有価証券報告書-第63期(平成27年2月1日-平成28年1月31日)

【提出】
2016/04/14 10:06
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業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度(平成27年2月1日から平成28年1月31日まで)におけるわが国経済は、企業収益の改善が進み、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。
当社グループが属します業務用食品卸売業界、食品小売業界におきましては、雇用・所得環境の改善やインバウンド消費の拡大などにより、明るい兆しが見られた一方で、日常消費は本格的な回復には至らず、加えて原材料価格や電力コストの度重なる上昇、人手不足の問題などもあり予断を許さない経営環境で推移いたしました。
このような状況のもと、当社グループは、更なる持続的成長と収益力の向上を図るべく、当期を初年度とする第六次中期経営計画(3ヵ年計画)「IMPACT 2017」(平成28年1月期(2015年度)~平成30年1月期(2017年度))を策定し、「業革(業務改革)」、「挑戦」そして「意識改革」をキーワードに「コア事業強化の為の事業基盤の拡大」「グループ連携強化によるシナジー発揮」をはじめとする7つの重点施策に沿った具体的な取組みを推進いたしました。
以上の結果、ディストリビューター事業部門の堅調な推移に加え、M&Aの寄与などもあり、売上高は2,150億65百万円(前期比2.9%増)となりました。営業利益は食品スーパー事業の業績回復の遅れがありましたが、業務改革による生産性の向上や新電力の一部導入などコスト・コントロールにも積極的に取組み、27億42百万円(同4.4%増)となりました。経常利益は持分法による投資損失が増加した影響もあり24億29百万円(同4.8%減)、当期純利益は税効果会計による税金費用の減少もあり10億17百万円(同1.7%増)となりました。
セグメント別の概況については、次のとおりであります。
〈ディストリビューター(業務用食品卸売)事業部門〉
当事業部門におきましては、外食ビジネスをトータルにサポートする総合展示商談会を全国7会場で開催するとともに、事業所単位でテーマ別の展示商談会や料理講習会を頻繁に開催するなど、新規得意先の獲得や既存得意先のシェア拡大に引続き注力いたしました。
事業基盤の整備につきましては、市場環境に応じた事業所再編として、6月に㈱トーホーフードサービス浜松営業所(浜松市中区)を開設(近隣の岡崎支店を統合)するとともに、7月に埼玉支店(さいたま市桜区)を移転いたしました。
M&A戦略につきましては、4月に㈱プレストサンケー商会(石川県金沢市)をグループ化し北陸地区の強化を図るとともに、12月にはMarukawa Trading(S)Pte.Ltd.(以下「マルカワトレーディング」という)をグループ化いたしました。マルカワトレーディングはシンガポールでホテル・日本食レストラン等に対して日本食の食材を販売する会社であり、当社グループにとって初の海外進出となるものです。
また、グループ連携強化により北関東地区でのシェアを更に拡大すべく、10月に連結子会社3社(㈱昭和食品(栃木県宇都宮市)、㈱トーホー・群馬(群馬県前橋市)、㈱トーホー・カワサキ(茨城県水戸市))を合併し、「㈱トーホー・北関東(栃木県宇都宮市)」として新たに始動いたしました。
業務改革につきましては、㈱トーホーフードサービスにおいてバックオフィス業務の基幹店への集約化を継続・推進するとともに、得意先・仕入先との受発注業務を効率化するWeb受発注システム「TOP(トーホーオーダープロ)」を開発し、6月から順次運用を開始いたしました。
以上の結果、既存事業会社の堅調な推移に加え、新たにグループ入りした会社(前期6月㈱ハマヤコーポレーション、当期4月㈱プレストサンケー商会)の寄与もあり、当事業部門の売上高は1,437億20百万円(前期比3.4%増)、営業利益は18億35百万円(同31.7%増)となりました。
〈キャッシュアンドキャリー(業務用食品現金卸売)事業部門〉
当事業部門におきましては、㈱トーホーキャッシュアンドキャリーが運営するA-プライスにおいて、主要顧客である中小飲食店の繁盛に貢献すべく、展示商談会を積極的に開催するとともに、季節・業態などに応じた全店統一フェアも定期的に開催し、旬の産直食材や専門食材など差別化食材の提案を引続き強化いたしました。
一方、従来からのダイレクトメールに代わる販促媒体として、10月にスマートフォン専用「A-プライスアプリ」の提供を開始し、お客様への情報提供力を強化いたしました。
店舗につきましては、A-プライスにおいて、5月に鹿児島県下2店舗目となる鹿屋店(鹿児島県鹿屋市)を、10月に首都圏で12年ぶりの出店となる八王子店(東京都八王子市)をそれぞれ出店するとともに、2月に北熊本店(熊本市北区)、3月に沖縄店(沖縄県沖縄市)、4月に名護店(沖縄県名護市)、8月に守口店(大阪府守口市)、9月に中津店(大分県中津市)、10月に大野城店(福岡県大野城市)・那覇店(沖縄県那覇市)の計7店舗を改装し、事業の活性化を図りました。一方、5月に小林店(兵庫県宝塚市)、8月に茨木店(大阪府茨木市)、1月に薬院店(福岡市中央区)を賃貸借契約の満了に伴い閉店いたしましたが、お客様は近隣店で引き継ぎ、取引を継続いただいております。
なお、㈱トーホー・パワーラークスは市場環境の変化に対し、品揃えの見直しや販促の強化などを進めておりますが未だ十分な業績回復には至っておりません。
以上の結果、A-プライスの堅調な推移により当事業部門の売上高は426億85百万円(前期比2.3%増)、営業利益は6億20百万円(同4.1%増)となりました。
〈食品スーパー事業部門〉
当事業部門におきましては、業界の垣根を越えた競争が一層激化する中、地域密着型の食品スーパーを営む㈱トーホーストアではお客様に更に価値を訴求できる店舗運営へと販売戦略の転換を図り、その定着に向けて取組みを継続・推進いたしました。
地産地消や産地直送をはじめ鮮度や価値を訴求できる商品の開発・育成に注力するとともに、お客様にその付加価値をお伝えするために「ことPOP(商品価値を伝えるPOP)」の活用や試食販売、チラシによる提案などに継続して取組みました。
また、6月に㈱トーホーストアは㈱バローホールディングス(岐阜県恵那市、以下「バロー」という)との資本・業務提携を行い、その取組みの一環としてバローのプライベートブランド商品「Ⅴセレクト」を11月以降、30品程度導入し、品揃えの強化を図りました。
しかしながら、価値訴求型店舗運営の定着の遅れなどが影響し、当事業部門の売上高は232億11百万円(前期比4.8%減)、営業損失は1億72百万円(前期は1億19百万円の営業利益)となりました。
〈その他事業部門〉
当事業部門におきましては、食品業界の安心・安全をトータルにサポートする「品質管理サービス」や外食企業向け業務支援システム「アスピット」などの事業を引続き強化いたしました。また、グループ連携強化を図るべく、近年グループ入りした会社の情報システム網の整備を計画に沿って進めました。
一方、事業の選択と集中の一環として、4月に洋菓子の製造・販売を営むシャンボール㈱(大阪市此花区)の全株式を譲渡いたしました。
以上の結果、シャンボール㈱の譲渡の影響がありましたが、前期8月にグループ入りした㈱日建の寄与もあり、当事業部門の売上高は54億48百万円(前期比39.6%増)、営業利益は4億59百万円(同11.5%減)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、28億39百万円の収入(前期34億40百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益による増加21億52百万円(前期23億64百万円)、たな卸資産の減少2億18百万円(前期2億64百万円の増加)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、12億7百万円の支出(前期9億68百万円の支出)となりました。これは主に、ディストリビューター事業における支店の新設や新設移転、キャッシュアンドキャリー事業における店舗の新規出店・改装など固定資産の取得による支出14億75百万円(前期14億92百万円の支出)、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出7億17百万円(前期4億33百万円の支出)、土地の売却など固定資産の売却等による収入5億85百万円(前期6億70百万円の収入)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、37億4百万円の支出(前期16億69百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純減少額2億50百万円(前期1億50百万円の純減少額)、長期借入金の借入れによる収入65億60百万円(前期94億80百万円の収入)、長期借入金の返済による支出89億37百万円(前期98億96百万円の返済による支出)、リース債務の返済による支出4億51百万円(前期4億33百万円の返済による支出)、配当金(前期末1株につき5円、中間期末1株につき5円)の支払による支出5億47百万円(前期5億45百万円の支出)によるものであります。
以上の結果、当期末の連結ベースの現金及び現金同等物の残高は、前期末に比べ、20億70百万円減少し、62億4百万円となりました。