有価証券報告書-第61期(平成26年4月1日-平成26年12月31日)

【提出】
2015/03/30 9:22
【資料】
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【項目】
119項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるスポーツ用品業界は、健康志向によるスポーツへの関心の高まりやランニングブームを背景に、堅調に推移しました。特に、当社グループにとって最重点地域の1つである米国では、フットウエア市場を中心に堅調な成長が続きました。
このような情勢のもと、当社グループは、中期経営計画「アシックス・グロース・プラン(AGP)2015」に基づき、引き続きグローバルレベルでの事業の強化・拡大を図りました。
ランニングは、コア事業として更なる拡大を目指しました。高機能ランニングシューズ「GEL-NIMBUS 16」、「GEL-KAYANO 21」を市場投入しました。さらに、世界最大級の参加者数を誇る「TCSニューヨークシティマラソン」をはじめ、パリ、ストックホルム、神戸など世界各地のマラソン大会への協賛などを行いました。
アスレチックスポーツは、ブランド価値の向上に努めました。南アフリカ共和国、オーストラリア両国のラグビー代表チームのレプリカジャージを発売しました。さらに、ウズベキスタンで開催された2014年レスリング世界選手権大会において、世界6カ国の代表選手へ当社製品を提供したほか、韓国で開催された第17回アジア競技大会において、世界9の国と地域の代表選手への当社製品の提供などを行いました。
オニツカタイガーは、先鋭的で洗練されたブランドとしての価値向上に努めました。国内外の有名デザイナーとのシューズ・アパレルのコラボレーションモデルの発売のほか、「メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク東京」への参加などを行いました。
販売面では、自主管理売場の拡大を通じた売上拡大に努めました。アシックスブランドの大型パートナーストア「アシックスタイムズスクエア」をマンハッタンの42番通りにオープンし、またアシックスブランドの直営店をメルボルン、マドリード、ハンブルグ、リオデジャネイロにオープンするなど、世界各地への出店を進めました。これにより、当社の自主管理売場の店舗数は、直営店381店舗、その他パートナーストアを含めると全世界で1,100店舗を超えました。さらに、世界共通のITプラットフォームに基づく自社独自のEコマースサイトでの販売を、これまでの4カ国に加え、新たにドイツ、フランス、スペイン、イタリアで開始しました。
アパレル事業では、売上拡大・収益性向上のため、グローバル開発生産機能の強化に努めました。香港の「亞瑟士香港服装有限公司」への世界各国向けアパレル生産管理機能の集約を進めたほか、当社のアパレル事業における材料調達機能・品質管理機能を同社へ一部移管しました。さらに、原価低減を目的として、生産工場の中国地域から東南アジア地域への移転も進めました。その他、同事業ではランニングウエアの拡充にも努めました。
新規ビジネスでは、スポーツの知見を応用した運動サービスプログラムを提供する機能訓練特化型デイサービス施設「Tryus(トライアス)西宮」を開業し、人々の生活に貢献できるサービスの創出に努めました。
また、グローバル物流網の構築により、安定的な製品供給体制の確立に努めました。欧州の新たな物流拠点となる「アシックス ヨーロッパ物流センター」をドイツに建設し、稼働させました。
さらに、革新的な商品・価値の提供を目的とした研究開発力の強化のため、スポーツ工学研究所の増設および実験設備の充実など、研究開発環境の向上に努めました。
加えて、グローバル・各地域ともにプロフェッショナル人財のスピーディな育成・採用を強化するとともに、グローバル人財の最適配置に努めました。年功的処遇を廃止した新人事制度の導入などを行いました。また、多様な人財が最大限能力を発揮できる企業文化・環境の中でイキイキと働き、持続的な会社の成長に貢献することを目的として、「'One Team'違いを活かす、高め合う。」をスローガンにダイバーシティを推進しました。
その他、東日本大震災の継続的な復興支援活動「A Bright Tomorrow Through Sport (ブライト トゥモロー スルー スポーツ)あしたへ、スポーツとともに」の一環として、「東北風土マラソン&フェスティバル2014」への協賛や、プロ野球選手と子どもたちとのふれあいイベント「Tomorrow Ball Park in Fukushima」の開催などを行いました。
当連結会計年度における売上高は354,051百万円となりました。このうち国内売上高は68,990百万円、海外売上高は285,061百万円となりました。売上総利益は155,187百万円、営業利益は30,466百万円、経常利益は34,302百万円、当期純利益は22,285百万円となりました。
報告セグメント別の業績は、次のとおりであります。
なお、平成26年12月期は決算期変更の経過期間となることから、当連結会計年度につきましては、当社および従前の決算日が3月31日の連結子会社は9ヶ月間(平成26年4月1日~平成26年12月31日)、決算日が12月31日の連結子会社は12ヶ月間(平成26年1月1日~平成26年12月31日)を連結対象期間とした変則的な決算となっております。このため、日本地域の前年同期間比につきましては記載しておりません。
① 日本地域
日本地域におきましては、売上高は82,575百万円となり、セグメント損失は714百万円となりました。
② 米州地域
米州地域におきましては、ランニングシューズが好調であったことおよび為替換算レートの影響により、売上高は118,879百万円(前年同期間比25.8%増、前年度の為替換算レートを適用した場合14.9%増)となり、セグメント利益につきましては増収の影響および原価率の改善などにより、10,935百万円(前年同期間比31.4%増、前年度の為替換算レートを適用した場合20.0%増)となりました。
③ 欧州地域
欧州地域におきましては、ランニングシューズが好調であったことおよび為替換算レートの影響により、売上高は104,791百万円(前年同期間比22.9%増、前年度の為替換算レートを適用した場合13.0%増)となったものの、セグメント利益につきましてはロシアルーブルやノルウェークローネなどの対ユーロ為替レートが下落した影響および仕入コストの上昇などにより、8,652百万円(前年同期間比14.7%増、前年度の為替換算レートを適用した場合5.4%増)となりました。
④ オセアニア/東南・南アジア地域
オセアニア/東南・南アジア地域におきましては、オーストラリアでランニングシューズが堅調であったことに加え、シンガポール子会社が販売活動を開始したことおよび為替換算レートの影響により、売上高は18,559百万円(前年同期間比21.8%増、前年度の為替換算レートを適用した場合19.6%増)となったものの、仕入コストにかかる為替の影響などにより、セグメント利益につきましては3,245百万円(前年同期間比1.9%増、前年度の為替換算レートを適用した場合0.3%減)となりました。
⑤ 東アジア地域
東アジア地域におきましては、ランニングシューズおよびオニツカタイガーシューズが好調であったことならびに為替換算レートの影響により、売上高は31,494百万円(前年同期間比32.5%増、前年度の為替換算レートを適用した場合18.3%増)となり、セグメント利益につきましては中国子会社の増収の影響などにより、2,328百万円(前年同期間比85.8%増、前年度の為替換算レートを適用した場合68.8%増)となりました。
⑥ その他事業
その他事業におきましては、ホグロフスブランドのアウトドアウエアが堅調であったことおよび為替換算レートの影響により、売上高は11,822百万円(前年同期間比9.4%増、前年度の為替換算レートを適用した場合5.8%増)となりましたが、事業再構築のための一時的な費用を計上したことなどにより、セグメント損失は821百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローにおきましては、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、51,051百万円と前年同期末に比べ2,582百万円減少しました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
なお、平成26年12月期は決算期変更の経過期間となることから、当連結会計年度につきましては、当社および従前の決算日が3月31日の連結子会社は9ヶ月間(平成26年4月1日~平成26年12月31日)、決算日が12月31日の連結子会社は12ヶ月間(平成26年1月1日~平成26年12月31日)を連結対象期間とした変則的な決算となっております。このため、前年同期間比につきましては記載しておりません。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は10,720百万円となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益34,182百万円および売上債権の減少額6,411百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額14,077百万円およびたな卸資産の増加額12,923百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は9,845百万円となりました。
収入の主な内訳は、定期預金の払戻による収入6,139百万円であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出7,525百万円、定期預金の預入による支出4,335百万円、無形固定資産の取得による支出2,248百万円、投資有価証券の取得による支出1,035百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は4,847百万円となりました。
支出の主な内訳は、配当金の支払額3,225百万円、短期借入金の純減少額779百万円であります。