有価証券報告書-第63期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/25 15:08
【資料】
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【項目】
122項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度の経済情勢は、国内では消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動による落込みの影響が見られましたが、金融緩和政策の継続により緩やかな回復基調に転じました。
一方海外では、欧州のウクライナ情勢やギリシャの債務問題などの不安定な状況が続き、また中国でも成長の鈍化が見られたものの、米国では雇用改善などを背景に個人消費が堅調に推移しました。
このような状況下、当社グループは、海外では好調な北米を始め、アジアでの伸長や、欧州でのM&Aを含め伸びも見られ、全体として好調に推移しました。国内においては主要顧客であります日系自動車メーカーの当事業年度のの国内生産台数が前期比96.8%と前年度を下回る中、新型車への搭載金額を高めたこと等もありほぼ前年並みに推移しました。
この結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高は2,254億1千5百万円(前期比21.7%増)となりました。
一方、利益面では生産能力拡大に向け費用増もありましたが、売上増加による限界利益増や原価低減活動もあり営業利益は209億7千5百万円(前期比33.4%増)となり、経常利益は206億2千6百万円(前期比21.2%増)となりました。また当期純利益につきましては、特別損失として欧州の子会社の災害による損失7億3千5百万円や国内の事業構造改善費用10億2千7百万円がありましたが、営業利益増や過年度法人税等の還付7億5千7百万円もあり最終的には129億1百万円(前期比32.0%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
① 合成樹脂成形品事業
[国内自動車業界向け]
4月からの消費税増税の反動による個人消費の低迷が続き、国内メーカーの自動車生産台数は前期に比べて大きく減少しました。これを受けた当社の自動車向け国内販売は厳しい状況ではありましたが、新型車に対する当社製品の採用金額の増加を進めたことに加え、好調な輸出車向け部品及び海外生産車向けの輸出部品の増収などの要因もあり、通期では増収となりました。
今後の国内市場は引き続き自動車生産の減産傾向が予想されますが、状況の変化に対応するため更なるお客様の需要を掘り起こす高付加価値新商品の開発を進めております。
また、当連結会計年度に実施した組織改革を基に国内事業の強化を進め、高い競争優位性・生産性を実現して事業の一層の発展を目指します。
[海外自動車業界向け]
当社海外連結子会社の業績は、日系及び韓国系自動車メーカー向けの販売が好調で、北米とアジアにて大幅増収となり、また、欧州でもM&A効果により大幅増収となりました。
利益面でも、円安効果に加え主要拠点の改善が進んだことや上記M&A効果により、大幅増益となりました。
一方、取引先の海外生産の拡大に対応するため、英国の第二工場、ポーランドの増床工事が竣工し、今後もグローバルに生産体制の拡充を図ってまいります。
特に欧州ではKTS Group、KTW Groupの子会社化を通じて、欧州自動車メーカー向けのグローバルな製品供給、当社グループの販売網を通じた、欧州域外への新製品の拡販を積極的に推進しております。
[その他業界向け]
本年1月よりホームソリューション事業とバックル事業を統合し、ホームソリューションカンパニーとして発足しました。当カンパニーは住生活におけるさまざまな課題解決に向け、それぞれの事業が築きあげてきた多くの実績をもとに、更なるシナジー効果を発揮してまいります。これにより安全性・確実性、快適性の向上に寄与する商品提案をグローバルに展開し事業拡大を図ってまいります。
以上の結果、合成樹脂成形品事業としましては、当連結会計年度の売上高は2,017億6千8百万円(前期比24.7%増)となり、営業利益は、売上増加に伴う限界利益増や生産効率を高める原価低減活動等により228億6千4百万円(前期比29.8%増)となりました。
② ベッド及び家具事業
本事業は子会社のシモンズ株式会社及びそのアジアの子会社が行っている日本とアジアでの高級ベッドの製造・販売です。高級ベッドとしてのブランド戦略が奏功し、消費税増税の反動の影響も見られた中、売上高は212億6千万円(前期比0.5%増)となりました。営業利益は、円安による原材料のコストアップによる影響もあり31億8千3百万円(前期比1.3%減)となりました。
③ その他の事業
本事業は主に子会社の株式会社ジャパンタイムズが行っている新聞及び出版事業です。メディアの多様化の影響もあり厳しい状況が続いておりますが、売上高は23億8千6百万円(前期比21億6千5百万円)、営業損失は1億6千6百万円(前期営業損失3億3千7百万円)と改善が見られました。引き続き全社を挙げて経費節減等に努めてまいります。
(2)キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、前期比27億6千万円増加し、227億9千8百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益191億5千1百万円や減価償却費121億7千5百万円の資金増がありましたが、一方で、売上の増加に伴い売上債権の増加による資金減40億3千2百万円やたな卸資産の増加による資金減30億3千9百万円及び法人税等の支払額61億6千5百万円があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、前期比39億7千3百万円減少し、229億7千4百万円となりました。これは主に国内では生産や技術の集約等に伴う投資や欧州自動車メーカー向けのポーランドでの生産設備増強等による有形固定資産の取得による支出210億2千6百万円や子会社株式の取得による支出76億7百万円があったことと、定期預金の預入・払戻で49億8千2百万円の収入があったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって得られたキャッシュ・フローは、前期比63億5千7百万円増加し、98億2千万円となりました。これは主に、長期借入れによる収入199億8千6百万円があったものの、長期借入金返済による支出49億2千8百万円、配当金支払による支出37億5千万円があったことなどによるものであります。
以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前期比118億8千1百万円増加し、519億4百万円となりまし
た。
[連結キャッシュ・フロー計算書の要約]
区分前連結会計年度当連結会計年度
現金及び現金同等物の期首残高(百万円)33,35340,022
営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)20,03722,798
投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△19,001△22,974
(固定資産投資)(百万円)(△23,961)(△21,026)
財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)3,4629,820
現金及び現金同等物に係る換算差額(百万円)2,1702,238
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)(百万円)6,66811,881
現金及び現金同等物の期末残高(百万円)40,02251,904