有価証券報告書-第67期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 11:06
【資料】
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【項目】
111項目

事業等のリスク

当社グループの経営、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)築地市場を取り巻くリスク
当社は東京都中央卸売市場築地市場で水産物を卸売販売することが主たる事業としており、築地市場への依存度は非常に高いものとなっております。築地市場を取り巻く問題点としては以下の事項が考えられます。まず市場外流通の増加及び仲卸業者の減少とその経営悪化です。水産物の流通形態は卸売市場を経由するものと経由しないものに大別され、この卸売市場を経由しない市場外流通が年々増加しており、卸売市場自体の取扱数量の漸減傾向が近年の趨勢となっています。市場外流通の増加への対応策としては、仕入及び販売チャンネルの多様化する現在、商機を的確に捉えたタイムリーな取引がますます必要となってきていることを認識し、消費者のニーズを的確に捉え、その情報を生産者や出荷者に、また産地の水揚げ情報等を販売先にそれぞれ速やかに提供することが肝要です。そしてタイムリーかつフレキシブルな営業活動を行なうことで取引先の信頼を高め、取扱高の拡大を志向します。また、築地市場内の仲卸業者は、この市場外流通の増加や量販店取扱量の拡大などに伴い、近年経営状況が悪化している業者が漸増しています。築地市場の開設者である東京都は、一定の財務基準を満たしていない仲卸業者に対して経営指導を行なっていますが、倒産や自主廃業をする業者がいまだ減少する兆しは見られません。当社は仲卸業者を始めそれぞれの取引先に対し、売上債権の回収状況に応じて貸倒引当金を設定するとともに、社内で債権管理及び回収を目的とする組織が不良債権の削減に注力しています。しかし、市場外流通の増加による当社の取扱数量の減少や、今後の不良債権の発生が当社の業績に影響を与える可能性を無視することは出来ません。
(2)資金調達に関するリスク
当社グループは、運転資金及び設備資金として一部金融機関からの借入金を利用しております。そのため、金融機関の貸出動向によって、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性、または支払利息が増減する可能性があります。
「東市Action-Plan」のあとを継いだ新経営計画「CHALLENGE-2020」においても適切に有利子負債をコントロールすることを重要施策としており、資金調達に関するリスクを軽減させています。
(3)為替変動リスク
当社グループの水産物卸売業において、輸出及び輸入取引は、一部外貨建てで決済を行っております。為替相場の変動は、これらの輸出及び輸入取引の単価に影響を与えております。当社はこの影響を最小限に抑えるため為替予約によるリスクヘッジを行っております。
(4)在庫に関するリスク
当社グループの水産物卸売業は、市況を勘案して商品を買い付けております。新経営計画「CHALLENGE-2020」でも引き続き的確な在庫管理を目指しておりますが、需給バランスの変化により供給過多となると、保有している在庫価格の価値が低下する場合があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5)豊洲新市場(仮称)への移転に関するリスク
築地市場の老朽化に伴う豊洲新市場(仮称)への移転の時期が平成28年11月に決定されました。
築地市場は老朽化・狭隘化、物流の変化に伴う非効率化といった課題がありましたが、移転することにより、物流経路の多様化や高度な品質・衛生管理などの対応が進み、水産物流通の市場回帰や新たな需要が生まれることが予想されます。
しかしながら、移転に伴う関連費用の計上や移転後の商流・物流の変化に対応する体制を整えていく必要があり、現在、移転に関する施策等を進めているところですが、これらにより当社グループの業績に影響をおよぼす可能性があります。