有価証券報告書-第59期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/21 15:20
【資料】
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【項目】
107項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、先進国では堅調な個人消費により緩やかな景気回復基調が継続しましたが、新興国の景気低迷が長期化し、さらに資源価格が大幅に下落したことにより、景気減速感は強まりました。
スポーツ用品業界においては、消費者の健康志向を背景にウォーキングやランニング等の比較的手軽な参加型スポーツが活況で、用品販売総体を牽引し堅調に推移しております。
一方、スポーツ施設事業では、施設の使用頻度は回復の兆しを見せているものの、顧客単価は低下傾向から回復しておらずこの傾向は当面続くものと懸念されます。
このような経営環境の中、当社グループは取扱種目それぞれの分野で新素材の採用・新機能の開発に積極的に取り組み、斬新なデザインとともに魅力的な製・商品を継続的に提供しております。また、マーケティングでは、より世界全域を意識した戦略を展開し、世界的に著名な契約選手の活躍に連動した広告宣伝活動や競技の普及、世界各地のユーザーの要望に合わせた直接的な販売促進活動を推進し、ヨネックスブランドの浸透と売上の増大を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度における連結売上高は541億59百万円(前期比13.7%増)と増加しました。戦略的且つ積極的に投じた広告宣伝費他販売経費が奏功した結果、営業利益は32億79百万円(前期比57.5%増)、経常利益は29億64百万円(前期比23.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は22億27百万円(前期比31.4%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①[スポーツ用品事業]
イ.[日本]
日本経済は、輸出、生産面で新興国経済の減速による影響が懸念されますが、堅調な企業収益、雇用・所得環境の改善、株高等が消費の回復を後押しし、穏やかな回復基調が続いております。
バドミントンでは、日本選手の競技成績の向上や年齢を問わない競技自体の楽しさから、競技人気が高まり多くのお客様からご指名を頂いております。
テニスでは、世界4大大会の注目が高まる中、当社はそのひとつである全豪オープンでオフィシャルストリンガーを務め、テニスブランドとしての地位向上にも注力しております。
ゴルフでは、低迷する市場環境の中、当社は自社工場での国内生産を行う特徴を生かした細やかな対応力と品質を柱に、着実な指名買いの増大を図っております。
また、中国代理店との販売契約終了に伴い、当期より中国販売子会社がバドミントン、テニス用品の直接販売を開始したことにより、中国への売上が日本からアジアセグメントに変更となり、売上高が減少しております。
この結果、売上高は385億77百万円(前期比7.1%減)、営業利益は16億51百万円(前期比6.4%増)となりました。
ロ.[北米]
北米経済は、ドル高や新興国経済の減速を受け輸出が停滞し、企業設備投資も減少していますが、個人消費は堅調に推移し穏やかな回復が続いております。
北米販売子会社では、バドミントンは堅調に推移し、テニスも復調の兆しが見られ売上は増加しましたが、米国では市場価格の低迷、カナダではカナダドル安の影響を受け、粗利の低下、販売経費負担増となりました。
この結果、売上高は19億81百万円(前期比22.3%増)、営業利益は86百万円(前期比4.1%減)となりました。
ハ.[ヨーロッパ]
ヨーロッパ経済は、個人消費等の内需が景気を牽引し緩やかな回復基調にありますが、テロの懸念や難民問題等のマイナス材料により増勢は弱まっております。
ヨーロッパ販売子会社では、バドミントン、テニスの主力種目で売上は微増に留まり、ユーロ安の影響で売上総利益率が低下いたしました。
この結果、売上高は24億68百万円(前期比1.9%増)、営業利益は13百万円(前期比78.6%減)となりました。
ニ.[アジア]
アジア経済は、新興国・資源国では資源価格の下落や通貨安、インフレ高進の連鎖も見られ、成長ペースが鈍化しております。中国でも製造業で生産調整の動きが強まり、家計部門でも耐久消費財を中心に消費が減速し成長率が緩やかに低下しております。
中国販売子会社では、4月より従来の代理店に替え、バドミントン、テニス用品の直接販売を開始いたしました。中国におけるバドミントン競技人気にも牽引され、アジアセグメントにおける大幅な売上増、利益増に貢献しております。
台湾子会社では、グループ内の販路の再構築の影響で生産量の減少が見られましたが、バドミントンの台湾国内販売は堅調な売上を維持しております。
この結果、売上高は106億40百万円(前期比560.5%増)、営業利益は19億12百万円(前期比447.1%増)となりました。
これらの結果、各地域セグメントを合計したスポーツ用品事業の売上高は536億68百万円(前期比13.8%増)、営業利益は36億63百万円(前期比78.4%増)となりました。
②[スポーツ施設事業]
スポーツ施設事業の中核をなすヨネックスカントリークラブでは、日本海エリア唯一のトーナメント開催コースとしてのコースコンディションを年間を通じて維持し、その話題性、優位性を活用して入場者数増加を図りました。当期は比較的好天に恵まれたことと前期末に実施した減損処理による減価償却費の負担減により、業績は改善されました。
この結果、スポーツ施設事業の売上高は4億91百万円(前期比6.2%増)、営業利益は38百万円(前期比443.8%増)となりました。
(注)セグメント別の記載において、売上高については、「外部顧客への売上高」について記載し、営業損益については、「調整額」考慮前の金額によっております。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4億82百万円増加し、当連結会計年度末は84億45百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は36億38百万円(前期比255.5%増)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益29億95百万円、減価償却費11億81百万円、仕入債務の増加11億32百万円であり、支出の主な内訳は、たな卸資産の増加15億62百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は36億35百万円(前期比74.7%増)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得35億5百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は7億21百万円(前期比14.9%減)となりました。収入の主な内訳は、長期借入れによる収入11億円であり、支出の主な内訳は、配当金の支払3億25百万円であります。