訂正有価証券報告書-第39期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2016/06/01 13:19
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業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度(平成25年4月1日から平成26年3月31日まで)のわが国経済は、政府の財政出動や日銀の金融緩和を背景に景況感の改善が見られた一方、消費税増税の駆け込み需要の反動や海外情勢の不安定化による景気の下振れ懸念が存在するなど、先行きへの不透明感も残っております。
このような状況のもと、当社グループでは前期に引き続き主力の債権回収事業に経営資源を集中させ、収益力の改善と安定的な事業運営体制の構築に努めてまいりました。
サービサー業界におきましては、昨年3月の期限到来をもって中小企業金融円滑化法が廃止され、金融機関の不良債権処理は中長期的には件数・規模ともに増加することが予想されるものの、金融当局のソフトランディング措置や受け皿制度も設けられていることから、買取市場の動向に大きな変化は見られない状態にあり、依然として厳しい経営環境が続きました。同事業を営む株式会社ジャスティス債権回収は、さらなる回収効率の向上、新規債権の買取りに向けた営業活動に取り組むとともに、当社グループの関連当事者が保有する債権の回収請負業務に注力し、新たな収益源の確保に努めました。
当連結会計年度における売上高は、債権回収事業の取扱高が低調に推移したことに加え、ファクタリング事業の営業貸付金残高も前期に比べ大幅に減少したことにより、295百万円(前期比7.6%減)となりました。損益面では、買取債権の貸倒引当金繰入額について、前期に1,850百万円を計上し、当期においては231百万円の積み増しにとどまったことから、営業損失は312百万円(前期は2,016百万円の損失)、経常損失は231百万円(前期は1,487百万円の損失)となりました。当期純損失は、債務保証損失引当金繰入額75百万円を特別損失に計上したこと等により250百万円(前期は813百万円の損失)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
[債権回収事業]
債権回収事業につきましては、引き続き厳しい事業環境が続くとの見通しに対応するため、回収が見込める主要債権の回収力強化とともに、回収が進んでいない既存債権の掘り起こしや回収戦略の見直し、債務者の状況にきめ細かく対応した精査作業を行いサービシング業務の効率化に努めました。また、上記の当社グループのリレーションを活かした債権回収請負業務に注力したことで受託手数料収入が増加しましたが、買取債権の減少・劣化に伴う回収額の減少を補うまでには至りませんでした。
新規債権の買取りに関しては、債権の供給過少による売却価格の上昇など厳しい競争状況の中、低水準のまま推移しました。しかしながら、円滑化法の対象の中心である中小企業まで景気回復の波が来ていないこともあり、中長期的には不良債権の処理が進むものと予想され、金融機関等への地道な営業活動を続けております。
当期の売上高は284百万円(前期比6.5%減)となりました。営業費用は貸倒引当金繰入額が前期を大幅に下回ったこと等から、195百万円の営業損失(前期は1,884百万円の損失)となりました。
[ファクタリング事業]
ファクタリング事業につきましては、現在、株式会社IFのクーポンファクタリング事業及び大口ファクタリング事業を休止しており、既存の貸付債権について管理・回収を行っております。
当期の売上高は、営業貸付金の減少により10百万円(前期比27.1%減)となり、営業損失は6百万円(前期は3百万円の損失)となりました。

(2) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、75百万円の支出となりました。これは主に税金等調整前当期純損失247百万円や未払金の減少額139百万円があった一方で、貸倒引当金(177百万円)、債務保証損失引当金(75百万円)の増加額及び買取債権(56百万円)、営業貸付金(22百万円)、未収入金(38百万円)の減少額があったことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、149百万円の収入となりました。これは主に貸付金の回収による収入が148百万円あったことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、53百万円の支出となりました。これは主に短期借入金の純減によるものです。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ20百万円増加し、37百万円となりました。