有価証券報告書-第18期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 17:15
【資料】
PDFをみる
【項目】
102項目

事業等のリスク

当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項、及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項としては、以下の内容が挙げられます。
当社グループは、これらのリスクが発生する可能性を認識したうえで、その発生の予防・回避及び発生時の対応に真摯に努める所存ですが、経営状況および将来の事業についての判断は、以下の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスク全てを網羅するものではありません。
(1)有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
①事業環境に関するリスク
ⅰ 小企業の経済環境について
当社グループのターゲット顧客である小企業においては、本書提出日現在において、全体としては緩やかな改善は見られるものの、依然として不透明な景況感が続いております。今後、何らかの事象により経済環境が悪化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅱ 競合について
当社グループが展開している事業においては、現在のところ、競合環境に大きな変化はありません。しかしながら、今後、新規参入業者を含めた競合他社との競争が激化し、当社グループの競争力が低下した場合、価格競争に巻き込まれたり、広告宣伝費等の増加を余儀なくされる可能性があり、かかる場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅲ 技術革新について
当社グループが事業を展開するインターネット業界においては、急速に技術や規格等が変化しております。これらの技術革新への対応が遅れた場合には、当社グループの提供する商材やサービスの陳腐化、競争力の低下等が生じる可能性があります。また、技術革新に対応するために、設備投資等の負担が増加する可能性があり、かかる場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②コンプライアンスに関するリスク
ⅰ 法的規制について
当社グループの事業及び製商品等には、著作権法、消費者基本法、消費者契約法、割賦販売法、特定商取引に関する法律、下請代金支払遅延等防止法、個人情報保護法等の法的な規制があります。国内外の行政・司法・規制当局等による予期せぬ法令の制定・改廃が行われたり、社会・経済状況の著しい変化等に伴う各種規制の大幅な変更が行われた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅱ 訴訟等について
当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼすおそれのある訴訟、仲裁その他の法的手続きは現在ありません。しかしながら、当社グループの事業活動等が、将来において重要な訴訟等の対象となる可能性は否定できず、その訴訟等の内容または請求額によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅲ 情報セキュリティについて
当社グループの主要企業は、「個人情報の保護に関する法律」における個人情報取扱業者に該当いたします。当社グループといたしましては、法令を遵守すべく、組織的・物的・人的対応を行っており、今後もその業容の変化・拡充に合わせて求められる対応を取ってまいります。しかしながら、何らかの原因により当社グループから個人情報が流出した場合、当社グループの業績に影響を及ぼしたり、当社グループの社会的信用が低下する可能性があります。
③自然災害等に関するリスク
地震や風水害などの大規模災害が発生した場合、当社グループでは、速やかにかつ適切に全社的対応を行うよう努めてまいりますが、事前に想定していなかった原因・内容の事故である等、何らかの理由により、事故発生後の業務継続、復旧がうまくいかなかった場合、当社グループの事業及び業績に深刻な影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループの人的資源及びコンピューターネットワークのインフラは、大部分が東京に集中しているため、同所で自然災害等が発生した場合には、当社サービスの一時停止等の影響に加え、事業の継続自体が不可能になる等、当社の事業及び業績に特に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
④事業内容に関するリスク
ⅰ ストックビジネスの深化について
当社グループは、積極投資の実施により、短期間でストック売上の大幅な積上げを図ることで、大きな利益成長が可能となるストック型ビジネスの深化を推進し、企業価値の更なる拡大に取組んでおります。しかしながら、何らかの要因によって、計画通りストック売上を増加させることが出来なかった場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
ⅱ 新商材の開発及び改良について
当社グループは、従業員20名以下の小企業に対して小企業の活性化に繋がるITソリューションを提供する事業を展開しており、小企業のニーズに適う商材やサービスの開発に取組んでおります。新商材の開発や改良にあたっては、その時点で入手可能な情報に基づき、十分な市場調査を行ったうえで実施してまいりますが、潜在的な需要を見積もるにあたっては、不確定要素が多いため、事業計画を予定どおり達成できない可能性があります。かかる場合には、見込んでいるだけの収益性を確保できなくなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅲ 外部委託開発について
当社グループは、商品企画機能、システム開発機能等を自社内に有しておりますが、開発の規模によっては、その一部をグループ外の企業に委託しております。当社グループが開発の一部を委託する企業は、開発実績もあり、安定的な取引を行っておりますが、これらの企業の経営環境等に問題が発生し、開発の一部の委託が継続できなくなった場合、開発スケジュール等に支障をきたす等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅳ 情報システムトラブルについて
当社グループは、事業を行う上でコンピュータシステム及びネットワークを活用することで事業の拡充を達成しております。そのため情報セキュリティの強化、バックアップ体制の構築、情報システム部門の強化、機器の高性能化の検討等、システムトラブル対策を講じております。しかしながら、これらの対策にも関わらず、人為的過誤や自然災害等によりシステムトラブルが発生した場合には、当社グループに被害が生じるほか、当社グループが提供するサービスに対する信頼性の低下及び損害金等の支払いにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅴ 割賦契約(ビジネスクレジット)の利用について
当社グループの主力サービスの一つであるホームページソリューションは、主たる販売代金の回収方法として、信販会社のビジネスクレジットを採用しております。ビジネスクレジットを利用することにより、顧客にとっては、手軽に当社グループのサービスを導入できるというメリットがあるうえに、当社グループにとっても、不良債権の発生を未然に防止することができる、また、信販会社から販売代金が一括で立替払いされる等のメリットがあります。しかしながら、今後、与信審査の状況の変化等により、割賦契約が成立しないケースが著しく増加し、その変化に当社グループが対応しきれない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅵ ワンストップサービス提供について
当社グループの主力サービスの一つであるホームページソリューションは、ネットビジネスを展開する企業に対し、ホームページの企画・構築・保守・運営サポートをパッケージングし、ワンストップサービスにて提供しております。この一連のサービスが当社グループの優位性でありますが、何らかの事象により一連のサービスが提供できず、顧客満足度の低下や解約率の増加等に繋がった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤事業体制に関するリスク
ⅰ 人的資源について
当社グループが事業展開を行うにあたっては、専門的な知識・経験・技術を有する人材を必要数確保することが不可欠であります。そのためには、優秀な人材を採用する体制の強化、従業員の定着率向上、教育研修の充実を図ることが重要であると認識しております。しかしながら、何らかの理由で、人材を採用できない場合、従業員の流出が増加した場合、もしくは、従業員への教育研修の効果が上がらない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅱ 関連当事者との関係について
当社グループは、平成21年6月24日に株式会社光通信(以下「光通信」といいます)及び光通信グループと業務提携を開始したのち、当該業務提携をより一層強固なものにし、深化させるために、平成22年6月25日及び平成27年1月19日に当該相手先に対して第三者割当増資を実施し、資本提携を行っております。また、平成27年6月24日開催の取締役会において、光通信を株式交換完全親会社、当社を株式交換完全子会社とする株式交換を行うことを決議し、平成27年6月24日付で光通信及び当社の間で株式交換契約を締結いたしました。今後、更に当社グループの中期的な営業力を強化させ、経営成績の向上を目指してまいりますが、何らかの事象により業務提携を深化させることができなかった場合、企業価値及び株主価値を向上させることができず、株主価値の希釈化による株主・投資家のリスクが生じる可能性があります。
ⅲ 主要取引先との関係について
当社グループの主たる販売代金の回収方法は、信販会社のビジネスクレジットであるため、当該スキームを提供いただいている信販会社は、当社グループにとりまして非常に重要なパートナーであります。本書提出日現在において、信販会社との関係は良好でありますが、今後何らかの事象により、信販会社との関係性が悪化した場合、また、信販会社の事業戦略の変更等が発生し、その変化に当社グループが対応しきれない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥コーポレート・ガバナンスに関するリスク
ⅰ 内部管理体制について
当社グループは、従業員による不正行為等が発生することのないように、コンプライアンスの強化、会計関連機能の強化、内部監査機能及び内部統制の強化など、様々な施策に取組み、内部管理体制の強化に努めております。しかし、これらの施策が有効に機能しなかった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼしたり、当社グループの社会的信用が低下する可能性があります。
ⅱ 適時開示体制について
当社は、金融商品取引法などの関連法令や上場している証券取引所の定める適時開示規則等に従い、適時・適切に情報開示を行うために、適時開示規程の制定、社内体制及び適時開示手続の整備、適時開示に係るモニタリングの実施等、適時開示体制の整備に取組んでおります。しかし、このような取組みが機能せず、ディスクロージャーの信頼性等を確保できない事態が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼしたり、当社グループの社会的信用が低下する可能性があります。
ⅲ その他の関係会社について
株式会社光通信(以下「光通信」といいます)は、同社のグループ会社が保有する当社株式を含めますと、平成27年3月31日現在、当社議決権の36.71%を所有する当社の関係会社(その他の関係会社)に該当いたします。
当社は、光通信グループと緊密な協力関係を保ちながら事業を展開する方針でありますが、当社の事業活動における制約はありません。また、光通信とは人的関係がありますが、取締役の兼務については、光通信グループとの関係を強固にするとともに、客観的な視点による当社経営への支援を目的としたものであります。
(2)重要事象等について
当社においては、当連結会計年度において、営業利益以下の各区分利益において大幅な損失を計上しており、重要な営業損失、経常損失及び当期純損失の計上並びに営業キャッシュ・フローのマイナスとなっております。これにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
しかしながら、当社は、以下に記載のとおり、また、「1業績等の概要 (1)業績」に記載のとおり、① 損失の計上等は、主力サービスであるホームページソリューションにおいて、ストック型ビジネスでの黒字転換を果たすことができ、今後の持続的な利益成長に目途をつけることができた状況において、新主力サービスとしてシステム・メディアソリューションを立ち上げるために、大規模な積極投資を行っていることによるものであること、② 積極投資の結果、保有顧客アカウント数の積上がりとともにストック売上が増加しており、安定的に利益を確保できる収益構造への転換が進展していること、また、③ 平成 26 年7月及び平成 27 年3月において株式会社光通信(以下「光通信」という。)より、システム・メディアソリューションの運転資金の長期融資を受けていること、平成 27 年1月において、光通信に対して第三者割当増資を実施し、資金調達を行っていること、企業継続性の担保となる額の財務支援に関する通知を光通信より受領するなど、積極投資に必要な資金を確保できていることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
当社は、継続的な業績の安定性・成長性を担保することが株主価値の向上に資するとの考えのもと、主力サービスであるホームページソリューションにおいて、事業環境の変化による業績への影響が顕著に表れる不安定なフロー型ビジネスから、安定したストック型ビジネスへとビジネスモデルの転換を図るべく、3事業年度に渡って事業構造改革を推進してきた結果、平成26年3月期においてストック型ビジネスでの黒字転換を果たすことができました。
しかしながら、ストック型ビジネスでの黒字転換を果たすことはできたものの、当社としては、株主の皆様のご期待に応え、企業価値の更なる拡大を図るうえで、① ホームページソリューションについては、現状では利益の伸長が緩やかであり、短期間での大きな成長を見込むのが難しい、② ユーザーニーズが高度化・多様化する中で、その変化に対応したソリューションも提供していかないと、市場競争力を失ってしまう可能性がある、という2つの大きな課題を認識しておりました。
そこで、当社は、企業規模を拡大し、業種特化型の取組みを強化することで、早急にストック型ビジネスの深化を実行し、短期間でストック売上の大幅な積上げを図ることが、企業価値の更なる拡大と株主価値の向上に資するものであるとの判断に至り、当連結会計年度より、ホームページソリューションに続く主力サービスとしてシステム・メディアソリューションを本格的に立ち上げ、営業稼働人員を大幅に増員して投入するとともに、新システムや商材・サービスを開発し、展開する大規模な積極投資の本格推進を開始しております。
システム・メディアソリューションは、売上構成としては、獲得顧客アカウント数と連動する一括型のフロー売上と、保有顧客アカウント数と連動する月額課金型のストック売上にて構成されており、そのウェイトの多くをストック売上が占めるストック型のモデルとなっており、保有顧客アカウント数の積上げが重要なモデルとなっております。そのため、サービスの立ち上げ当初においては、当然にして保有顧客アカウント数が少なく、ストック売上が少額となるため、費用が先行し、短期的に赤字となりますが、その後は、保有顧客アカウント数が積上がることにより、月額課金型のストック売上が中期的に増加していくため、売上高成長に合わせて安定的に利益を確保できる損益構造へと転換してまいります。当連結会計年度においては、費用が先行することとなっていますが、保有顧客アカウント数の積上がりとともにストック売上の増加が図れており、安定的に利益を確保できる構造への転換が進展しているため、当社としては、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。