有価証券報告書-第85期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/26 12:02
【資料】
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【項目】
122項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済対策や日銀の金融政策を背景に円安と株高が進行し、輸出関連企業の収益改善や個人消費の改善など、全体的には景気回復傾向の兆しが見られます。しかしながら、円安による原油価格の高騰や、輸入原材料の上昇、消費税増税による個人消費の低迷に対する懸念等、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境のなか、当企業集団は、「新たなステージ 新たな挑戦 NEW KISCO」の行動指針のもと国内ではハイテクマーケットへの布石として最先端技術で高機能繊維を開発するバイオ素材企業や有機EL照明製造会社、電動バイクの開発、販売を行う会社、自社電源を保有する新電力会社へ資本参加するなど、バイオ、エネルギー分野への関連を強化いたしました。また、昨今グループ会社となった大洋マテリアル株式会社も一部不適切な取引はあったものの順調に業績を改善しております。海外でも昨年上海にパートナー企業と合弁で設立したLED電球カバー製造会社が稼働を始め、創薬ベンチャー会社と協働を行うなど、新しいシナジーの獲得と最新技術への取り組みのために成長が見込まれる分野の先端企業との協働を積極的に行いました。
業務改革面におきましては、国内外のグループ会社にTV会議システム及び会計システムの更なる拡充を行うなど情報インフラ基盤の整備を図りました。また、社内のモバイル環境においてはスマートフォンやタブレット端末等のスマートデバイス導入により業務の効率化、通信費のコストダウンに取り組むなど、一層の経費の削減に努めてまいりました。
当連結会計年度の業績につきましては、当社グループ(当社及び連結子会社)の売上高は、802億60百万円と前連結会計年度に比べ89億13百万円、12.5%増加いたしました。経常利益は、16億92百万円(前年度比98.6%)となり、当期純利益につきましては、5億51百万円(前年度比56.9%)と前連結会計年度に比べ4億18百万円減少いたしました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 合成樹脂関連事業
売上高は、454億58百万円と前連結会計年度に比し52億62百万円(13.1%)の増加となりましたが、セグメント利益の段階では、14億89百万円と前連結会計年度に比し61百万円(4.0%)の減益となりました。
② 化学品関連事業
売上高は、147億86百万円と前連結会計年度に比し9億49百万円(6.9%)の増加となりましたが、セグメント利益の段階では、8億76百万円と前連結会計年度に比し16百万円(1.9%)の減益となりました。
③ 電子材料関連事業
売上高は、199億96百万円と前連結会計年度に比し27億1百万円(15.6%)の増加となり、セグメント利益の段階では、9億37百万円と前連結会計年度に比し2億92百万円(45.3%)の増益となりました。
④ その他
売上高は、19百万円と前連結会計年度に比し横ばいでしたが、セグメント利益の段階では、1億32百万円と前連結会計年度に比し1億円(43.2%)の減益となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、82億57百万円となり、前連結会計年度末と比べ8億29百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度が17億90百万円の資金の収入でありましたが、当連結会計年度は49百万円の資金の収入となりました。その主な要因は、売上債権の増加額が16億61百万円増加したこと及び仕入債務の減少額が8億69百万円増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローでは、33億86百万円の資金の支出となり、前連結会計年度と比べ22億29百万円の支出の増加となりました。その主な要因は、投資有価証券の売却による収入の増加が8億27百万円あった一方、有形固定資産の取得による支出の増加が11億31百万円あったことや投資有価証券の取得による支出の増加が18億14百万円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローでは、20億89百万円の資金の収入となり、前連結会計年度と比べ26億37百万円の収入の増加となりました。その主な要因は、長期借入れによる収入の増加が25億30百万円あったことによるものです。