四半期報告書-第40期第1四半期(平成27年7月1日-平成27年9月30日)

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2015/11/13 15:50
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)業績の状況
当社グループは、前連結会計年度からスタートした中期経営計画『Global Expansion 2018』において、2018年(平成30年)6月期に売上高400億円を達成することを目標に、「グローバル規模での収益基盤の強化」「患部・治療領域の拡大と製品ポートフォリオの拡充」「素材研究・生産技術の強化によるイノベーション創出」「グループマネジメントの最適化」を経営戦略に掲げ、企業価値向上に取り組んでおります。
その実現に向けた施策として、当第1四半期連結累計期間においては、日本市場においてPTCAガイドワイヤーの新製品「SUOH03 (スオウゼロスリー)」を販売開始いたしました。また米国において平成27年7月より末梢血管領域のペリフェラルガイドワイヤーの直接販売を開始いたしました。
今後におきましても、中期経営計画に基づく成長戦略を着実に進めていくことにより、企業価値の拡大を目指してまいります。
当社グループの当第1四半期連結累計期間における売上高は、メディカル事業及びデバイス事業共に引き続き好調に推移し、102億34百万円(前年同期比24.1%増)となりました。
売上総利益は、好調な売上高に比例し、66億68百万円(同28.5%増)となりました。
営業利益は、研究開発費や直接販売への切替えなどに伴う営業関係費用の増加により、販売費及び一般管理費が増加したものの、好調な売上高に比例し、31億67百万円(同53.5%増)となりました。
経常利益は、為替差損が増加したものの、国内子会社の旧本社土地売却等による固定資産売却益が発生するなどし、32億8百万円(同45.0%増)となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、特別損益に著しい増減は無く、23億38百万円(同55.2%増)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
(メディカル事業)
メディカル事業は、需要が堅調であることに加えて、米通貨高の後押しもあり、引き続き好調に推移いたしました。
国内市場においては、循環器系及び非循環器系分野共に売上高は増加しております。循環器系においては、主力製品PTCAガイドワイヤーがSION(シオン)シリーズを中心に引き続き好調であることや、貫通カテーテルが汎用タイプの新製品「Caravel(カラベル)」を中心に需要が増加したこと、PTCAガイディングカテーテル「Hyperion(ハイペリオン)」が市場シェアを拡大していることなどから売上高は増加しております。また非循環器系においては、腹部血管系製品、末梢血管系製品、脳血管系製品の全分野において、売上高が増加しております。
海外市場においては、循環器系を中心に売上高は増加しております。PTCAガイドワイヤーは、特に欧州中近東市場の市場シェアが継続的に拡大しており、また米国・アジア市場においても需要が増加しております。貫通カテーテル「Corsair(コルセア)」は、米国・欧州中近東が牽引し、売上高が増加傾向にあります。
以上の結果、売上高は79億8百万円(前年同期比23.0%増)となりました。
また、セグメント利益は、研究開発費及び営業関係費用の増加により販売費及び一般管理費が増加したものの、好調な売上高に比例し、27億55百万円(同36.5%増)となりました。
(デバイス事業)
デバイス事業は、医療部材及び産業部材の売上高が共に好調に推移いたしました。
医療部材におきましては、国内市場では内視鏡関連部材、海外市場では検査用のカテーテル部材の供給や腹部血管系カテーテル部材の供給などの米国向け取引が増加し、売上高は増加いたしました。
産業部材におきましては、国内を中心とする建築関係の取引が減少したものの、米国 BOA TECHNOLOGY社向けのシューズ用ワイヤーの取引が増加し、売上高は増加いたしました。
以上の結果、売上高は23億25百万円(前年同期比27.8%増)となりました。
また、セグメント利益は、外部顧客への売上高及びセグメント間取引が増加したため、8億17百万円(同83.5%増)となりました。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。将来に関する事項は不確実性を内包しておりますので、将来生じる実際の結果と差異を生じる可能性があります。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
(会社の支配に対する基本方針)
当社は、平成19年8月10日開催の当社取締役会において「当社株式の大規模買付行為への対応策」(以下「旧プラン」といいます。)を導入し、平成19年9月27日開催の当社第31回定時株主総会及び平成22年9月29日開催の当社第34回定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただき継続しておりますが、平成25年9月26日開催の第37回定時株主総会において株主の皆様のご承認を受け、旧プランの一部を変更(以下、変更後の対応策を「本プラン」といいます。)し、本プランとして継続いたしました。
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
上場会社である当社の株式は株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の株式に対する大規模買付提案又はこれに類似する行為があった場合においても、一概に否定するものではなく、最終的には株主の皆様の自由な意思により判断されるべきであると考えます。しかしながら、近年わが国の資本市場においては、対象となる企業の経営陣の賛同を得ずに、一方的に大規模買付提案又はこれに類似する行為を強行する動きが顕在化しております。
当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の企業理念、企業価値のさまざまな源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保、向上させる者でなければならないと考えております。従いまして、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付提案又はこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
② 基本方針の実現に資する取組み
当社グループは、研究開発型企業として、医療及び産業機器分野において、安全と信頼を基盤とする「Only One」技術や「Number One」製品を世界に発信し続けることにより、全てのお客様の「夢」を実現するとともに、広く社会に貢献していくことを企業理念としております。また特に、当社グループの医療機器分野事業は、主に、傷口が小さく痛みの少ない「低侵襲治療」の製品を開発・製造・販売しており、患者様の肉体的・精神的・経済的負担を軽減し、そして医療費抑制にも貢献できる、大変意義のある事業であると考えており、今後も、社会に貢献できる企業であり続けることで、社会からも市場からも評価される企業として、さらなる成長を遂げたいと考えております。
当社は、昭和51年の創業以来、産業機器分野において極細ステンレスワイヤーロープの開発・製造・販売に注力し、国内トップシェアを確立してまいりました。平成3年には医療機器分野に進出し、平成4年には国内初の心筋梗塞の治療に使用される「循環器系治療用PTCAガイドワイヤー及びガイディングカテーテル」の製品化に成功、さらにはこれまで外科手術の領域とされておりましたCTO領域についても治療が可能な循環器系治療用PTCAガイドワイヤーの開発に成功するなど、現在では、当社製品の循環器系治療用PTCAガイドワイヤーは、国内市場においてトップシェアを確立するに至っております。このように当社が成長を続けてきた主な要因は、当社がこれまで長年に亘って蓄積し培ってまいりました「技術力」にあると当社は考えております。
これら「技術力」の源泉である主な技術内容は、伸線技術、ワイヤーフォーミング技術、トルク技術、コーティング技術の4つのコアテクノロジーで構成されており、これらの技術をベースに原材料から製品までの一貫生産体制が可能となっていることが当社の強みと考えております。これらコアテクノロジーの中でも他社には無い技術として「トルク技術」があります。この技術は独自の高い技術と加工設備を駆使し、ステンレスに高度な回転追従性を持たせる技術であり、このトルク技術により高い優位性を持つPTCAガイドワイヤーの製品化が可能となっております。また素材から完成品まで自社内で対応できるという強みは、当社が産業機器分野を有していることから可能となっており、ドクターからの高い要望に対しても素材レベルから対応が可能となっております。
このような強みを元に、当社は平成26年7月から平成30年6月までの4年間における中期経営計画として『Global Expansion 2018』を掲げ、「低侵襲治療製品を機軸とし、開発から製造・販売までトータルサポートできるグローバル医療機器企業へ」をテーマとして、平成30年6月期までに連結売上高400億円を達成することを目指しております。
中期経営計画の実現は、上記に記載いたしました当社の「技術力」の上に成り立つものであり、不適切な大規模買付提案またはこれに類似する行為が行われる場合、当社の技術を支えている優れた技術者や、技術の内容そのものが離散するリスクが生じ、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損する恐れがあると考えております。
これら中長期的視野に基づく経営こそが、当社への信頼を高め、ひいては当社の企業価値を安定的かつ持続的に向上させ、株主共同の利益の確保・向上に繋がるものと確信しており、また上記の取組みは、今般決定いたしました上記「① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」の実現に資するものと考えております。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
(a) 本プラン導入の目的
当社取締役会は、当社株式に対して大規模な買付行為等が行われた場合に、株主の皆様が適切な判断をするために、必要な情報や時間を確保し、買付者等との交渉等が一定の合理的なルールに従って行われることが、企業価値ひいては株主共同の利益に合致すると考え、以下の内容の大規模買付時における情報提供と検討時間の確保等に関する一定のルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を設定し、会社の支配に関する基本方針に照らして、不適切な者によって大規模な買付行為が為された場合の対応方針を含めた買収防衛策として、第37回定時株主総会における株主の皆様のご承認を頂き、旧プランの内容を一部変更し、本プランを継続することとなりました。
(b) 本プランの対象となる当社株式の買付
当社株式の買付とは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為とします。
(c) 独立委員会の設置
本プランを適正に運用し、当社取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の合理性及び公正性を担保するために、当社は、当社取締役会から独立した組織として独立委員会を設置いたします。独立委員会の委員は、3名以上とし、公正で中立的な判断を可能とするため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外監査役及び社外有識者(平成25年9月26日より社外取締役に就任)の中から、当社取締役会が選任します。
(d) 大規模買付ルールの概要
イ. 意向表明書の提出
大規模買付行為又は大規模買付行為の提案に先立ち、まず、当社代表取締役宛に、大規模買付ルールに従う旨の誓約及び以下の内容等を日本語で記載した意向表明書をご提出頂きます。
ロ. 大規模買付者からの情報の提供
当社は、上記イ.の意向表明書を受領した日の翌日から起算して10営業日以内に、大規模買付者に対し、株主の皆様の判断及び当社取締役会としての意見形成のために、取締役会に対して提供頂くべき必要かつ十分な情報のリストを交付します。大規模買付者には、当該リストの記載に従い、本必要情報を当社取締役会に書面で提出して頂きます。
ハ. 当社の意見の通知・開示等
当社取締役会は、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付者が当社取締役会に対し本必要情報の提供を完了した日の翌日から起算して、対価を現金(円貨)のみとする公開買付による当社全株式を対象とする大規模買付行為の場合は最長60日間又はその他の大規模買付行為の場合は最長90日間を、当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間として設定します。
(e) 大規模買付行為が実行された場合の対応
イ. 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合
当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該大規模買付行為についての反対意見の表明や代替案を提示することにより、株主の皆様を説得するにとどめ、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。大規模買付者の買付提案に応ずるか否かは、株主の皆様において、当該買付提案及び当社が提示する当該買付提案に対する意見、代替案等をご考慮の上、ご判断頂くことになります。
ロ. 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合
具体的な買付方法の如何にかかわらず、当社取締役会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、大規模買付行為に対抗する場合があります。
対抗措置を発動することについて判断するにあたっては、当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重して、対抗措置の必要性、相当性等を十分検討した上で発動の是非について判断するものとします。
ハ. 対抗措置発動の停止等について
当社取締役会が具体的対抗措置を講ずることを決定した後に当該大規模買付者が大規模買付行為の撤回又は変更を行った場合等、対抗措置の発動が適切でないと当社取締役会が判断した場合には、独立委員会の勧告を十分に尊重した上で、当該対抗措置の発動の停止等を行うことがあります。
(f) 買収防衛策の有効期間について
本プランの有効期間は、平成25年9月開催の第37回定時株主総会終結の時から平成28年9月開催予定の第40回定時株主総会終結の時までとします。
④ 具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
本プランは、上記「③ (a) 本プラン導入の目的」にて記載したとおり、当社株式に対する大規模買付行為がなされた際に、当該大規模買付行為に応ずるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。
※本プランの詳細につきましては、当社ホームページに掲載の平成25年8月9日付「会社の支配に関する基本方針及び当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)の更新について」をご参照下さい。
(3)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、8億13百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。