有価証券報告書-第66期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 10:54
【資料】
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【項目】
124項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における我が国経済は、米国の金融緩和縮小や中国をはじめとする新興諸国の経済成長の鈍化、円安の進行による輸入原材料価格の高騰等による影響が景気の下押しリスクとして意識されましたが、政府・日銀による各種財政・金融政策の効果が下支えとなって雇用情勢や所得環境に改善がみられ、また、公共投資の拡大や年度末にかけての消費税率引上げ前の駆け込み需要による個人消費の強まりもあり、景気は回復基調にて推移いたしました。
食品流通業界におきましては、食品への放射能汚染問題や異物混入問題の影響もあり、消費者の安全安心な商品供給への要求は引き続き高く、官民一体として原材料・原産地表示の厳格化等対応策を講じてまいりました。一方、消費に目を向けますと高額商品や耐久消費財については拡大傾向がみられたものの、食品については消費者の継続的な節約志向や消費税率引上げ前の駆け込み需要の恩恵を十分に浴することができず、ゆるやかな改善にとどまりました。
水産物卸売市場業界におきましては、魚価については強含みで推移したものの、消費者の節約志向は依然として強いままで、水産物に対する購買意欲は高まらず、また、水産資源の減少や気候変動が原因と考えられる魚の回遊水域の変化による漁獲量の減少、さらに市場外流通との競合とも相俟って取り扱い数量の減少が続くという厳しい事業環境で推移いたしました。
このような状況のなかで当社グループは、消費者のニーズと消費形態の変化を見極め、グループ会社間の連携を密にすることはもとより、一歩進んで、取扱商品のアピールや販売先への協力を惜しまず、効率的な集荷・販売に注力することにより、経営基盤の強化を図ってまいりました。
また、近年消費者の食の安全安心への関心が一層高まるなかで、取引先の要望も多様化し、これに応えるべく集荷・販売への機動性確保とより良い商品の提供を課題に取り組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度と比べ1.3%増加の125,416百万円となりました。営業利益は前連結会計年度と比べ1,164.8%増加の1,457百万円、経常利益は前連結会計年度と比べ714.6%増加の1,644百万円となりました。特別利益に東京電力㈱の福島原子力発電所における事故に伴う損害賠償金である「受取損害賠償金」64百万円を計上しました結果、当期純利益は前連結会計年度と比べ761.7%増加の1,267百万円となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
①水産物卸売事業
当社グループの主要部門である卸売事業の全体的概況として、鮮魚はイワシ・サンマ・サバ・エビ類が好調で売上を伸ばしましたが、昨年豊漁のカツオは一転入荷減となり前年取扱高をクリアできませんでした。主力商品の鮪類は国内近海物は不漁で入荷量が減り売上減となりましたが、養殖物や海外からの集荷に注力した結果、鮪類全体としては前年取扱高をクリアしました。ハマチ等養殖魚は単価が強含みで推移しましたが取扱数量の減少により売上減となり、他の鮮魚類におきましては数量減を単価高でカバーすることができ、総じて前年取扱高をクリアしました。
冷凍魚は、円高の是正や海外諸国との価格競争により相場は強含みで推移し、特に冷エビ・冷イカの価格は顕著にその影響を受けたために売れ口不振となり売上減となりました。冷鮪類・冷ギンダラは積極的な集荷により前年取扱高をクリアしました。
塩干加工品は、数の子・イクラ・筋子などは売上を伸ばしましたが、鮭類・ウナギは単価高による売れ口不振から売上減となりました。煉製品等加工食品は、販売促進部門との連携強化の結果、前年取扱高をクリアしました。
以上の結果、卸売部門の当連結会計年度の取扱数量は前連結会計年度に比べ6.9%減少の123,246屯、売上高は0.2%増加の114,536百万円となりました。
②冷蔵倉庫及びその関連事業
冷蔵倉庫及びその関連事業事業におきましては、在外子会社のAERO TRADING社(カナダ・バンクーバー市)が好調を持続し、為替相場が前期に比べ円安で推移したことも手伝い、同部門の売上高は前連結会計年度に比べ14.9%増加の10,215百万円となりました。
③不動産賃貸事業
不動産賃貸事業におきましては、引き続き賃料が低下する傾向はあるものの、稼働率の低下には歯止めがかかり、売上高は前連結会計年度に比べ1.6%増加の663百万円となりました。
記載金額については、消費税等抜きで記載しております。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、借入金の返済による減少があったものの、税金等調整前当期純利益の増加及びたな卸資産の減少等により、前連結会計年度末と比べ606百万円増加し、5,497百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は1,996百万円(前連結会計年度 資金の増加4,924百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の増加並びにたな卸資産の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は937百万円(前連結会計年度 資金の減少1,035百万円)となりました。これは主に定期預金の預入による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果減少した資金は582百万円(前連結会計年度 資金の減少3,055百万円)となりました。これは主に借入金の返済によるものです。