訂正有価証券報告書-第66期(平成25年1月1日-平成25年12月31日)

【提出】
2014/04/04 10:54
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【項目】
125項目

業績等の概要

(1) 業績
① 全般の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府の経済対策や日銀の金融政策への期待から円安や株高が進行し、輸出企業を中心に企業収益の改善が見られました。また、雇用情勢にも改善の兆しが見られ、景気は緩やかな回復を続けました。
食品流通業界におきましては、雇用・所得環境の改善はなかなか進まず、消費者の生活必需品や外食等への消費に対する節約志向や低価格志向が依然として根強く、販売競争の激化は続きました。加えて、円安による原材料価格の上昇やエネルギーコストの増加が相次ぎ、販売とコストの両面から収益が圧迫される大変厳しい経営環境となりました。
このような状況のなか、当社グループの主力事業である米穀事業は、ミニマム・アクセス米の取扱量が増加したほか、コンビニや外食等向けの精米販売数量が堅調に推移しました。また、飼料事業におきましては、穀類や糟糠類・乾牧草を中心とする配合飼料原料及び単味飼料の販売が堅調であり、販売数量は前年同期比順調に増加しました。その結果、当連結会計年度の売上高は、115,547百万円(前年同期比5.8%増)となりました。
損益面では、主力事業である米穀事業におきまして、端境期に平成24年産米の需給緩和や平成25年産米の豊作基調を背景に価格の先安感が一層強まり、平成25年産米は前年産米を大幅に下回る価格でスタートしたことから、平成24年産米の民間在庫が大きく膨れ上がり、販売単価の下落が加速しました。その結果、平成24年産米の販売及び在庫評価において多額の損失を計上することとなりました。
また、食品事業における養鶏・鶏肉販売事業におきましては、穀物高や円安による配合飼料価格の高騰、国内相場低迷の影響を受けて採算悪化が続きました。その結果、当連結会計年度の営業損失は912百万円(前年同期は784百万円の営業利益)、経常損失は930百万円(前年同期は786百万円の経常利益)、当期純損失は546百万円(前年同期は638百万円の当期純利益)となりました。
② セグメントの状況
ⅰ 米穀事業
米穀事業におきましては、卸業者間の玄米取引数量が減少したものの玄米全体の取引数量は微増となり、ミニマム・アクセス米の取扱量やコンビニ、外食等向けの精米販売数量が堅調に推移したこと、平成24年産米の販売単価が前年同期を上回る水準であったことから、売上高は93,683百万円(前年同期比6.4%増)となりました。
しかしながら、損益面につきましては、平成24年産米の大幅な販売損失と次年度に持ち越す在庫に対し収益性の低下に基づく簿価切り下げを適用し、多額の損失を計上することとなりました。
これは、生産団体の施策により平成24年産米の価格は高値スタートとなりましたが、これが米消費の減退や販売不振を招くこととなり、さらに端境期において、平成24年産米の需給緩和や平成25年産米の豊作基調を背景に、在庫の過剰感、価格の先安感が一層強まり、販売における卸業者間の価格競争が激しさを増し、利益率が急速に悪化しました。
当社グループは取引先への安定供給を実現すべく平成24年産米の仕入契約を早期に実施しましたが、こうした期中の需給と価格の大きな変化に対し、平成24年産米の販売進捗管理に不備があり、また在庫調整や販売促進のタイミングを見誤り対策が後手に回ったことも損失を拡大させました。
その結果、営業損失は339百万円(前年同期は1,370百万円の営業利益)となりました。
ⅱ 食品事業
食品事業におきましては、新商品の開発や「真粒米」のテストプラントの立ち上げなど、付加価値の高いたんぱく質調整米の販売は引き続き好調であり、コンビニ向けの米粉販売も堅調に推移しました。
しかしながら、養鶏・鶏肉販売事業を手掛ける食品子会社におきましては、配合飼料価格の高騰や国内相場低迷の影響を受けて採算が一段と悪化したため、売上高は8,934百万円(前年同期比4.7%減)、営業損失は112百万円(前年同期は37百万円の営業損失)となりました。
ⅲ 鶏卵事業
鶏卵事業におきましては、鶏卵相場は上期では軟調でしたが、夏の猛暑の影響で生産量が減少し下期では一転高値となったものの、一般卵の特売が減少したため、売上高は5,182百万円(前年同期比3.9%減)となりました。
しかしながら、付加価値の高い特殊卵の定価販売の増加や販管費の削減などが奏功した結果、営業利益は95百万円(前年同期比12.2%増)となりました。
ⅳ 飼料事業
飼料事業におきましては、飼料原料相場が高値で推移しているなか、穀類や糟糠類・乾牧草を中心とする配合飼料原料及び単味飼料の販売数量を順調に伸ばした結果、売上高は7,746百万円(前年同期比21.6%増)となりました。しかしながら、輸入乾牧草の需給が緩んだこと、加えて円安基調が続いたことから、営業利益は296百万円(前年同期比4.7%減)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,067百万円となり、前連結会計年度末に比べ420百万円減少(前年同期比16.9%減)しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果使用した資金は、1,634百万円(前年同期比111.7%増)となりました。これは主に減価償却費430百万円、たな卸資産の減少1,039百万円に対し、税金等調整前当期純損失904百万円、売上債権の増加230百万円、仕入債務の減少1,702百万円、利息の支払額142百万円、法人税等の支払163百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は、696百万円(前年同期比493%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出654百万円、無形固定資産の取得による支出22百万円、投資有価証券の取得による支出31百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果獲得した資金は、1,877百万円(前年同期比321.7%増)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出1,809百万円、社債の償還による支出140百万円、配当金の支払50百万円に対し、短期借入金の増加1,028百万円、長期借入れによる収入2,890百万円があったこと等によるものであります。