有価証券報告書-第69期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/25 15:01
【資料】
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【項目】
142項目

事業等のリスク

投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)災害危機等について
当社グループでは、広域にわたり営業・物流拠点を設置し事業展開しているため、大規模な自然災害が発生した地域においては、物流やサービスの提供等に支障が生じる可能性が想定されます。当社グループといたしましては、社員の人命安全確保と優先業務の継続、基幹コンピュータシステムのバックアップ体制の構築等、危機管理体制に万全を期しておりますが、自然災害による被害が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)食の安全性について
生活者の食の安全性に対する意識は一段と高まっており、安全・安心な商品及びサービスを提供することが当社グループの最重要課題であると認識し、品質管理体制の強化等に取り組んでおります。しかしながら、食の安全を揺るがす問題が発生した場合の生活者の買い控え等の行動や、当社グループにおいて偶発的な事由によるものを含めて、異物混入や誤表示などの商品事故が発生した場合、商品回収・廃棄等の想定外の費用発生や信用力の低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)食品の安定供給について
世界的な天然水産資源の減少および欧米・中国等の魚食拡大に起因する水産物の需給問題、穀物も含めた食品全般にわたる原材料の供給量の減少、また為替相場の影響等により食品の供給が不安定となる可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)食品流通業界の再編について
食品流通業界における厳しい競争環境を背景とした企業再編やグループ化、さらには小売業による取引卸の集約化や帳合変更の動きが依然継続しており、これにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)法的規制について
当社グループの事業活動は、卸売市場法や食品衛生法、JAS法など各種の法令・規制等の適用、行政の許認可等を受けております。当社グループでは法令遵守の徹底に努めておりますが、万一、法令に違反する事由が生じた場合や許認可等が取消され又はそれらの更新が認められない場合には、当社グループの社会的信用の低下や、事業活動が制限される可能性があり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)債権の貸倒れについて
食品流通業界においては、生活者の低価格・節約志向を背景とする店頭での低価格競争や、大手小売業の出店攻勢と異業種の食品市場への参入により企業間競争が激化するなど、厳しい経営環境が続くものと予想されます。当社グループにおきましては、与信管理の徹底を一層強化していく方針ですが、不測の事態が生じた場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)相場及び市況動向について
見越取引において、相場や需要の予測を見誤った場合や、急激な相場変動等の不可抗力が発生した場合に、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
※見越取引・・・市場相場や需給状況により価格が変動する商品や、調達時期と販売時期が異なる商品において、将来の相場や需要の予測に基づいて販売前にあらかじめ一定数量の商品を確保するための成約を行う取引のこと。
(8)経営成績の季節的変動について
当社グループの売上構成比の過半数を占める水産品は、お歳暮やお正月用食品購入の時期である12月の年末商戦に売上高及び利益が高くなる傾向があります。万一、12月の業績が悪化した場合には当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、連結業績に占める第3四半期(10~12月)の売上高および営業利益の割合は以下のとおりであります。
平成29年3月期
(10~12月)
平成30年3月期
(10~12月)
平成31年3月期
(10~12月)
売上高28.0%27.9%27.9%
営業利益59.0%52.7%56.5%

(9)減損に係るリスク
当社グループは、事業用の不動産やのれんをはじめとする様々な固定資産等を保有しておりますが、これらの資産につき時価の下落や期待しているキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により減損会計の適用を受ける可能性があり、発生した場合には当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)情報システムに関するリスク
当社グループでは、コンピューターウィルス感染などによるシステム障害や情報漏洩に対し、適切な対策を講じておりますが、予測不能のウィルスの進入や情報システムへの不正アクセス及び運用上のトラブル等により、情報システムの一定期間の停止や内部情報の漏洩等の事態が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)環境に関するリスク
当社グループは環境問題に関して、その関連法令を遵守するとともに、廃棄物削減や省エネルギー、二酸化炭素排出の削減に取り組むなど、環境に配慮した事業活動を行っております。しかしながら、関連法令等の変更や社会的な要求の高度化等、それらへの対応に費用負担が増加した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)三菱商事グループとの関係
平成31年3月末現在、当社は三菱商事㈱の持分法適用会社であり、同社は当社株式の20.89%を保有しておりますが、当社グループの方針・政策決定及び事業展開については、独自の意思決定によって進めております。当社グループと同社グループとの資本関係、取引関係については関連当事者情報に記載のとおりであり、人的関係については下記のとおりであります。これらについて変動又は問題が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、同社から招聘している役員、受け入れている出向者の概要は以下のとおりであります。
1)役員の兼務状況
役職氏名三菱商事㈱における役職
社外取締役奥田 英人食品産業グループCEOオフィス経営戦略ユニットマネジャー

2)出向者の受入状況
役職氏名三菱商事㈱における役職
執行役員
事業構造改革特命担当
兼 水産事業部長代行
兼 第二本部長
兼 大物部長
川口 晃一郎生鮮品本部水産部

(13)M&Aに係るリスク
当社グループは事業の成長に必要な技術、販売網、顧客基盤等を所有する他社の買収や他社との資本提携を通じた事業規模の拡大を目指しております。M&Aに際しては、被買収企業の財務内容や契約関係等についての詳細な事前審査を行い、十分にリスクを吟味した上で決定しておりますが、被買収企業に偶発債務の発生や未認識債務の判明等事前の調査で把握できなかった問題が生じた場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、買収により、当社グループが従来行っていない新規事業が加わる際には、その事業固有のリスク要因が加わります。
(14)人材の確保・育成
当社グループが持続的な成長を実現していくためには、営業や企画管理等の各方面において優秀な人材を確保し、育成していくことが重要な課題と認識しており、必要な施策を実施しております。しかしながら、人材の確保・育成ができなかった場合には、事業目的の達成が困難になる可能性があります。
(15)海外向け事業に関するリスク
当社グループは一部子会社において中東への輸出向け商品を製造しておりますが、輸出先において政治や経済動向の変化、戦争、テロ、大規模な自然災害などが発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。