有価証券報告書-第70期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/28 14:11
【資料】
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【項目】
120項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢の改善を背景に総じて緩やかな回復基調を辿りましたが、中国を始めとする新興国経済の減速に伴う輸出の伸び悩みや個人消費の回復が鈍いことなど、一部に厳しい状況も見られました。
住宅業界におきましては、当連結会計年度の新設住宅着工戸数は920.5千戸(前年度比4.6%増)、持ち家着工戸数も284.4千戸(同2.2%増)と前年度を上回りましたが、当社グループの対象マーケットである持ち家着工戸数の伸びが鈍く、また主力商品である合板の市況も総じて軟調に推移するなど、厳しい経営環境となりました。
このような状況の中で当社グループは、合板を始めとする建材全般の販売強化と採算面の改善にグループを挙げて取り組みました。
8月と3月には、全国の取引先販売店を対象とした恒例の「ジャパン建材フェア」を東京ビッグサイトで開催したほか、地域毎の展示会や住宅機器メーカーのショールームを活用した地方での展示会を開催し、「快適で豊かな住環境の創造」に繋がる各種商材の提案などを幅広く行いました。
主力商品の合板に関しましては、取扱品目を拡充し積極的な販売に努めたほか、木材製品の販売を強化いたしました。
また、リフォーム市場や非住宅市場等への取り組みを一段と推進するとともに、請負工事の受注拡大に向けた体制の整備にも注力いたしました。
この結果、当連結会計年度の業績は、連結売上高は、年度前半の販売の落ち込みをカバーできず、前期比10億21百万円減の3,302億80百万円(前期比0.3%減)となりました。
利益面では、売上総利益率は改善したものの販売費及び一般管理費の増加により、連結営業利益は前期比2億44百万円減の40億88百万円(同5.6%減)、連結経常利益は前期比1億72百万円減の38億87百万円(同4.2%減)と減益になりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前期は設備投資等の補助金5億27百万円が特別利益に計上されたことや子会社の清算に伴う税金費用負担の軽減等がありましたが、今期はそのような特殊要因が剥落したことから、前期比9億18百万円減の23億43百万円(同28.2%減)と大幅な減益になりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 総合建材卸売事業
当社グループの主力取扱商品であります合板につきましては、市況が総じて軟調に推移したことから苦戦いたしました。
また、合板二次製品、建材及び住宅機器等の住設建材群につきましても、荷動きが鈍く今一つ盛り上がりを欠く展開となりました。このような状況の中で、利益率の高いPB商品の拡販など、採算性の改善に重点的に取り組みました。
この結果、当事業の売上高は2,950億68百万円(前期比0.7%減)、営業利益は35億82百万円(同9.2%増)となりました。
② 合板製造・木材加工事業
合板製造事業につきましては、主力商品であるLVLは受注の増加に伴う稼働率の向上により採算が大きく改善したものの、合板や木材については、原木価格の上昇によるコストアップ分を十分価格転嫁できず、厳しい事業展開となりました。
木材加工事業につきましても、円安による輸入材料の値上がり等もあり、苦戦をいたしました。
この結果、当事業の売上高は96億54百万円(前期比0.5%増)、営業損失は39百万円(前期は1億7百万円の損失)となりました。
③ 総合建材小売事業
総合建材小売事業につきましては、統合等により規模が拡大した会社の寄与もあり売上高は増加したものの、販売競争の激化から採算面では苦戦をいたしました。
この結果、当事業の売上高は234億4百万円(前期比6.0%増)、営業利益は2億31百万円(同5.4%減)となりました。
④ その他
その他には、建材小売店の経営指導を中心にフランチャイズ事業を展開している株式会社ハウス・デポ・ジャパンのほか、物流関係の子会社等4社、建設工事業の子会社2社、及び純粋持株会社でありますJKホールディングス株式会社の一部事業を区分しております。
株式会社ハウス・デポ・ジャパンにつきましては、加盟店が333社と当期中に6社増加いたしました。
建設工事業の子会社につきましては、前期は大型繰越案件の完工がありましたが今期は無く、売上高、利益面とも前期を大きく下回りました。
また、JKホールディングス株式会社は、不動産賃貸収入等の安定した収入があるものの、経費の支出増等から利益面では前期を下回りました。
この結果、当事業の売上高は21億53百万円(前期比14.6%減)、営業利益2億56百万円(同47.6%減)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ11億81百万円減少し、179億1百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は18億55百万円(前期は21億57百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益39億39百万円、減価償却費13億48百万円等により資金が増加する一方で、売上債権の増加額5億83百万円、仕入債務の減少額18億84百万円、たな卸資産の増加3億52百万円、法人税等の支払額2億59百万円等により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は12億28百万円(前期は20億87百万円の使用)となりました。有形固定資産の取得と売却の差額による資金の使用14億23百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は18億9百万円(前期は12億85百万円の使用)となりました。短期借入金が5億92百万円増加する一方、長期の借入と返済の差額による資金の減少17億11百万円、配当金の支払額4億40百万円等の資金使用によるものであります。