有価証券報告書-第29期(令和2年5月1日-令和3年4月30日)

【提出】
2021/07/29 11:55
【資料】
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【項目】
141項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
⦅100年企業として成長分野に投資進出する⦆
当社グループは、「飲食店の5年後の生存率を9割にする」を経営方針に掲げています。そのため、中小零細の飲食企業を利益追求と顧客満足の両面から経営サポートする「ドクターテンポス」に取り組んでおります。
また、当グループが目指す姿は「ビジネスサイエンティスト」です。テンポスが見つけたビジネス上の発明発見やノウハウは国家人類のためであり、そのノウハウを世の中に役立つように広めていくことが当社グループの役目であると考えています。
(2)中長期的な経営戦略
当社グループは売上高1,000億円、時価総額1,000億円企業を目指しております。その実現のための戦略は大きく4つです。
①業務用中古厨房機器の会社として圧倒的1位を確立する
主要子会社である株式会社テンポスバスターズは、M&Aも含めて10年で120店舗へと拡大してまいります。また中古機器の買取数を2倍に引き上げるために、買取担当者の営業効率を高めてまいります。さらに、海外輸出など新たな販路を開拓し中古事業を拡大してまいります。
②ネット通販およびWEB事業を次世代の中核と位置づけ人材と資金を投入する
WEB集客サービスやクラウドサービス等、WEBサービスの開発に注力致します。なお、これらのサービスは月額課金制のストック型ビジネスとして展開してまいります。ネット通販事業におきましては、厨房販売業界第1位のシェアを、拡大して圧倒的な地位を築いてまいります。
③情報・サービス事業の収益を最大化させる子会社のプロ化
情報・サービス事業の子会社群は、「ドクターテンポス」事業のなかで「専門医」と位置づけ、事業の収益拡大に取り組んでまいります。一方で、売上高100億円もしくは上場を目指す子会社は、テンポスグループのシナジーに頼らない独立した事業体として個々の得意分野で収益の最大化に取り組みます。さらにグループ全体のM&A構想に基づいた企業規模の拡大に取り組んでまいります。
④飲食事業の拡大
あさくまグループは中部地区を基盤として、関東地区、関西地区へ出店エリアを広げ、さらなる拡大を目指してまいります。またM&Aを行い、相互のノウハウを生かしながら新規顧客の囲い込み、客層の拡大を図り売上拡大を目指してまいります。
(3)目標とする経営指針
当グループは経営指標として経常利益率10%以上を維持することを重視し、売上および利益の拡大を目指します。
(4)経営環境及び対処すべき課題
当社グループでは、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題と施策は以下のように考えております。
①ドクターテンポスの育成
当社グループでは、飲食店経営者に必要な情報とサービスの提供を行うことを、同業他社との差別化戦略として取り組んでおります。そのために、物販事業の取扱商品である厨房機器、食器、調理道具、椅子テーブル等の知識に加えて、情報・サービス事業である不動産、内装工事、運営ノウハウ等の知識を身につけます。それらを飲食店経営者へ提案・提供できる人材を育成することが、重要な課題であると捉えております。当社の目指すドクターテンポスとは、開業5年後の生存率が45%となっている飲食業界において、利益追求と顧客満足の両面から経営サポートを行うものであります。その中でも、販促支援、人材教育、人件費や食材原価の改善提案を行うには、専門的な知識とセールストークの習得が必要となります。そのため、テンポスバスターズの従業員260名は、WEB会議システムを利用して、一人当たり週5時間、年間およそ240時間の研修を受講しております 。今後も、厨房機器、食器、調理道具、イス・テーブル等の提案に加え、情報・サービスの提供を行うことを目的として研修を続けてまいります。
②リサイクル品の収集確保と再生の効率化
当社グループの物販事業においては、リサイクル品の物量と品質、買取の営業強化が最大の課題であると認識しております。そのため、リサイクル品の買取とその再生を行う買取センターを取りまとめる部門として、中古事業部を設置しております。中古事業部では売れ筋商品の買取強化と、買取から再生までのサイクルの生産性を上げることが事業拡大の生命線であります。今後も、各店舗の買取受付及び新規買取ルートの開拓とともに、インターネットでの受付依頼数は年間6,000件を目指して、全国の買取センターの統制と整備体制の強化、生産性の向上を追求してまいります。
③物販事業における既存店の営業力強化
中古厨房会社として圧倒的1位の地位を確立するため、またドクターテンポスとして「情報とサービス」の発信基地として他社と差別化を図るため、店舗展開は当社の重要な課題の一つです。しかしながら、過去に出店スピードを速めた結果、既存店の人員不足による営業力の低下に陥り、一部の店舗において業績が低下する結果となったことがあります。今後は、店舗運営マニュアルの作成と運用の徹底で、店舗運営の平準化を行います。運用と徹底には、オンライン会議ツールを使用してマニュアルを浸透させ、現場からの意見も吸い上げてマニュアルの更新を随時行っていきます。これらにより、入社歴の浅い従業員でも早期に店舗オペレーションを習得させることや、店舗運営業務を複数名で対応することで属人化の脱却をはかり、効率的かつ統一された店舗運営体制にしていきます。 また、営業力強化(見込み獲得と成約件数、成約単価UP)や商品部主導による商品レイアウトの変更等、既存店舗のてこ入れを図ることにより、来店客数の増加や販売の効率化を進めてまいります。
④強い管理職の育成
当社グループでは、大規模な事業を展開するにあたり、全国をエリア別に統括するエリアマネージャー制度や新規の出店など、スタッフを束ねる人材の登用機会が増えてきております。そのような人材に対する教育はこれまで以上に重要な課題になると認識しております。このような状況の中で、当社では子会社の取締役や管理職を対象とした「役員研修」を毎月行い、将来の当社グループを担う人材の育成に努めております。
⑤内部管理体制の強化
当社グループは、常にベンチャー企業の精神のもとに営業活動にまい進しております。しかしながら、急速な事業環境の変化に適応しつつ、持続的な成長を維持していくためには、内部管理体制の強化も重要であると考えております。内部統制の実効性を高めコーポレート・ガバナンスを充実していくことにより、リスク管理の徹底とともに業務の効率化を図ってまいります。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止など、当社グループが将来にわたって安定的・継続的に収益を確保するため、事業環境の変化に対して迅速、柔軟かつ的確な対応を実施してまいります。