有価証券報告書-第12期(平成26年1月1日-平成26年12月31日)

【提出】
2015/03/25 10:31
【資料】
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【項目】
126項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度(平成26年1月1日~12月31日)における世界経済は、米国では自律回復の足取りを強めておりますが、欧州では依然として景気の低迷が続き、アジアにおいても成長率が鈍化傾向で推移しました。一方、国内経済は、消費税率引き上げ後の物価高から個人消費が低迷し、企業の収益は円安による輸出恩恵と原材料高の両面があり、業種・規模によって明暗が分かれています。
当社グループを取り巻く環境は、世界最大のゴルフ用品市場である米国では、寒さが長引きシーズンインが遅れたことでゴルフ場入場者数が減少するとともに、ゴルフ用品市場も前年を下回りました。アジアでは、中国経済の成長鈍化をはじめとして、東南アジア周辺地域の市況も停滞感が広がり、韓国でも船舶事故などの原因により前年を下回る状況となりました。
一方、国内は、ゴルフ場入場者数は降雪や台風など天候に左右され、前年をわずかに下回りました。ゴルフ用品市場も天候や消費税率引き上げが影響し、各社の新製品や特価商材の投入効果があったものの前年をわずかに下回りました。
国内のテニス用品市場は、錦織圭選手の活躍効果があったものの、消費税率の引き上げや天候の影響により前年をわずかに下回りました。
このような状況のなか、当社グループは、強みである卓越した技術力を活かして優れた性能を誇る商品を開発し、国内ではゴルフクラブやゴルフボール、テニスラケットやテニスボールのシェア№1(※)を確保しました。ゴルファーを増やし、プレー回数を増やすことを目的として立ち上げた「+G(プラス!ゴルフ)プロジェクト」については、ゴルフを始めるきっかけを提供する「ゴルフスタートアッププログラム」を継続して実施したほか、8月には男子ツアーの「ダンロップ・スリクソン福島オープン」を新たに開催し、ゴルフ市場の活性化を図りました。
海外では、ゴルフにおいてゼクシオ、スリクソン、クリーブランドゴルフの3ブランドを戦略的に展開し、世界各地でシェアアップを図りました。
このほか、下半期には、既存のゴルフスクール、テニススクール事業と合わせてゴルフ・テニス用品事業に次ぐ第3の柱にすべく、フィットネス事業を営む㈱キッツウェルネス(現㈱ダンロップスポーツウェルネス)及び㈱サッポロスポーツプラザ(現㈱ダンロップスポーツプラザ)を買収し、子会社化しました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は70,898百万円(前期比106.5%)、経常利益は3,059百万円(前期比98.1%)、当期純利益は1,081百万円(前期比74.4%)となりました。
経常利益及び当期純利益につきましては、急激な円安による仕入調達コスト高などにより、前年を下回っております。
※:矢野経済研究所調べによる金額シェア
報告セグメント別の概況は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後の報告セグメントの区分に組み替えた数値で比較しております。
① スポーツ用品事業
ゴルフ用品のうち国内では、主力のゴルフクラブ「ゼクシオ エイト(8代目ゼクシオ)」の店頭販売が好調に推移したほか、9月発売のゴルフクラブ「スリクソン NEW Z シリーズ」も好調なスタートを切り、年間ゴルフクラブ売上№1(※)になりました。ゴルフシューズに関しても、1月から販売を開始したアシックス社の新商品が好調に推移しました。
一方、海外においてはゼクシオ、スリクソン、クリーブランドゴルフの3ブランドを戦略的に展開しました。韓国、中国、東南アジアを中心に販売していたゼクシオゴルフクラブを北米、欧州でも積極的に展開したほか、主に国内で販売していたゴルフクラブ「スリクソン NEW Z シリーズ」も世界で同時発売しました。クリーブランドゴルフは、シェアの高いウエッジに集約し、北米、欧州で積極的な販売活動を進め堅調に推移しました。
以上に加え、為替レートも円安で推移したことから、ゴルフ用品合計で売上高は前年を上回りました。
テニス用品は、消費税率引き上げの影響が予想よりも長引いたことから、テニスボールで苦戦しましたが、ラケットでは、スリクソンの「REVO V」シリーズや、バボラの「ピュア ドライブ」シリーズなどの新商品が好調に推移し、前年を上回りました。
以上の結果、ライセンス収入を加えたスポーツ用品事業の当連結会計年度の売上高は63,669百万円(前期比103.3%)となりました。
※:矢野経済研究所調べによる金額シェア
② サービス・ゴルフ場運営事業
ゴルフ場運営事業では、前連結会計年度に連結子会社であった播備高原開発㈱の全株式を売却したため売上高は前年を下回りましたが、ゴルフトーナメント運営事業では、受注数が増加したことにより売上高は前年を上回りました。
以上の結果、サービス・ゴルフ場運営事業の当連結会計年度の売上高は4,508百万円(前期比108.6%)となりました。
③ ウェルネス事業
本報告セグメントは、ウェルネス事業への新規参入に伴い、当連結会計年度より新たに追加したものであり、ウェルネス事業、ゴルフスクール事業及びテニススクール事業によって構成されております。
ウェルネス事業は当連結会計年度からの計上となります。
ゴルフスクール事業は、拠点の減少などにより売上高は前年を下回りましたが、テニススクール事業は、錦織圭選手の活躍効果などもあり、売上高は前年を上回りました。
以上の結果、ウェルネス事業の当連結会計年度の売上高は2,720百万円(前期比338.8%)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、2,472百万円と前連結会計年度末と比較して794百万円増加しました。各活動によるキャッシュ・フローの内容は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは3,987百万円の収入となりました(前連結会計年度は649百万円の収入)。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益の2,913百万円、減価償却費2,401百万円等であります。また、支出の主な内訳は、たな卸資産の増加額2,040百万円、法人税等の支払額1,416百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは8,347百万円の支出となりました(前連結会計年度は1,912百万円の支出)。支出の主な内訳は、子会社株式の取得による支出4,871百万円、有形固定資産の取得による支出1,350百万円、短期貸付金の純増加額1,173百万円、無形固定資産の取得による支出919百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは4,976百万円の収入となりました(前連結会計年度は2,516百万円の支出)。収入の主な内訳は、短期借入金の純増加額4,768百万円、長期借入れによる収入2,000百万円、支出の主な内訳は、配当金の支払額1,159百万円であります。