有価証券報告書-第93期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/23 15:31
【資料】
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【項目】
69項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度の経済環境を概観しますと、米国をはじめとする先進国では総じてみると緩やかな回復が続きましたが、中国をはじめとする新興国の景気の弱さにより、世界経済全体としては弱含みの推移となりました。この間、原油をはじめとする商品市況は一旦下落したものの、昨年末にかけて持ち直しました。また、英国の国民投票や米国の大統領選挙の結果を受けて、金融市場は一時的に不安定な動きになりました。
米国経済は、堅調な雇用環境を背景とした家計部門の消費の伸びが下支えとなって景気の回復が続きました。また、新政権の政策への期待等から、株高が進みました。
欧州経済は、ドイツを中心に緩やかな回復となりました。
新興国経済は、中国が消費、投資、輸出の弱めの動きにより減速したほか、ブラジル等では内外需ともに勢いを欠いた状態が続いたこと等から、全体として弱い成長となりました。
日本経済は、雇用環境の改善が続く一方で消費マインドに足踏みがみられ、弱い回復にとどまりました。
このような経済環境のなか、当連結会計年度の経営成績は次の通りとなりました。
(単位:百万円)

当連結会計年度前連結会計年度増減
売上高11,134,16912,207,957△1,073,788
売上総利益613,880670,086△56,206
営業利益91,597104,231△12,634
持分法による投資損益114,72531,82482,901
親会社の所有者に帰属する当期利益155,35062,26493,086

収益7,128,8057,300,299△171,494

(注)「売上高」及び「営業利益」は、投資家の便宜を考慮し、日本の会計慣行に従った自主的な表示であ り、IFRSで求められている表示ではありません。「売上高」は、取引形態の如何にかかわりなく当社及 び連結子会社の関与する全ての取引を含んでおります。「営業利益」は、連結包括利益計算書における 「売上総利益」及び「販売費及び一般管理費」(貸倒引当金繰入額を含む)の合計額として表示してお ります。

売上高
売上高は、主に円高の影響により、前連結会計年度比1兆738億円(8.8%)減収の11兆1,342億円となりました。
なお、IFRSに基づく「収益」は、前連結会計年度比1,715億円(2.3%)減収の7兆1,288億円となりました。
売上総利益
売上総利益は、前連結会計年度比562億円(8.4%)減益の6,139億円となりました。オペレーティング・セグメント別には、主に生活産業、素材で減益となりました。
営業利益
営業利益は、円高の影響等により販売費及び一般管理費は減少したものの、売上総利益の減益により、前連結会計年度比126億円(12.1%)減益の916億円となりました。
持分法による投資損益
持分法による投資損益は、前連結会計年度に計上したチリ銅事業及び豪州鉄鉱石事業の減損損失の反動を主因に、前連結会計年度比829億円(260.5%)増益の1,147億円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期利益(以下、当期利益)は、前連結会計年度比931億円(149.5%)増益の1,554億円となりました。
当連結会計年度のオペレーティング・セグメント別の業績は次の通りです。
・生活産業
食品関連の連結子会社が持分法適用会社になったことを主因に、売上総利益は、前連結会計年度比231億円(7.5%)減益の2,826億円となったものの、持分法による投資損益の増益、情報関連事業における子会社株式売却益、食品事業の海外子会社における固定資産売却益等により、当期利益は、前連結会計年度比30億円(5.2%)増益の613億円となりました。
・素材
売上総利益は、Helena Chemicalでの円高の影響やパルプ市況下落に伴うチップ・パルプ事業の採算悪化等により、前連結会計年度比214億円(10.9%)減益の1,758億円となり、当期利益は、前連結会計年度比46億円(13.7%)減益の287億円となりました。
・エネルギー・金属
売上総利益は、石炭価格の上昇を主因に豪州石炭事業が増益となったこと等により、前連結会計年度比67億円(34.7%)増益の262億円となりました。当期利益は、石油・ガス開発事業における減損損失の計上があったものの、太陽光発電事業の売却益の計上、前連結会計年度のチリ銅事業、豪州鉄鉱石事業及び石油・ガス開発事業における減損損失の反動等により、前連結会計年度比1,362億円(-%)改善の62億円(損失)となりました。
・電力・プラント
北米貨車リース事業における連結子会社が持分法適用会社になったこと等により、売上総利益は、前連結会計年度比88億円(16.3%)減益の453億円となりました。当期利益は、太陽光発電事業の売却益の計上があったものの、前連結会計年度に計上した一過性損益(中国下水処理事業及び北米貨車リース事業における株式評価益、並びにウルグアイLNG受入ターミナル事業からの撤退損失等)の反動等により、前連結会計年度比157億円(21.7%)減益の565億円となりました。
・輸送機
自動車並びに建設機械関連事業等の減収により、売上総利益は、前連結会計年度比56億円(5.7%)減益の933億円となりました。当期利益は、北米自動車関連事業において減損損失の計上があったものの、同事業における他案件の売却益の計上、並びに船舶関連事業における持分法による投資損益の改善等により、前連結会計年度比44億円(18.3%)増益の286億円となりました。
(注)1 当連結会計年度より、全ての現地法人についてオペレーティング・セグメント毎に分割しております。これに伴い、前連結会計年度のオペレーティング・セグメント情報を組み替えて表示しております。
2 セグメント間取引は、通常の市場価格により行われております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末から1,041億円(17.3%)増加し、7,050億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
海外子会社を中心に営業収入が堅調に推移したことにより、3,243億円の収入となりました。前連結会計年度比では349億円の収入の減少であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
海外事業における資本的支出等があった一方で、株式や固定資産の売却収入により465億円の収入となりました。前連結会計年度比では2,211億円の収入の増加であります。
以上により、当連結会計年度におけるフリーキャッシュ・フローは3,708億円の収入となりました。前連結会計年度比で1,862億円の収入の増加であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
永久劣後特約付ローンによる資金調達を行った一方、社債及び長期借入金等の返済を行った結果、2,581億円の支出となりました。前連結会計年度比では2,219億円の支出の増加であります。