有価証券報告書-第76期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 15:37
【資料】
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【項目】
117項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度の世界経済は、米国では堅調な成長が見られたものの中国などの新興国経済の減速や原油価格の下落などが影響し、先行き不透明感が急速に強まりました。
国内経済では、海外経済の減速や米国の利上げ遅れへの懸念などの影響により円高・株安が急激に進行し、輸出や生産の停滞も加わり、企業収益は一部では陰りを見せ始めています。さらには回復傾向にあった設備投資も様子見姿勢が出るなど足踏み状況にあります。
当社グループの取引に関する業界は、前半堅調だった産業機器関連、省エネルギー関連が後半伸び悩み、自動車関連では北米向けは堅調でしたが、国内及び中国・アセアン向けは低調に推移しました。
このような状況下、当社グループは、ワールドワイドに顧客に付加価値を提供する「グローバル・ソリューション・プロバイダー」への進化を図るべく中期経営計画「GSP・15(Growth Strategy Plan 2015)」の最終年度の当年度においては、より顧客に密着した中で顧客のニーズや課題を発掘し、解決に繋がるソリューションの提案を加速すべく、国内10ヶ所で拠点を拡充したほか、インドの駐在員事務所を子会社化しました。また、顧客とソリューションパートナーとの情報交流会を各地で開催し、当社と顧客さらにはソリューションパートナーとの連携強化を図るなど、着実に活動を進めてまいりました。
一方、グループの総力を挙げてソリューション事業への取り組み加速や販売チャネルへの対応強化を進めたものの、年度後半での中国経済の減速などに起因した市況の急激な落ち込みの影響を受けました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高2,219億90百万円(前年同期比6.7%減)、営業利益36億73百万円(前年同期比26.4%減)、経常利益32億96百万円(前年同期比26.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益18億46百万円(前年同期比36.1%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
① FA・環境システム
FAシステムでは、当社主力市場の工作機械関連の生産は堅調に推移しましたが、半導体・液晶関連製造装置関連が振るわず、また自動車関連及び太陽光発電関連の設備投資も伸び悩み、減収となりました。
冷熱住機では、卸店及び中小設備業者を中心とした販売ルート向け案件が増加し、また節電・省エネ対応のリプレース需要が堅調に推移し、増収となりました。
ビルシステム・情報通信では、メディカル、セキュリティ関連の販売は堅調に推移しましたが、基幹商品であるエレベーター・IT関連が低調で、大幅な減収となりました。
FA・環境システム関連の子会社では、国内は、冷熱品の保守・サービス案件が堅調に推移しましたが、太陽光を中心とした電気工事が伸び悩み、また海外のFAシステムも伸び悩み、減収となりました。
以上のことから、FA・環境システムの連結売上高は、707億80百万円(前年同期比3.7%減)、営業利益は15億88百万円(前年同期比8.1%減)となりました。
② エレクトロニクス
国内では、産業機器関連はFA関連ビジネスや省エネ関連ビジネスが前半堅調でしたが後半伸び悩み、自動車関連は、北米向けは堅調に推移しましたが国内向け販売が低迷し、減収となりました。
海外子会社では、OA機器関連製品はアジア地域で電子部品の販売が前半堅調に推移したものの後半は低迷し、自動車関連製品は北米地域での販売は堅調に推移しましたが、中国・アセアン地域での販売が振るわず、大幅な減収となりました。
以上のことから、エレクトロニクスの連結売上高は、1,512億10百万円(前年同期比8.0%減)、営業利益は20億94百万円(前年同期比35.8%減)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末比12億46百万円増加し、166億60百万円の残高となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動から得られた資金は、37億47百万円(前年同期比79億16百万円収入増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益31億26百万円の計上と、売上債権・たな卸資産・仕入債務の減少によるネット資金の減少18億34百万円、法人税等の支払10億23百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動に使用した資金は、7億77百万円(前年同期比4億53百万円支出減)となりました。これは主に、有形・無形固定資産の取得支出9億99百万円と、投資有価証券の売買によるネット収入2億14百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動に使用した資金は、15億50百万円(前年同期比4億62百万円支出増)となりました。これは主に、配当金の支払10億83百万円、短期借入金の減少4億59百万円によるものです。