.2%増)となりました。
<再生医療分野>当社は、昨年9月に国内最大の私的さい帯血バンク、㈱ステムセル研究所を連結子会社化し、再生医療分野に進出いたしました。同社は、1999年に設立されたわが国初の私的さい帯血バンクで、将来の疾病や再生医療・細胞治療に備え、さい帯血を長期保管するサービスを主業としており、平成26年3月末現在、31,132名の保管数を有します。当連結会計年度には、同社の半期(2013年10月から2014年3月)業績が計上されております。
これらの結果、医療関連事業における売上高は973百万円(同545.7%増)となり、営業利益は506百万円(同516.6%増)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より2,390百万円増加して8,614百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,940百万円となりました。
これは主に法人税等の支払874百万円、売上債権の増加476百万円及び割賦売掛金の増加261百万円がありましたが、税金等調整前当期純利益3,543百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は563百万円となりました。
これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入736百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は144百万円となりました。
これは主に少数株主からの払込みによる収入269百万円がありましたが、配当金の支払294百万円及び自己株式の取得による支出79百万円によるものであります。