有価証券報告書-第90期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/28 12:47
【資料】
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【項目】
109項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益の向上や雇用・所得環境の改善が進むなど緩やかな回復基調にあるものの、足元の景気は設備投資や個人消費が伸び悩み足踏み状態にあるほか、中国をはじめとした新興国経済の減速、更には年明けから円高が急速に進むなど、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような状況の下、当社グループは、お客さま本位の積極的な営業活動に注力するとともに、市場の変化を先取りした提案型営業活動の推進など、営業施策の強化に努めてまいりました。
これらの結果、日用品関連分野、土木・建材資材関連分野は堅調で両分野は増収となりましたが、情報・輸送機器関連分野、化学工業関連分野が低調で、売上高は209億2千2百万円(前年同期比0.6%減)と減収となりました。これにより営業利益、経常利益は、それぞれ2億8千5百万円(前年同期比16.8%減)、3億6千9百万円(前年同期比12.6%減)と減益となりましたが、前年同期に本社ビルの建替えによる旧建物解体・除却等に係る特別損失を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は2億4千6百万円(前年同期比42.7%増)と増益となりました。
なお、事業分野別の売上概況は、次のとおりであります。
<土木・建材資材関連分野>土木関連分野では、民間の設備投資の大型物件は依然として低調に推移しましたが、公共投資は高速道路・港湾等のインフラ整備工事関連が首都圏を中心に堅調で、セメント用薬剤やコンクリート用添加剤が上伸したほか、自動車道建設にともなう路盤強化用セメント関連薬剤も増加し増収となりました。
建材資材関連分野では、集合住宅の建設が相続税対策の影響から引き続き好調に推移したほか、新築戸建住宅の着工件数も回復基調にあり、同用途の造作部材や内装建具類が伸長したこと、また木質什器や内装部材も新規採用があり増加したことなどから増収となりました。
この結果、売上高は74億8千9百万円(前年同期比5.8%増)となりました。
<情報・輸送機器関連分野>情報関連分野では、蓄電池用放熱資材や特殊耐熱樹脂が新規採用により増加しましたが、スマートフォン・タブレット等の情報端末機器用の液晶表示部材が、中国等の安価な海外生産品の影響から国内生産が大幅に縮小し、同用途の関連薬剤や汎用電子部品用封止剤が減少したことから減収となりました。
輸送機器関連分野では、一部新型車に特殊エンジニアリングプラスチックの新規採用がありましたが、国内における乗用車販売の不振から機能部品用成形樹脂が低調で、特に軽自動車用途の電装用部品や機能性特殊プラスチックの減少が大きく大幅な減収となりました。
この結果、売上高は52億3千4百万円(前年同期比7.0%減)となりました。
<日用品関連分野>日用品関連分野では、製靴関連は低調な末端需要を受けて関連薬剤が減少しましたが、化粧品関連は訪日外国人旅行客の大量消費もあってメイクアップ用途を主体に好調で、高機能特殊薬剤が伸長したほか、特殊発泡体の新規用途開発やレンズ用特殊薬剤に新規採用があって増収となりました。
フィルム関連分野では、末端需要が低調に推移するなか、食料品を中心とした軟質包装用フィルムは、防曇性、ガスバリア性等の高機能複合フィルムが用途開発による新規採用があり増加しましたが、汎用性フィルムや光学用途をはじめとした工業用フィルムが低調で減収となりました。
この結果、売上高は35億3百万円(前年同期比1.8%増)となりました。
<化学工業関連分野>繊維関連分野では、染色整理加工の国内市場の縮小や中国市場の低迷による輸出減少等から同用途の二次加工用薬剤が減少したほか、国内の自動車生産縮小の影響から車両用繊維収束用バインダー等も大きく減少し大幅な減収となりました。
化学工業関連分野では、フィルムラミネート用接着剤や土木用接着剤用途の特殊機能性薬剤は、用途拡大や国内メーカーの生産中止などを背景に海外輸入商材が伸長しましたが、情報関連の薬剤原料が大幅に減少したほか、東南アジアでの自動車生産減少の影響からエンジニアリングプラスチックの輸出販売が振るわず減収となりました。
この結果、売上高は46億8千9百万円(前年同期比4.0%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、17億3千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ3千3百万円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は5億6千7百万円(前連結会計年度は3億1千6百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益3億9千1百万円、売上債権の減少2億3千4百万円、法人税等の還付額1億2千2百万円などの収入に対し、仕入債務の減少9千6百万円、たな卸資産の増加6千7百万円などの支出によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は4億5千9百万円(前連結会計年度は1億1千6百万円の減少)となりました。これは主に、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による1億円、定期預金の払戻による1億円などの収入に対し、有形固定資産の取得による5億6千6百万円、有形固定資産の除却に伴う4千4百万円などの支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は1億2千8百万円(前連結会計年度は7千6百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入による3千2百万円などの収入に対し、配当金の支払額1億9百万円、借入金の返済による3千2百万円などの支出によるものであります。