内部統制報告書-第31期(平成28年1月1日-平成28年12月31日)

【提出】
2017/03/30 15:55
【資料】
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財務報告に係る内部統制の基本的枠組みに関する事項

代表取締役社長吉田弘明は、当社の財務報告に係る内部統制の整備及び運用に責任を有しており、企業会計審議会の公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の設定について(意見書)」に示されている内部統制の基本的枠組みに準拠して財務報告に係る内部統制を整備及び運用しております。
なお、内部統制は、内部統制の各基本的要素が有機的に結びつき、一体となって機能することで、その目的を合理的な範囲で達成しようとするものであります。このため、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性があります。

評価の範囲、基準日及び評価手続に関する事項

財務報告に係る内部統制の評価は、当連結会計年度の末日である平成28年12月31日を基準日として行われており、評価に当たっては、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠しております。
本評価においては、連結ベースでの財務報告全体に重要な影響を及ぼす内部統制(全社的な内部統制)の評価を行った上で、その結果を踏まえて、評価対象とする業務プロセスを選定しております。当該業務プロセスの評価においては、選定された業務プロセスを分析した上で、財務報告の信頼性に重要な影響を及ぼす統制上の要点を識別し、当該統制上の要点について整備及び運用状況を評価することによって、内部統制の有効性に関する評価を行いました。
財務報告に係る内部統制の評価の範囲は、当社並びに連結子会社及び持分法適用会社について、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性の観点から必要な範囲を決定いたしました。財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性は、金額的及び質的影響の重要性を考慮して決定しており、当社及び連結子会社4社を対象として行った全社的な内部統制の評価結果を踏まえ、業務プロセスに係る内部統制の評価範囲を合理的に決定いたしました。なお、連結子会社6社及び持分法適用会社2社については、金額的及び質的重要性の観点から僅少であると判断し、全社的な内部統制の評価範囲に含めておりません。
業務プロセスに係る内部統制の評価範囲については、各事業拠点の当連結会計年度の売上高(連結会社間取引消去後)の金額が高い拠点から合算していき、当連結会計年度の連結売上高の概ね2/3に達している4事業拠点を「重要な事業拠点」といたしました。選定した重要な事業拠点においては、企業の事業目的に大きく関わる勘定科目として売上高、売掛金及び棚卸資産に至る業務プロセスを評価の対象といたしました。さらに、選定した重要な事業拠点にかかわらず、それ以外の事業拠点をも含めた範囲について、重要な虚偽記載の発生可能性が高く、見積りや予測を伴う重要な勘定科目に係る業務プロセスやリスクが大きい取引を行っている事業又は業務に係る業務プロセスを財務報告への影響を勘案して重要性の大きい業務プロセスとして評価対象に追加しております。

評価結果に関する事項

下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすことになり、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。したがって、当連結会計年度末日時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。

平成28年11月24日まで当社の連結子会社であったルクソニア株式会社(以下、「ルクソニア社」)において、平成28年5月30日に、太陽光発電事業の特定案件に係る売掛金債権を第三者に譲渡するファクタリング取引契約を締結し、同日に売掛金債権を契約先に譲渡いたしました。当該ファクタリング契約に定められた債権回収日は平成28年8月31日でしたが、期日までに入金されなかったことを契機として、当該契約についての事実関係の調査依頼の通知が当社、当社取締役及び当社監査役宛に契約先より届きました。当社においては、当該通知に記載のあった取引について事実確認の調査を行っていたところ、前述の売掛金債権に係る太陽光発電事業の売上は実現しておらず、ファクタリング契約により受領した入金をもって売上計上していた可能性があることが平成28年11月下旬頃に判明したため、当社は社内調査委員会(以下、「当委員会」)を設置し、事実関係の認定及び発生原因、問題点、その他同種事案の有無に関する調査、並びに再発防止策のための提言を目的とする調査を行いました。
平成29年1月31日付で調査報告書(以下、「本報告書」)を受領した結果、当社の連結子会社であったルクソニア社において不適切な会計処理がなされていたことが判明いたしました。当該、不適切な会計処理を予防または発見できなかったのは、当社グループの子会社連携管理、本部報告体制及び報告事項の遵守・徹底、会計コンプライアンス教育の徹底、子会社における内部統制の強化・改善(モニタリング、監査機能の強化)が不足していることによるものと認識しております。これに伴い当社は、平成28年12月期第2四半期及び平成28年12月期第3四半期の四半期報告書の訂正報告書を提出しております。
以上のことから、当社の全社的な内部統制及び決算・財務プロセスに関する内部統制は有効に機能していなかったと判断し、開示すべき重要な不備が存在すると判断いたしました。
なお、上記事実の特定は、当連結会計年度末日以降となったため、当該開示すべき重要な不備を当連結会計年度末日までに是正することはできませんでした。
当社においては、現在は連結除外されているものの、ルクソニア社の不適切な会計処理に関する当委員会の本報告書の指摘事項及び提言を真摯に受け止め、以下の通り再発防止策を策定し、実行に着手しております。
(1)「体制面」(内部管理体制及び業務体制面)での強化・改善
①変革推進チームの設置
各部署管理者が主体的に参加する特命の再発防止変革推進チームを平成29年3月末までに設置し、本再発防止策で定めた事項の実行、モニタリング、検証及び改善を実施いたします。また、これまでに不定期開催となっていたグループ子会社連携管理に関連した会議体を今後は定期的に開催し、内部管理体制及び業務体制等の制度の趣旨、重要性をグループ全体に共通認識させ、報告事項の遵守・徹底を実施し、再発防止に努めてまいります。
②全社レベルでの一元論点共有フォーマットの活用
グループ全社の一元管理による各部署管理者が各事業における月次論点チェックを実施し、課題の洗出し及び解決策の早期策定により、管理体制を強化いたします。
③新生Pixelグループの方針策定・啓蒙
再発防止策の実行モニタリングとともに企業風土の変革を実施いたします。また、当社グループの中期経営計画の策定を急ぐとともに、策定された当社グループのビジョン・ミッション・バリューを株主の皆様、取引先様、従業員等のステークホルダーに対し示し、当社グループ全社に対する共有及び浸透を実施いたします。
(2)「運用面」での強化・改善
①統制リソースの強化
当社経理部門の人員及び当社内部監査室の人員等、管理・監査部門の人員を増員することにより、会計における管理体制、業務プロセスの管理・監査体制を強化し、組織体制の強化及びチェック方法の統一、複数名体制でのチェックの強化等チェック方法(統制)の強化を実施いたします。
②運用チェック方法の統一と一元化
現状各社ごとに実施されている予算統制及び月次決算プロセスにおけるチェックプロセスの一元化を早期に進めてまいります。月次決算開始前の時点で、予算統制や月次決算プロセス等の論点整理をもとに、社内での検討・検証を実施するとともに必要に応じ外部の監査法人・税理士・弁護士に確認するプロセスを推進いたします。
③教育・研究の強化
Ⅰ:コンプライアンス意識の向上
グループ全社の役職員を対象として、外部研修機関の利用、並びに当社顧問弁護士及び当社顧問を招いたコンプライアンス研修を半期に1回実施するとともに、コンプライアンスチェックテストを半期に1回実施し、コンプライアンスに対するグループ役職員の意識の向上に継続的に取り組んでまいります。
Ⅱ:グループ新経営方針の啓蒙
前述の新経営方針を作成し、ミッション、ビジョン、バリューの再設定と上記啓蒙・施策への落し込みのため従業員内での勉強会や社内通知にて共有を徹底いたします。
当社といたしましては、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、開示すべき重要な不備を是正するために、再発防止策を実施し、内部統制を整備・運用してまいります。