有価証券報告書-第86期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/24 13:30
【資料】
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【項目】
88項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。
この財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社の財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
(2)当事業年度の経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ460億66百万円増加し、8,318億99百万円(前期比5.9%増)となりました。この主な要因は、卸売事業における取引先との取組み強化によるインストアシェアの拡大を推進したほか、生活必需品全般において消費税率引上げに伴う駆け込み需要が発生したことによるものであります。物流受託事業においては、受託先の安定した事業展開及び前事業年度から取引を開始した新規受託先の取扱高が増加したことにより、好調に推移いたしました。
(売上総利益、販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の売上総利益は、売上高が好調に推移したことにより前事業年度に比べ38億40百万円増加し、864億40百万円(前期比4.6%増)となりました。販売費及び一般管理費は売上増加に伴い、28億25百万円増加し、762億23百万円となりました。
以上の結果、営業利益は前事業年度に比べ10億14百万円増加し、102億16百万円(前期比11.0%増)となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は、前事業年度に比べ1億62百万円減少し、59億32百万円となりました。また営業外費用は、前事業年度に比べ46百万円減少し、3億69百万円となりました。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ8億99百万円増加し、157億79百万円(前期比6.0%増)となりました。
(特別損益、当期純利益)
特別利益は、前事業年度に比べ2億37百万円減少し、68百万円となりました。この主な要因は、前事業年度において、旧本社売却に伴う固定資産売却益を計上していたこと等によるものであります。特別損失は、前事業年度に比べ1億54百万円減少し、7億98百万円となりました。この主な要因は、前事業年度において物流センター閉鎖に伴い減損損失を計上していたこと及び当事業年度において選択定年制度拡充費用を計上していたこと等によるものであります。
以上の結果、当期純利益は前事業年度に比べ7億87百万円増加し、91億85百万円(前期比9.4%増)となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
輸出の持ち直しや各種経済対策の効果等を背景に、景気の回復が期待されるものの、当社が属する化粧品・日用品、一般用医薬品業界は節約志向や低価格志向が根強いことに加え、消費税率引上げの影響により小売企業の価格競争は依然として厳しく、卸売業者同士の競合も規模・領域が拡大していくと考えられます。また、潤沢な資本を持つ企業により大規模な資本提携やM&Aが行われた場合や新規参入企業が増加した場合は、新たな競合が生まれる可能性があります。
このような状況のなか、当社が継続して実施する物流機能拡充に伴う投資コストがさらに増加した場合、あるいは販売価格が想定以上に低下し、売上高及び売上総利益が低下した場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(4)経営戦略の現状と見通し
当社が属する業界は、個人消費の低迷や競争激化等により厳しい状況が続いております。このような状況のなか、より強固な事業基盤を構築するため、仕入先から販売先の店頭に至るまでのサプライチェーン全体の効率化による生産性向上を基本方針に、中間流通機能をさらに強化し、継続的な成長に向けて事業基盤の強化と将来の成長に向けた取組みを実施してまいります。
現在、最大市場である関東圏に当社最大規模の物流センターとなる「(仮)RDC埼玉」(埼玉県白岡市)の建設を進めております。首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の開通で交通利便性が向上する立地において物流センターを建設することで出荷能力の増強とさらなる物流生産性の向上を図ってまいります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 財務方針
当社は、常に事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持並びに健全な財務体質を目指し、安定的な営業活動によるキャッシュ・フローの創出、幅広い資金調達手段の確保に努めております。
当事業年度末現在において、当社の流動性は十分な水準にあり、財務の柔軟性は高いと考えております。
② 資産、負債及び純資産
当事業年度末の総資産は、3,251億89百万円(前期比7.4%増)となりました。その内訳は主に、現金及び預金134億2百万円、売掛金1,554億16百万円、商品及び製品376億83百万円、未収入金147億76百万円、固定資産979億85百万円であります。
負債につきましては、1,927億61百万円(前期比8.8%増)となりました。その内訳は主に、買掛金1,210億74百万円、短期借入金255億円、未払金138億69百万円、長期借入金88億32百万円であります。
純資産につきましては、1,324億27百万円(前期比5.3%増)となりました。その内訳は主に、資本金158億69百万円、資本剰余金278億27百万円、利益剰余金860億円であります。
③ キャッシュ・フロー
当事業年度の資金の状況として、営業活動の結果得られた資金は、33億40百万円(前期比84億51百万円の減少)となりました。これは主に、税引前当期純利益で150億49百万円獲得したほか、減価償却費の計上51億80百万円、売上債権の増加額222億64百万円、仕入債務の増加額107億64百万円、法人税等の支払額69億9百万円によるものであります。
投資活動の結果使用した資金は、116億86百万円(前期比17億3百万円の増加)となりました。これは主に、RDC北陸及びRDC宮城の建設や(仮)RDC埼玉建設用地の取得など有形固定資産の取得による支出が119億91百万円あったことや、有形固定資産の売却による収入が3億48百万円あったことによるものであります。
財務活動の結果得られた資金は、11億91百万円(前期は27億5百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純増加が43億99百万円、長期借入れによる収入が40億円、長期借入金の返済による支出が43億72百万円、配当金の支払額が27億41百万円あったことによるものであります。
以上の結果、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、134億2百万円となりました。
当社の現在のキャッシュ・フローの状況において、営業活動による資金の創出、金融機関からの円滑な資金の借入及び適正な手元資金の保有が図られており、財務方針に基づく流動性及び財務の柔軟性は確保できていると考えております。
(6)経営者の問題意識と今後の方針について
当社は、サプライチェーン全体の最適化・効率化により得意先の繁栄ひいては人々の豊かで快適な生活の実現に貢献することを基本方針としております。この基本方針を基に、平成26年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画を策定し、重点戦略に取り組んでおります。今後におきましても中間流通業としての機能強化と生産性の向上によるコスト削減により、業界全体の発展に貢献し、着実な成長による企業価値の向上を目指してまいります。
<基本方針>「サプライチェーン・イノベーションのセカンドステージへ」
~ 販管費率8%台への挑戦 ~
<重点戦略>①インストアシェアの拡大
②物流受託事業強化
③攻めの投資
④健全な財務体質と株主還元