有価証券報告書-第69期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 14:46
【資料】
PDFをみる
【項目】
124項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、年度前半は消費税増税の反動減の影響等から景気が大きく落ち込みましたが、企業収益の改善や雇用・設備需給の引き締まり等から夏場には底入れし、その後は緩やかな回復基調が続きました。
住宅業界におきましては、当連結会計年度の新設住宅着工戸数は880千戸(前年度比10.8%減)、当社グループが主力とする持ち家着工戸数も278千戸(同21.1%減)と前年度を大幅に下回りました。
住宅ローン金利が引き続き低水準で推移したことに加えて、政府の住宅取得促進策も拡充されましたが、消費税増税の反動減の影響が予想外に大きく、特に持ち家着工戸数に関しては大幅な下押し圧力となりました。
このような状況の中で当社グループは、合板を始めとする建材全般の販売強化と採算面の改善にグループを挙げて取り組みました。
8月と3月には、全国の取引先販売店を対象とした恒例の「ジャパン建材フェア」を東京ビッグサイトで開催したほか、地域毎の展示会や住宅機器メーカーのショールームを活用した地方での展示会を開催し、「快適で豊かな住環境の創造」に繋がる各種商材の提案などを幅広く行いました。
主力商品である合板の取扱品目拡大や木材製品の販売強化を図ったほか、リフォーム市場や非住宅市場等への取り組みも一段と強化いたしました。
また、東日本大震災の復興の一翼を担うべくグループ関係企業が連携して前々年度に発足させた東北復興支援チームは、災害公営住宅や自力再建住宅の建築に必要な資材の供給に積極的に取り組みました。
一方、規模の拡大と効率化による収益力改善を目指してグループ企業の再編を促進するとともに、M&Aによるグループ企業の拡大、グループ全体での与信管理体制の向上にも取り組みました。
この結果、当連結会計年度の業績は、連結売上高は、前第3四半期連結会計期間より連結対象に加わった株式会社宮盛並びに第1四半期連結会計期間より新たに連結対象となった株式会社ハウス・デポ・プラス(前連結会計年度は持分法適用会社)の売上が通年寄与したものの、需要減少に伴う落ち込みをカバーできず、前期比207億93百万円減の3,313億1百万円(前期比5.9%減)となりました。
利益面では、販売数量の減少に加えて合板市況も総じて軟調に推移したことなどから、連結営業利益は前期比17億38百万円減の43億33百万円(同28.6%減)、連結経常利益は前期比17億16百万円減の40億59百万円(同29.7%減)と大幅な減益になりました。
一方、連結当期純利益につきましては、設備投資等の補助金5億27百万円が特別利益に計上されたことや、子会社の清算に伴う税金費用負担の軽減等により、前期比86百万円減の32億61百万円(同2.6%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 総合建材卸売事業
当社グループの主力取扱商品であります合板につきましては、住宅着工戸数が大幅に減少するなど需要の低調を受けて、総じて軟調な市況推移となりました。
合板二次製品、建材及び住宅機器等の住設建材群につきましても、住宅着工戸数の減少に伴い、荷動きが低調となり、販売競争が激化し利鞘が縮小しました。
この結果、当事業の売上高は2,970億86百万円(前期比9.3%減)、営業利益は32億81百万円(同24.0%減)となりました。
② 合板製造・木材加工事業
合板製造事業におきましては、主力商品であるLVLが原木価格の上昇によるコストアップ等から利鞘が縮小したほか、合板や木材につきましても、市況の軟化や円安の影響等による輸入価格の上昇から、苦戦をいたしました。
木材加工事業につきましても、円安による輸入材料の値上がり等もあり、厳しい採算状況となりました。
なお、前第3四半期連結会計期間より株式会社宮盛が新たに連結対象に加わっておりますが、セグメント売上高の増加には寄与したものの、原材料価格の上昇を製品価格に転嫁できず、採算面では厳しい展開を余儀なくされました。
この結果、当事業の売上高は96億8百万円(前期比5.5%増)、営業損失は1億7百万円(前期は5億34百万円の利益)となりました。
③ 総合建材小売事業
当セグメントは、前第4四半期連結会計期間より株式会社COMFILL、第1四半期連結会計期間より株式会社ハウス・デポ・プラスが新たに連結対象に加わったことにより7社で構成されております。
各社とも環境が厳しいなか比較的健闘、また新たに加わった会社の寄与もあり売上高は大幅に増加しましたが、利益面は競争激化に伴う利鞘の減少等から伸び悩みました。
この結果、当事業の売上高は220億86百万円(前期比66.3%増)、営業利益は2億44百万円(同0.6%減)となりました。
④ その他
その他には、建材小売店の経営指導を中心にフランチャイズ事業を展開している株式会社ハウス・デポ・ジャパンのほか、物流関係の子会社等4社、建設工事業の子会社2社、及び純粋持株会社でありますJKホールディングス株式会社の一部事業を区分しております。
株式会社ハウス・デポ・ジャパンにつきましては、加盟店が327社と当期中に7社増加いたしました。
建設工事業の子会社につきましては、売上高、採算面とも前期比大幅な改善が見られました。
一方、JKホールディングス株式会社は、不動産賃貸収入等の安定した収入もあり、利益を確保いたしました。
この結果、当事業の売上高は25億21百万円(前期比8.6%増)、営業利益4億90百万円(同16.2%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ11億33百万円減少し、190億83百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は21億57百万円(前期は11億81百万円の使用)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益45億73百万円、減価償却費13億44百万円、売上債権の減少額と仕入債務の減少額の差額13億78百万円等により資金が増加する一方で、たな卸資産の増加17億19百万円、法人税等の支払額25億11百万円等により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は20億87百万円(前期は10億97百万円の使用)となりました。有形固定資産の取得と売却の差額による資金の使用22億84百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は12億85百万円(前期は30億40百万円の使用)となりました。コマーシャル・ペーパーの発行と償還の差額による資金の獲得5億円がありましたが、短期借入金の減少5億10百万円、長期の借入と返済の差額による資金の減少6億66百万円、配当金の支払額4億9百万円等の資金使用によるものであります。