訂正有価証券報告書-第63期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/08/08 16:52
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【項目】
142項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、経済政策の効果による円高の是正や株価の回復などもあり緩やかな景気回復が続きました。海外経済におきましては、米国では景気回復基調にあるものの、中国や新興国における経済成長に鈍化が見られるなど、予断を許さない状況が続きました。
このような環境のもと、当社グループでは、
1.国内玩具事業で安定的収益基盤作り
2.投資原資を欧米へ集中投下しグローバル化促進
3.成長するアジアでの事業トライアルによる次世代事業形成
の3つの基本方針のもと、収益力の回復と経営効率化に取り組みました。
当連結会計年度におきましては、「トミカ」やトレーディングカードゲームの販売が堅調に推移するとともに、「トランスフォーマー」関連商品の輸出が伸長したほか、アミューズメントマシン「ポケモントレッタ」が引き続き人気を集めました。また、海外事業の中核を担うTOMY Internationalグループでは、日本とのクロスセリングを本格的に展開し、販売シナジーの拡大に取り組みました。さらに、インドネシアにおいて現地の購買水準と嗜好に対応したオリジナル商品を開発し事業トライアルを開始いたしました。売上高は、中核の玩具事業の強化と経営効率化を図る戦略的プランの一環として、7月に完全子会社 トイズユニオン㈱の全株式を譲渡し連結の範囲より除いたことで、同社売上高が前年度比30,773百万円減少した影響などから、154,804百万円(前年度比13.4%減)となりました。利益面につきましては、中国での販売不振や在庫評価減の計上を行ったものの、前年度実施した希望退職募集による人員の適正化、広告宣伝費の圧縮など、販売費及び一般管理費の削減を進め、営業利益3,335百万円(同30.9%増)となりました。経常利益は、営業外収益における為替差益の増加などにより3,300百万円(同25.9%増)となりました。また、投資有価証券売却益など特別利益1,150百万円、中国における一部事業の撤退に伴う費用およびTOMY Internationalグループの事業構造改善費用並びに投資有価証券売却損など特別損失1,842百万円、法人税等合計2,333百万円を計上したことから当期純利益は、232百万円(前年度当期純損失7,173百万円)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
売上高営業利益又は営業損失(△)
前期当期前期比増減前期当期前期比増減
日本137,844107,777△30,0667,0377,355317
北米・欧州・オセアニア36,10442,1276,023△1,637△723913
アジア28,97049,50020,5301,445526△919
合計202,919199,405△3,5136,8467,157311
消去又は全社△24,173△44,601△20,428△4,299△3,822476
連結178,745154,804△23,9412,5473,335787

<日本>「トミカ」におきましては、人気コンテンツとコラボレーションした「ドリームトミカシリーズ」の販売が好調に推移するとともに、トレーディングカードゲーム「デュエル・マスターズ」では、新規ユーザー拡大のための積極的なマーケティング展開が奏功し堅調な販売となりました。「トランスフォーマー」は新商品ラインが人気を集め、特に海外向けの輸出が伸長いたしました。また、新商品ラインとして、モバイルメッセンジャー「LINE」や「ディズニー」の新作アニメーション映画「プレーンズ」の関連商品、ゲーム筐体“モンスター烈伝オレカバトル”との連動機能を備えたスマホ型玩具「オレカンペキデバイス」など、話題のキャラクターやコンテンツと連動した商品を発売し人気を博しました。さらに、動物をテーマにしたギミック付フィギュア「アニア」を発売し定番商品の拡大を図りました。玩具周辺事業では、アミューズメントマシン「ポケモントレッタ」が引き続き好調に推移いたしました。中核の玩具事業の強化および拡大に向けた事業ポートフォリオの最適化として、7月にTVゲーム関連商材の卸販売を展開していた完全子会社 トイズユニオン㈱の全株式を㈱ハピネットに譲渡いたしました。また、1月には㈱タツノコプロの株式の一部を日本テレビ放送網㈱に譲渡し、同社を持分法適用関連会社といたしました。売上高は、主に前述のトイズユニオン㈱の株式譲渡による影響から、107,777百万円(前年度比21.8%減)となりましたが、営業利益は販売費及び一般管理費の圧縮などにより7,355百万円(同4.5%増)を計上することができました。
<北米・欧州・オセアニア>TOMY Internationalグループでは、日本とのクロスセリングを本格化させ、グローバルトイライセンス契約を締結した「ポケモン」関連商品や日本で好評を博している体感型ロボット「バトロボーグ」の販売が拡大いたしました。また、前連結会計年度に「きかんしゃトーマス」関連商品のライセンス使用許諾期間が終了したものの、農耕車両メーカー「John Deere」関連商品やBoon,Inc.およびKeen Distribution, LLCのベビー商品の販売が好調に推移するとともに、円安による為替の影響も加わり、売上高は42,127百万円(前年度比16.7%増)となりました。利益面では、重点商品のマーケティングを強化したことで広告宣伝費が増加するとともに、商標利用権等の償却費として757百万円を計上したことなどにより、営業損失723百万円(前年度営業損失1,637百万円)となりました。
<アジア>ASEAN諸国におきましては国や地域の購買水準と嗜好に対応する新商品開発を進めており、インドネシアにおいて現地の男児が好む自動車と動物両方を商品デザインに取り入れた独自のキャラクター玩具「アニマルホイールズ」を発売し人気を博しました。また、「トミカ」や「アニア」の店頭プロモーションを積極的に展開いたしました。中国事業につきましては、不採算店舗の閉鎖を進めるなど、事業の再構築を進めてまいりましたが、同国における厳しい販売状況を踏まえ、事業の方向性に関して検討した結果、安定的に収益を確保できる「トミカ」、「プラレール」および「ポケモン」、「ディズニー」関連商品の販売に注力し、その他商品の販売から撤退することといたしました。また、グローバル生産調達体制の構築を図るため、香港の生産子会社とTOMY Internationalグループの生産子会社の統合を行い、これまでTOMY Internationalグループでは同グループの生産子会社を経由させず、直接、生産委託工場に発注しておりましたが、今回統合した生産子会社がグローバル調達センターとしての機能を持ち、生産委託工場へ発注する業務プロセスを共通化いたしました。売上高につきましては、前述のとおり発注プロセスを共通したことなどにより、49,500百万円(前年度比70.9%増)となりました。営業利益については、前述の中国事業での販売不振や在庫評価減の計上により526百万円(同63.6%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
平成25年3月期平成26年3月期増減額
営業活動によるキャッシュ・フロー6,70112,4295,728
投資活動によるキャッシュ・フロー△3,414△1,0152,399
財務活動によるキャッシュ・フロー△8,4941,73510,229
現金及び現金同等物の期末残高32,58346,32513,741

<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、12,429百万円の収入(前年度は6,701百万円の収入)となりました。これは主として、減価償却費6,630百万円、売上債権の減少4,279百万円、税金等調整前当期純利益2,607百万円、たな卸資産の減少2,031百万円、のれん償却額1,615百万円等による資金の増加があった一方で、未払金の減少2,077百万円、法人税等の支払額1,571百万円、仕入債務の減少1,448百万円等による資金の減少があったことによるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、1,015百万円の支出(前年度は3,414百万円の支出)となりました。これは主として、短期貸付金の回収による収入1,198百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入810百万円、投資有価証券の売却による収入459百万円等による資金の増加があった一方で、有形固定資産の取得による支出2,914百万円、無形固定資産の取得による支出780百万円等による資金の減少があったことによるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、1,735百万円の収入(前年度は8,494百万円の支出)となりました。これは主として、社債の発行による収入9,923百万円、短期借入金の増加1,646百万円、長期借入れによる収入400百万円等による資金の増加があった一方で、長期借入金の返済による支出5,653百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出2,828百万円、社債の償還による支出990百万円、配当金の支払759百万円等による資金の減少があったことによるものです。
以上の増減額に現金及び現金同等物に係る換算差額などを調整した結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ13,741百万円増加して46,325百万円となりました。