臨時報告書

【提出】
2022/11/28 14:20
【資料】
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提出理由

当社は、2022年11月25日開催の当社取締役会において、当社の普通株式(以下、「当社株式」といいます。)の併合(以下、「本株式併合」といいます。)を目的とする、2023年2月8日開催予定の臨時株主総会(以下、「本臨時株主総会」といいます。)を招集することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。

株式の併合を目的とする株主総会の招集の決定

1. 株式併合の目的
(1) 株式併合の概要
今般、当社は、当社の株主を、株式会社ケイアイテイ(以下、「ケイアイテイ」といいます。)のみとし、当社株式を非公開化するための手続として本株式併合を実施する予定です。また、当社の代表取締役会長であり、ケイアイテイの代表取締役である加藤光男氏及び当社の代表取締役社長であり、ケイアイテイの筆頭株主である加藤光昭氏は、本株式併合後も継続して当社の経営にあたることを予定しております。
なお、ケイアイテイは、当社の前身であるトシン電機工業株式会社として1947年3月に設立され、1973年6月に電設資材部門の事業を同年5月に設立された同名のトシン電機工業株式会社(現「トシン・グループ株式会社」)に譲渡するとともに、現在の商号に商号変更をしたとのことです。本日現在において、ケイアイテイの株式は、同社の代表取締役であり、かつ当社の代表取締役会長である加藤光男氏がその発行済株式数の20.1%、同社の筆頭株主であり、かつ当社の代表取締役社長である加藤光昭氏がその発行済株式数の20.4%を所有しており、加藤光男氏、加藤光昭氏及びその親族がその発行済株式の全部を所有しております。ケイアイテイは、本日現在、当社株式1,026,500株(自己株式を除く発行済株式総数に対する所有株式数の割合(以下、所有割合といいます。(注1)):12.9%)を所有する当社の主要株主でありますが、本株式併合の効力発生に先立ち、2023年1月17日を効力発生日(予定)として、ケイアイテイを株式交付親会社とし、当社を株式交付子会社とする株式交付(以下、「本株式交付」といいます。)を行う予定とのことであり、これにより、2023年1月17日付けで当社株式6,533,900株(所有割合82.3%)を所有する当社の支配株主(親会社)となることが予定されております(詳細は、当社によって公表された2022年11月25日付「親会社及び主要株主である筆頭株主の異動並びに株式会社ケイアイテイによる当社株式(証券コード:2761)の公開買付けに準ずる行為として政令で定める買集め行為に関するお知らせ」をご参照ください。)。
本株式併合により、当社の株主はケイアイテイのみとなり、ケイアイテイ以外の株主の皆様の保有する当社株式の数は、全て1株未満の端数となる予定です。本株式併合により生ずる1株未満の端数については、会社法(2005年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第235条第2項の準用する同法第234条第2項及び第4項の規定に基づき、裁判所の許可を得た上で、当社が買い取ることを予定しており、その買取りに係る代金を端数が生じた株主の皆様に対して交付する予定です。この場合の買取価格につきましては、必要となる裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、ケイアイテイ以外の当社の株主の皆様に対して本株式併合の効力発生日の前日である2023年3月7日の最終の当社の株主名簿において当該株主の皆様が保有する当社株式の数(以下、「基準株式数」といいます。)に7,424円を乗じた金額に相当する金銭が交付されるような価格に設定することを予定しております。詳しくは、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法」をご参照ください。
なお、ケイアイテイによれば、ケイアイテイは本臨時株主総会において本株式併合に係る議案に賛同する予定であるとのことです。また、ケイアイテイによれば、ケイアイテイは本株式交付を通じて取得する当社株式5,507,400株(所有割合69.4%)について、本臨時株主総会に係る基準日株主である既存株主をして賛成の議決権を行使させる予定であるとのことです。
以下、ケイアイテイに関する記載については、ケイアイテイから受けた説明に基づいております。
(注1)「所有割合」とは、当社が2022年9月30日付で公表した「2023年5月期第1四半期決算短信[日本基準](連結)」に記載された2022年8月20日現在の当社の発行済株式総数(11,405,400株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(3,468,125株)を除いた株式数(7,937,275株)に占める割合をいい、小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、所有割合の記載において同じとします。
(2) 本株式併合を実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本株式併合後の経営方針
① 本株式併合の背景等
当社は、1947年3月に現本社所在地である東京都新宿区新宿一丁目3番7号にて、故加藤光一郎が電設資材卸売業を開業し、「トシン電機工業株式会社」を設立し、1973年5月に実質上の存続会社である「トシン電機工業株式会社」を設立し、旧「トシン電機工業株式会社」から電設資材部門の事業を譲受した後、電設資材卸売業者として流通商社の役割を果たしてまいりました。また、2006年11月に、会社分割により、販売事業を「トシン電機株式会社」に分割の上、商号を「トシン・グループ株式会社」に変更し、事業持株会社体制へ移行しております。当社株式につきましては、2003年3月に店頭売買銘柄として、社団法人日本証券業協会(以下、「日本証券業協会」といいます。)に当社株式を登録し、2004年12月に日本証券業協会への店頭登録を取り消して株式会社ジャスダック証券取引所に株式を上場し、その後、各証券取引所の統合に伴い、2013年7月に株式会社東京証券取引所(以下、「東京証券取引所」といいます。)JASDAQ市場に当社株式を上場し、その後、2022年4月4日の東京証券取引所の市場再編を経て東京証券取引所スタンダード市場(以下、「スタンダード市場」といいます。)に当社株式を上場しております。
当社の企業集団(以下、「当社グループ」といいます。)は、当社並びに当社の子会社であるトシン電機株式会社、丸菱電機株式会社、ライト電機株式会社、あかり・ライフインテリア株式会社、及び有限会社山之内電材の5社(以下、「子会社5社」といいます。)で構成され、「電気工事材料の販売」を主業とし、首都圏を主たる営業エリアとして事業を展開しております。当社は、事業持株会社としてグループ全体の仕入れ及びグループに係る戦略の企画立案、管理業務を担当し、子会社5社は当社から商品を仕入れ、それぞれの得意先へ販売する営業部門の役割を担っております。各子会社5社間においては、各社が担当する営業区域での区分、顧客セグメント及び取扱商品による区分により、各子会社5社間のマーケットの重複による競合関係の発生を回避しつつ、営業を展開しております。
子会社5社のうち、トシン電機株式会社、丸菱電機株式会社、ライト電機株式会社及び有限会社山之内電材は、電気工事業者、設備事業者を主たる顧客として商品を販売しております。それぞれの営業区域は競合しない地域を設定し、お互いに得意先の利便となる地域への店舗展開等を原則としております。このうち、丸菱電機株式会社とライト電機株式会社の顧客は、比較的規模の大きい工事業者となっております。また、あかり・ライフインテリア株式会社は、工務店や大手ハウスメーカーを主たる顧客として、照明器具類の他、カーテンなどのインテリア類を販売しております。
当社グループは、「住まいに関する総合商社」として社会に貢献していくことを目指し、地域に密着した電気工事店、空調設備工事店、工務店、リフォーム店などに、電気設備資材の提供を主体に、安心、安全で豊かな暮しを実現するサポートをしております。
多くの得意先を対象として、営業マンの担当地区のルートセールスを展開し、心と心の通じた地域密着の小口多数販売を基本戦略としており、市場環境の影響を抑えて安定した業績を確保できる体制を強化しております。同業他社との競争力強化の手段として、差別化を図るべく、お客様の営業活動を応援する施策である、「トシンで安心シリーズ」、「施工サポートセンター」、「住まいまるごとご相談センター」などの機能を充実させております。
一方で、当社を取り巻く事業環境は、オリンピック・パラリンピック関連の競技関連施設、インバウンド需要の拡大を視野に入れたホテル等の宿泊施設や都内の高層マンションの建設ラッシュが続いた以前のような需要の急速な拡大は期待できず、また、建設技術者の人手不足や価格競争の激化が懸念され、厳しい状況が継続するものと考えております。具体的には、当社グループは、首都圏に営業所を展開しているため、首都圏の新設住宅着工戸数の影響を受け易くなっておりますが、国内の住宅投資について、今後長期的には、少子高齢化による人口減少等を要因に新設住宅着工戸数は減少傾向にて推移するものと想定され、2040年度の新設住宅着工戸数は、2021年度と比較して4割ほどに減少するとの試算もございます(注2)。
加えて、直近では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、新設住宅着工戸数も減少しており、一時的に新型コロナウイルス感染症に収束傾向が見られているものの、回復の足取りが遅い状況となっております。年末以降の新型コロナウイルス感染症の再拡大とそれに伴う社会経済活動の抑制、ウクライナ争乱による世界情勢の変化、それに続く原油価格の高騰、物価の上昇、円安の進行等により、景気後退が懸念される等、予断を許さない状況となっております。
(注2)出典:株式会社野村総合研究所(2021年度版)2040年の住宅市場と課題
かかる状況下、当社の2022年5月期の連結業績は、売上高は39,935百万円(前期比1.7%増)、営業利益は1,615百万円(前期比0.2%増)、経常利益は2,241百万円(前期比1.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,491百万円(前期比2.0%増)となりました。
上半期において、新型コロナウイルス感染症に収束傾向が見られ、経済活動の再開が見込まれましたが、下半期以降、変異型(オミクロン型)による感染が急激に拡大し、再び経済活動が大きく制約されました。また、中国などアジア圏におけるロックダウンによる工場の操業停止などが相次ぎ、半導体を中心に部品供給が滞り、各種商品の出荷減少へとつながり、先行き不透明感が更に強まっております。
当社グループが属する電設資材卸売業界においては、新設住宅着工戸数が86万戸、前年度対比で約6.6%増と3年ぶりの増加となり、リフォーム、リニューアル需要も底堅く推移しました。しかしながら、年度後半には、商品供給の減少から、工事の延期や中止などが発生しており、受注環境は厳しさを増しております。
それらを踏まえて、2023年5月期通期の連結業績見通しについては、売上高は40,500百万円(前期比1.4%増)、営業利益は1,650百万円(前期比2.1%増)、経常利益は2,300百万円(前期比2.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,491百万円(前期比2.1%減)と増収減益を予定しております。コロナ禍が今期も継続することは確実であり、依然として不透明な状況が継続する見立てのなか、新規得意先の獲得、既存得意先の掘り起こしなど営業基盤の拡大を図ることにより、当社の強みである環境変化の影響を受け難い「小口多数販売」を更に強化する取組みを行う想定です。
② ケイアイテイによる本株式併合の提案の経緯・目的
ケイアイテイは、上記のような極めて厳しい経営環境の下、そのような経営環境を克服し、当社グループの事業を存続させるためには、現在の取組みだけでは不十分であり、抜本的な事業改革が必要であると考えているとのことです。具体的には、以下のような施策を実施することが必要と考えているとのことです。
(i) 営業活動支援サービスの提供拡大及びプロフェッショナル人財の育成・採用
当社グループは、首都圏を中心に営業所を展開しており、販売先は約24,000社に及んでおります。これまでは、営業担当者一人ひとりが、豊富な商品知識を身につけ、ルートセールスによるきめの細かい営業体制を確立するとともに、“お客様の営業活動を応援します”をテーマとした付加価値サービスの提供により、営業基盤を構築してまいりました。一方、長期的には、少子高齢化による人口減少等を要因に新設住宅着工戸数は減少傾向にて推移するものと想定されており、他方で、リフォーム需要が今後さらに増加することが見込まれております。リフォーム需要を取り込んでいく上では、営業活動のみならず、第一種電気工事士や1級電気工事施工管理技士等の高い専門性を有するプロフェッショナル人財によるサービスの提供を推進する必要があると考えているとのことです。
特に、新型コロナウイルス感染症の影響により、消費者・得意先の家電や住宅設備など住環境に対するニーズは高まっており、取引先の様々なニーズに対し、臨機応変に対応する必要があるとのことです。2020年10月26日の菅元内閣総理大臣所信表明演説にて「2050年カーボンニュートラル(注3)、脱炭素社会の実現を目指す」方針が宣言されるなど脱炭素社会への動きが強まり、再生可能エネルギーの活用など二酸化炭素(CO2)の排出削減等に対する社会的要請もより強まることが見込まれている中、家庭用の太陽光発電システムの施工を含めた一括受注体制の整備、家庭用リチウムイオン蓄電システムの施工販売、再生可能エネルギーの管理・運営関連商材の受注・販売等、得意先の省エネ・環境関連投資への増加する取組みニーズに合わせて取扱い商品の領域を拡大する必要があるとのことです。その場合において、第一種電気工事士や1級電気工事施工管理技士の資格保有者を一定数確保する必要があるとのことです。かかる状況下、当社はプロフェッショナル人財の確保が急務であり、早急に体制を構築する必要があるものと認識しているとのことです。
ケイアイテイは、当社ではこれまで得意先や仕入先とのコミュニケーションを密にして生産性の向上を図り、一人当たり売上高は増加傾向にあるものの、今後新規得意先の開拓や、管材、建材など住環境に関連するあらゆる分野の商品の取扱い拡大を推進していくためには、機動的な要員の配置・出店戦略に加えて、豊富な専門知識と経験を有する人財の新規採用や増員、教育及びキャリアアップの支援といった抜本的な人事戦略等、各種施策を早期に実施する必要があると考えているとのことです。
(注3)「カーボンニュートラル」とは、二酸化炭素(CO2)をはじめとする温室効果ガスの「排出量」を削減するとともに、森林などによる「吸収量」を差し引くことで、温室効果ガスを実質的にゼロにする取り組みです。
(ii) ITを駆使した業務効率化
昨今、新型コロナウイルス感染症によって社会全体での急速なデジタル化が進行しておりますが、当社では、当社の強みである首都圏を中心に展開する営業所を拠点とした対面によるルートセールスでの営業活動を重視するあまり、デジタル化の潮流に乗れておらず、従業員一人当たりの生産性が高められていないとケイアイテイは考えているとのことです。
その上で、従業員一人当たりの生産性向上を図るためには、IT技術を最大限活用して様々な業務プロセスを改善する必要があるとのことです。例えば、効率的な訪問活動のためWEB会議の活用促進やそのための環境整備、及びIT化による商品の受・発注や納期管理などにおける業務効率の向上を通じて、経営体質の強化を図っていく必要があると考えているとのことです。加えて、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を活用した電材卸業務の効率化、「サポートセンター」における各種プランニング作成業務や現地調査からの見積書作成業務にAI・データ分析を導入することによる効率的かつ機動的な得意先営業活動支援の向上などを検討しており、その場合、IT周辺機器、システムへの大規模投資が必要であり、これらの取組みは短期的には財務面及びキャッシュ・フローのマイナス要因になることが想定されますが、中長期的には収益の増加及びコスト削減に寄与し、当社の成長に資するものと考えているとのことです。
(iii) 営業拠点網の拡大、M&Aによる業容拡大
当社は、首都圏での店舗展開を強みとしておりますが、リフォーム、リニューアル需要は底堅いものの、オリンピック・パラリンピック関連の競技関連施設、インバウンド需要の拡大を視野に入れたホテル等の宿泊施設や都内の高層マンションの建設ラッシュ等首都圏での大型案件の需要は一巡しており、空白地帯への新規営業所の出店に加えて、首都圏の周辺にも営業エリアを拡大していく必要があり、営業拠点数を現在の110ヶ所から将来的には150ヶ所程度まで増設することをケイアイテイは考えているとのことです。その場合、新たなエリアで一から営業基盤を構築する為、特に立地確保や人材確保の点で、初期コストが相応に発生する可能性が高いと考えているとのことです。
また、営業エリア拡大のほか、M&Aを活用した業容拡大についても並行して取り組むとのことです。当社は、2000年11月に「丸菱電機株式会社」を、2005年11月に「株式会社あかり」及び「株式会社ライフインテリア」(現「あかり・ライフインテリア株式会社」)の株式を100%取得し、連結子会社化しておりますが、以降はM&A等を実施しておりません。上記のとおり、厳しい事業環境の中、電設資材卸売業界から淘汰されないよう、今後の電設資材卸売業界の動向等を注視しながら、先入観に捉われず、特に後継者不在の同業者などを主体とする積極的なM&Aなどを通じて営業エリアの拡大や事業の多角化を図っていき、規模の拡大やサービスラインナップの拡充及び提供サービスの品質を向上させる必要があるとケイアイテイは考えているとのことです。
かかる施策においては、中長期的に見れば当社の企業価値向上が期待されるものの、直ちに当社の業績に貢献できるものではなく、相当の時間と戦略的投資を含む各種先行投資が必要となることで、各種先行投資やM&Aに付随するのれん償却費等が伴う可能性があり、取組みの性質等を考慮すると、短期的には当社の収益を大きく悪化させる要因ともなりうるため、上場を維持しながら当該施策を実施した場合には、資本市場からの十分な評価を得ることができず、当社の株式価値を大きく毀損する可能性があるとのことです。
また、ケイアイテイは、当社の上場以降、当社は知名度の向上による優れた人材の確保、社会的な信用力の向上等、上場企業として様々なメリットを享受してきたものの、こうした知名度や社会的な信用力の向上等については株式の上場以外の方法によっても実現可能であることや、当社株式の上場を維持するために必要なコスト(有価証券報告書等の継続的な情報開示に要する人的負担、株主総会の運営や株主名簿管理人への事務委託に要する金銭的負担、内部統制関連コスト等)を踏まえると、今後も継続して当社株式の上場を維持することの意義を見出しにくい状況にあると考えているとのことです。
更に、当社は2021年12月3日に公表した「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」において、スタンダード市場の上場維持基準の一つである「流通株式比率」の基準を当社の移行基準日時点(2021年6月30日)で充たしておらず、基準適合のための各種取組みについては2027年5月期を目途に進める計画であることを公表しております。
しかしながら、上記の公表以降、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に加え、ウクライナ争乱による物価、建築費、人件費等の上昇が続く中、迅速的かつ大規模に投資を継続するためのコスト負担は従前にも増して重くなっており、足元の経営環境は厳しさを増しております。このように当社を取り巻く経営環境が非常に厳しい中、競争が激化している電設資材卸売業界における当社のプレゼンスを維持しつつ、一刻も早く上記の(i)~(iii)の施策を講じて顧客基盤を拡充することは、上場維持をしたままでは困難であるとケイアイテイとしては考えるようになったとのことです。
また、ケイアイテイは、現在の当社の資本構成は、創業家一族の株主が合計で当社株式6,600,100株(2022年8月20日時点。所有割合:83.15%)を所有している状態であること、(i)~(iii)のような企業価値向上のための抜本的な施策を講じるには短期的に急激な業績悪化を伴う可能性があること、及び当社株式のスタンダード市場における流動性が乏しいこと等に鑑みると、非流通株式の市場放出及び新株発行等の「流通株式比率」の基準を充足するための実効性のある対策をとることは困難になり得ると考えており、現在の資本構成が大幅に変更されない限りは上記の経過措置を経て上場廃止となる可能性があり、結果として将来的に当社の一般株主の皆様において当社株式の売買の機会が奪われてしまう事態が生じる可能性があると考えているとのことです。
以上のような点を踏まえ、ケイアイテイは当社が上記施策を実施するにあたっては、当社株式を非公開化することが、当社の株主の皆様に対して発生する可能性がある上記悪影響を回避し、かつ中長期的な視点から抜本的かつ機動的な経営戦略を迅速かつ果敢に実践するために最も適切な手段であるという結論に至ったとのことであり、2022年9月下旬、当社に本株式併合の実施に向けた協議・交渉の申し入れを行ったとのことです。
③ 当社における本株式併合を付議することを決議するに至った意思決定過程及び理由
当社は、上記「②ケイアイテイによる本株式併合の提案の経緯・目的」に記載のとおり、2022年9月下旬にケイアイテイから本株式併合の実施に向けた上記協議・交渉の申入れを受け、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本株式併合の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載のとおり、本株式併合においては、本株式併合の実行に先立ちケイアイテイが当社の支配株主となることが予定されており、また、当社の代表取締役会長である加藤光男氏がケイアイテイの代表取締役であり、かつ当社の代表取締役社長である加藤光昭氏がケイアイテイの筆頭株主であるため、その構造上、当社の取締役会と当社の少数株主との間で利益相反の問題が生じる可能性があることから、本株式併合に係る当社の意思決定に慎重を期し、また、当社の取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、複数の弁護士事務所から見積もりを取得し、役務内容、案件実績及び費用を比較検討した上で、リーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を2022年10月上旬に選任するとともに、ケイアイテイから独立した立場で当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の皆様の利益の確保の観点から本株式併合の提案に係る検討、交渉及び判断するための体制を整備いたしました。具体的には、当社取締役会は、2022年9月30日に、当社社外取締役である金子英男氏、当社社外監査役である阿久津正志氏(弁護士 阿久津総合法律事務所)及び当社社外監査役である光藤周一氏から構成される特別委員会(以下、「本特別委員会」といいます。)を設置し、本特別委員会自らケイアイテイ及びその他の取引関係者と協議・交渉する権限を付与するとともに、本株式併合に関する決定を行うに際して本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本株式併合について妥当でないと判断した場合には、本株式併合を行う旨の意思決定を行わないことを決議いたしました(本特別委員会の委員の構成及び具体的な活動内容等については、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本株式併合の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③当社における特別委員会の設置」をご参照ください。)。また、本特別委員会は、株式価値算定を提供役務として含む複数の企業から見積りを取得し、案件実績及び費用を比較検討した上で、当社及びケイアイテイから独立した第三者算定機関として株式会社ストリーム(以下、「ストリーム」といいます。)を2022年10月上旬に選任しております。
その上で、本特別委員会は、2022年11月2日に、ケイアイテイから、本株式併合に係る端数処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額(以下、「本件端数処理交付見込額」といいます。)を本株式併合の効力発生前の当社株式1株当たり6,800円とする旨の提案を受領しました。これに対して、本特別委員会は、2022年11月7日に、ケイアイテイに対して、当該提案に係る金額は少数株主の皆様の期待に応えられる水準とは乖離があるとして、本件端数処理交付見込額の引上げを要請しました。その後、本特別委員会は、2022年11月8日に、ケイアイテイから、本件端数処理交付見込額を本株式併合の効力発生前の当社株式1株当たり7,100円とする旨の提案を受領しました。これに対して、本特別委員会は、2022年11月10日に、ケイアイテイに対して、当該提案に係る金額は依然として少数株主の皆様の期待に応えられる水準には達していないとして、本件端数処理交付見込額の引上げを要請しました。その後、本特別委員会は、2022年11月15日に、ケイアイテイから、本件端数処理交付見込額を本株式併合の効力発生前の当社株式1株当たり7,400円とする旨の提案を受領しました。これに対して、本特別委員会は、2022年11月16日に、ケイアイテイに対して、過去の類似する取引において付与されたプレミアムの実例等も踏まえ少数株主の皆様に十分にご納得いただける金額とさせていただきたいとして、本件端数処理交付見込額の引上げを要請しました。その後、本特別委員会は、2022年11月18日に、ケイアイテイから、本特別委員会からの価格引上げの要望を踏まえて少数株主の皆様の利益に配慮する観点から、本件端数処理交付見込額を本株式併合の効力発生前の当社株式1株当たり7,424円とする旨の最終提案を受領し、これに対して、2022年11月21日、本特別委員会は、かかる最終提案を受諾し、本件端数処理交付見込額を7,424円とすることで合意に至りました。
その後、本特別委員会はストリームから2022年11月24日付で株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの提出を受け、当社に対して、2022年11月24日付で答申書(以下、「本答申書」といいます。)を提出しました(本答申書の概要等については、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本株式併合の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③当社における特別委員会の設置」をご参照ください。)。その上で、当社は、リーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所から受けた法的助言、及び本特別委員会が独自に選任した第三者算定機関であるストリームから本特別委員会に提出された株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本株式併合により当社の企業価値の向上を図ることができるか、本件端数処理交付見込額その他の条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議・検討を行い、以下の結論に達しました。
当社の主要マーケットである電設資材卸売業界の経済情勢は、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の制約、インフレに伴う経済の先行き不透明感の高まりによる受注環境の悪化、少子高齢化による人口減少を要因とする新設住宅着工戸数の減少により、中長期的には弱含みで推移することが予想され、更に企業間競争が激化し、依然として厳しい状況が続くものと思われます。
当社では、このような環境認識を踏まえ、様々な施策に取り組んでまいりましたが、上記の環境下では、今後、市場規模の大きな伸びは期待できず、現状の延長線上では一段の飛躍は難しいと考えており、安定的かつ継続的に当社の企業価値を向上させるためには、上場企業である当社において求められる短期的な利益確保を重視する既存の戦略を推進するのではなく、中長期的な成長を阻害するあらゆる要因を検証し直し、新たな戦略を採用・推進することが必要であると考えております。そして、ケイアイテイは、当社の業績の回復、収益の向上を図ることとして、営業活動支援サービスの提供拡大及びプロフェッショナル人財の育成・採用、ITを駆使した業務効率化、営業拠点網の拡大、M&Aによる業容拡大といった施策を挙げておりますが、当社といたしましても、当該施策は、現状を打破するために、積極的に推進していくべき施策であり、かかる施策の実施には機動的かつ柔軟な経営体制の構築が望ましいと認識しております。
しかしながら、当該施策の実施に当たっては、多額の先行投資が必要となり、短期的には利益水準の低下やキャッシュ・フローの悪化をもたらすリスクがあり、また必ずしも成功が保証されたものではないため、当社が上場を維持したままこれらの施策を実行した場合には、当社の株主の皆様に対して多大なる悪影響を与えてしまう可能性は否定できません。また、当社が上場を維持した状態では、当社株式の株価への悪影響を回避するために、これまでと同様、短期的な業績や利益確保を重視する戦略を取らざるを得ない状況に置かれ、中長期的な企業価値の向上を十分に追求できないおそれもあると考えております。
このような状況下で、当社としては、短期的には利益水準の低下を招くリスクを認識しながらも、中長期的な視点から当該施策を推進するためには、株主と経営者が一体となって、迅速かつ果敢に意思決定できる経営体制を構築することが必要であると考えています。加えて、株式の非公開化を行った場合には、上場維持コストを削減することもでき、経営資源の更なる有効活用を図ることも可能になると考えております。
なお、当社が株式の非公開化を行った場合には、株式市場からの資金調達を行うことができなくなり、また、上場会社として当社が享受してきた知名度や信用力に影響を及ぼす可能性が考えられます。しかしながら、現在の財務状況等からは、当面はエクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要性は見込まれず、今後も継続して株式の上場を維持することの意義を見出しにくい状況にあります。加えて、当社は、創業以来の事業活動の中で、電設資材卸売事業としての知名度や信用力を十分に獲得してきたものと考えておりますので、非公開化により当社及び当社グループの知名度や信用力が下落することは考えにくいと判断しております。したがって、当社取締役会は、株式の非公開化のメリットは、そのデメリットを上回ると判断いたしました。
また、当社は2021年12月3日に公表した「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」において、スタンダード市場の上場維持基準の一つである「流通株式比率」の基準を当社の移行基準日時点(2021年6月30日)で充たしておらず、基準適合のための各種取組みについては2027年5月期を目途に進める計画であることを公表しておりますが、当該計画書を公表以降、新型コロナウイルス感染症の感染急拡大を始めとし、足許の経営環境は急速に冷え込んでおり、企業間競争が激化する電設資材卸売業界において当社の事業基盤が脆弱化する前に、当社が流通株式比率向上の環境を整えるための手段(具体的には、営業活動支援サービスの提供拡大及びプロフェッショナル人財の育成・採用、ITを駆使した業務効率化、営業拠点網の拡大、M&Aによる業容拡大を実施し、事業基盤を強固なものとすることで、株価を向上させること等が想定されますが、それらに限られません。)を講じない場合には、当該基準への抵触により、将来的に当社の上場維持が困難となり、上場廃止に至るおそれがあります。また、当該計画書の公表以降、当社は、2022年8月8日に開示した「上場維持基準の適合に向けた計画に基づく進捗状況について」に記載の取り組み方針のとおり、当社の主要株主である創業家一族及び機関投資家に段階的に当社株式の売却を検討するよう要請を継続してまいりましたが、上記「②ケイアイテイによる本株式併合の提案の経緯・目的」に記載のとおり、当社の主要株主である創業家一族から本株式併合の実施に向けた申入れがあったことを踏まえ、当社の現在の資本構成上、主要株主である創業家一族による保有株式の売却が望めない場合には、当社の一般株主の皆様への影響に配慮しつつ当社が流通株式比率向上の環境を整えることは極めて困難であるため、当社取締役会は、当該取り組み方針の継続を断念し、ケイアイテイからの本株式併合の提案を受け入れ、当社の一般株主の皆様に合理的な株式の売却の機会を提供した上で、当社株式を非公開化することが、当社の一般株主の皆様の利益に資する選択であると考えました。
以上を踏まえ、当社取締役会は、本株式併合により当社株式を非公開化することが、当社グループの企業価値の向上に資するものであると判断いたしました。
なお、本件端数処理交付見込額である7,424円は、(a)下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(2).当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠等」の「(ⅱ)算定に関する事項」に記載されているストリームによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定の結果を上回るものであり、かつ、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下、「DCF法」といいます。)による算定レンジの上位4分の1に位置する金額であること、(b)本株式併合の公表日の前営業日である2022年11月24日を基準日として、スタンダード市場における当社株式の基準日の直近取引成立日である2022年11月22日の終値6,100円に対して21.70%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアムの計算において同じです。)、2022年11月24日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値6,024円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して23.24%、過去3ヶ月間の終値単純平均値5,942円に対して24.94%、過去6ヶ月間の終値単純平均値5,893円に対して25.98%のプレミアムが加算されており、過去の類似取引事例におけるプレミアムの水準に照らして必ずしも不合理ではない水準のプレミアムが付されていると考えられること、(c)下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本株式併合の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の利益相反を解消するための措置が採られていること等、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、(d)上記利益相反を解消するための措置が採られた上で、本特別委員会及びケイアイテイの間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われた上で決定された価格であること、(e)当社が本特別委員会から2022年11月24日付で取得した本答申書においても、本件端数処理交付見込額を含む本株式併合の取引条件は妥当であり、当社の少数株主にとって不利益なものではない旨判断されていること等を踏まえ、当社取締役会は、本件端数処理交付見込額及び本株式併合に係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であると判断いたしました。
以上より、当社は2022年11月25日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(当社の代表取締役会長である加藤光男氏と代表取締役社長である加藤光昭氏を除いた取締役8名)の全員一致での賛同により、本株式併合を当社株主総会に付議することを決議いたしました。
なお、当社の取締役のうち、代表取締役会長である加藤光男氏は当社の親会社となる見込みであるケイアイテイの代表取締役であり、また、代表取締役社長である加藤光昭氏はケイアイテイの筆頭株主であり、本株式併合に関して当社と構造的な利益相反状態にあるため、特別利害関係人として、当該取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において、本株式併合における取引関係者(加藤光男氏及び加藤光昭氏自身を含みますが、これらに限られません。)との間で本株式併合の取引条件等に関する協議・交渉にも一切参加しておりません。
④ 本株式併合後の経営方針
本株式併合の効力発生後も継続して、加藤光男氏は当社の代表取締役会長、加藤光昭氏は当社の代表取締役社長として経営にあたることを予定しており、上記「③当社における本株式併合を付議することを決議するに至った意思決定過程及び理由」に記載の営業活動支援サービスの提供拡大及びプロフェッショナル人財の育成・採用、ITを駆使した業務効率化、営業拠点網の拡大、M&Aによる業容拡大といった施策を推進するとのことですが、各施策については当社の担当部門と協議・調整の上、適切な時期に実施する予定とのことです。なお、当社の親会社となる見込みである、ケイアイテイと当社のその他の取締役との間では、本株式併合後の役員就任について何らの合意も行っておりませんが、本株式併合実施後の当社の役員構成を含む経営体制の詳細については、本株式併合の効力発生後、当社と協議しながら決定していく予定とのことです。また、本株式併合の効力発生後の当社の従業員については、原則として現在の処遇を維持することを予定しているとのことです。
2. 本株式併合の割合
当社株式について、1,306,780株を1株に併合いたします。
3. 1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
(1) 1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法
上記「1.株式併合の目的」の「(1)株式併合の概要」に記載のとおり、本株式併合により、当社の株主はケイアイテイのみとなり、ケイアイテイ以外の株主の皆様の保有する当社株式の数は、1株未満の端数となる予定です。
当該1株未満の端数に相当する数の株式については、当社株式が2023年3月6日をもって上場廃止となり、市場株価のない株式となる予定であることから、競売によって買付人が現れる可能性が期待できないこと等を踏まえ、会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項及び同条第4項の規定に基づき、裁判所の許可を得た上で、当社が買い取ることを予定しており、その買取りに係る代金を、1株未満の端数が生じた株主の皆様に対して交付する予定です。
この場合の買取価格につきましては、必要となる裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、基準株式数に7,424円を乗じた金額に相当する金銭が交付されるような価格に設定することを予定しております。但し、裁判所の許可が得られない場合や計算上の端数調整が必要な場合等においては、実際に交付される金額が上記金額と異なる場合もあり得ます。
(2) 当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠等
(i) 端数処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額の根拠及び理由
① 親会社等がある場合における当該親会社等以外の当社の株主の利益を害さないように留意した事項
本株式併合の実行に先立ちケイアイテイが当社の支配株主となることが予定されているところ、本株式併合が支配株主等との取引にあたる取引であり、構造的な利益相反の問題が存し得ることから、当社は、1株未満の端数が生じる場合の処理の方法並びに当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額の公正性の担保、本株式併合の実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本株式併合の公正性を担保し、ケイアイテイ以外の株主の皆様の利益を害さないよう、下記「(3)本株式併合の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」記載の措置を講じております。
② 端数処理の方法に関する事項
(a) 会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由
上記「(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法」をご参照ください。
(b) 売却に係る株式を買い取る者となると見込まれる者の氏名又は名称
トシン・グループ株式会社
(c) 当該者が売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法及び当該方法の相当性
当社グループは、本日現在、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却代金の支払のための資金に相当する額の現預金を有しております。また、当社において、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却代金の支払に影響を及ぼす事象は発生しておらず、今後発生する可能性も認識しておりません。したがって、当社は、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却代金の支払のための資金を確保する方法については相当であると判断しております。
(d) 売却する時期及び売却により得られた代金を株主に交付する時期の見込み
当社は、2023年3月下旬を目途に、会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所に対して、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式を当社が買い取ることについて許可を求める申立てを行うことを予定しております。当社は、当該裁判所の許可を得て、2023年4月下旬を目途に、当該当社株式を当社が買い取り、その後、当該売却により得られた代金を株主の皆様に交付するために必要な準備を行った上で、2023年6月の中旬から下旬を目途に、当該代金を株主の皆様に対して交付することを見込んでおります。
当社は、本株式併合の効力発生日から売却に係る一連の手続に要する期間を考慮し、上記のとおり、それぞれの時期に、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却が行われ、また、当該売却代金の株主への交付が行われるものと判断しております。
③ 端数処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の相当性に関する事項
上記の「(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法」に記載のとおり、本件端数処理交付見込額は、各株主の皆様の基準株式数に7,424円を乗じた金額となる予定です。
本件端数処理交付見込額については、上記「1.株式併合の目的」の「(2)本株式併合を実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本株式併合後の経営方針」の「③当社における本株式併合を付議することを決議するに至った意思決定過程及び理由」のとおり、(a)下記「(ⅱ)算定に関する事項」に記載されているストリームによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法による算定レンジの上限を上回り、DCF法による算定レンジの上位4分の1に位置する金額であること、(b)本株式併合の公表日の前営業日である2022年11月24日を基準日として、スタンダード市場における当社株式の基準日の直近取引成立日である2022年11月22日の当社株式の終値6,100円に対して21.70%、2022年11月24日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値6,024円に対して23.24%、過去3ヶ月間の終値単純平均値5,942円に対して24.94%、過去6ヶ月間の終値単純平均値5,893円に対して25,98%のプレミアムが加算されており、過去の類似取引事例におけるプレミアムの水準に照らして必ずしも不合理ではない水準のプレミアムが付されていると考えられること、(c)下記「(3)本株式併合の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の利益相反を解消するための措置が採られていること等、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、(d)上記利益相反を解消するための措置が採られた上で、本特別委員会及びケイアイテイの間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われた上で決定された価格であること、(e)当社が本特別委員会から2022年11月24日付で取得した本答申書においても、本件端数処理交付見込額を含む本株式併合の取引条件は妥当であり、当社の少数株主にとって不利益なものではない旨判断されていること等を踏まえ、当社取締役会は、本件端数処理交付見込額及び本株式併合に係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であると判断いたしました
以上のことから、当社は、本件端数処理交付見込額について、相当と判断しております。
④ 当社において最終事業年度の末日後に生じた重要な財産の処分、重大な債務の負担その他の会社財産の状況に重要な影響を与える事象
当社は、2022年11月25日開催の取締役会において、2023年3月7日付で自己株式3,468,125株(2022年8月20日時点で当社が所有する自己株式の全部に相当)を消却することを決議いたしました。なお、当該自己株式の消却は、本臨時株主総会において、本株式併合に関する議案が原案どおり承認可決されることを条件としており、消却後の当社の発行済株式総数は、7,937,275株となります。
(ii) 算定に関する事項
① 算定機関の名称並びに上場会社及びケイアイテイとの関係
本特別委員会は、本株式併合に伴う本件端数処理交付見込額の決定に関する意思決定の過程における公正性を担保するため、当社、当社の親会社となる見込みであるケイアイテイ並びに同社の代表取締役である加藤光男氏及び同社の筆頭株主である加藤光昭氏から独立した第三者算定機関であり、かつ関連当事者に該当しないストリームに当社の株式価値の算定を依頼し、2022年11月24日付で、ストリームより当該算定結果に関する株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンを取得いたしました。なお、本株式併合に係るストリームの報酬は、本株式併合の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本株式併合の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
② 算定の概要
ストリームは、当社株式がスタンダード市場に上場しており市場株価が存在することから市場株価法を、また、当社の将来の事業活動の状況を評価に反映させる目的からDCF法を用いて、当社株式の株式価値の算定を行いました。上記各手法を用いて算定された当社の普通株式1株当たりの価値の範囲は、以下のとおりです。
市場株価法 : 5,893円から6,100円
DCF法 : 6,003円から7,653円
市場株価法では、基準日を2022年11月24日として、スタンダード市場における当社株式の基準日の直近取引成立日である2022年11月22日の終値6,100円、直近1ヶ月間の終値単純平均値6,024円、直近3ヶ月間の終値単純平均値5,942円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値5,893円を基に、当社株式の1株当たりの価値を5,893円から6,100円までと算定しております。
DCF法では、当社が作成した2023年5月期から2025年5月期までの事業計画、当社の2023年5月期第1四半期における財務情報、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2023年5月期第2四半期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの価値を6,003円から7,653円までと算定しております。なお、継続価値の算定にあたっては永久成長率法を採用し、割引率は5.0%から7.2%、永久成長率は0%を採用して算定しております。
ストリームがDCF法の算定の前提とした当社の事業計画に基づく財務予測は以下のとおりです。
本株式併合の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、以下の財務予測には加味しておりません。
(単位:百万円)
2023年
5月期
(9ヶ月) 2024年
5月期 2025年
5月期
売上高 30,780 41,600 42,700
営業利益 1,247 1,870 2,160
EBITDA 1,495 2,170 2,490
フリー・キャッシュ・フロー 1,121 1,368 1,865
ストリームは、本特別委員会への株式価値算定書の提出に際して、当社から提供を受けた情報、一般に公開された情報等を使用し、それらの資料、情報等が全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。加えて、当社の財務予測については、当社の事業計画を担当する部門の従業員による作成及び加藤光男氏及び加藤光昭氏を除く担当取締役(以下、当該従業員及び当該取締役をまとめて「事業計画作成者」といいます。)の監督により当該時点で得られる最善の予測及び判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。
なお、ストリームは、株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報、一般に公開された情報等を使用し、それらの資料、情報等がすべて正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、当社の資産又は負債(偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、財務デュー・ディリジェンス、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。
また、ストリームは、本特別委員会からの依頼に基づき、本件端数処理交付見込額が、一定の条件(注4)のもとに、当社の株主にとって財務的見地から妥当である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)(以下、「本フェアネス・オピニオン」といいます。)を、2022年11月24日付で本特別委員会に対して提供しております。
(注4)本フェアネス・オピニオンは、上記の市場株価法・DCF法による株式価値算定結果に照らして、本件端数処理交付見込額である1株当たり7,424円が、当社の株主にとって財務的見地から妥当であることを意見表明するものです。なお、上記のとおり、DCF法の算定の前提とした当社の事業計画に基づく財務予測において、本株式併合の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、加味されておりません。
ストリームは、公開されている情報、当社より提供を受けた情報等を本フェアネス・オピニオンの意見表明にあたり、正確かつ完全なものとして採用しており、その正確性及び完全性につき独自の検証は行っておりません。また、ストリームは、当社の事業計画作成者がこれらの情報を重要な点で不正確又は誤解を招くものとする事実又は状況を認識していないことを前提としております。当社の事業計画については、当社の事業計画作成者によって現時点で入手可能な最善の見積り及び判断に基づき、合理的に準備、作成されていることを前提としております。ストリームは、当社の事業計画作成者が作成した事業計画の実現可能性について独自に検証は行わず、これらの事業計画に依拠しており、その内容及び基礎となる仮定に関して何らの意見を表明するものではありません。
本フェアネス・オピニオンにおける意見表明は、本フェアネス・オピニオンの日付までに入手可能な情報に基づいており、入手した情報を重大な誤りとする事実があった場合、又は今後の状況の変化により本フェアネス・オピニオンで表明される意見に影響を及ぼす可能性があります。ストリームは、当社の資産・負債(偶発債務を含む。)について独自に評価・鑑定を行っておりません。ストリームは、当社の資産又は施設の物理的検査を行う義務を負っておらず、また、破産手続、会社更生手続、民事再生手続、会社法の特別清算手続その他の倒産処理手続に適用される法律に基づいて当社の支払能力又は公正価値を評価しておりません。
本フェアネス・オピニオンの作成に当たってストリームが当社に要求した情報のうち、当社から情報の提供又は開示を受けられず、その他の方法によってもストリームが評価の基礎として使用できなかったものについては、ストリームは、当社の同意のもとで、ストリームが合理的かつ適切と考える仮定を用いております。ストリームのかかる仮定が重要な点において事実と異なることが明らかになった場合に、それが当社の将来の財務状況にどのような影響を及ぼすかについて、ストリームは独自の検証を行っておりません。
ストリームは、本株式併合が重要な条件の変更を伴うことなく適時に完了すること、当社又は本株式併合で想定される利益に悪影響を与える可能性のある遅延、制限又は条件が課されずに必要な政府及び規制当局の承認又は同意を得ることができること、またかかる承認及び同意の内容が、本件端数処理交付見込額に影響を及ぼさないことを前提としており、独自の検証を行っておりません。また、当社は、本件端数処理交付見込額に重大な影響を及ぼす契約書、合意書その他の文書を過去に取り交わしておらず、また、将来も取り交わさないことを前提としております。ストリームは、当社より提供又は開示を受けた情報のほか、本件端数処理交付見込額に重大な影響を及ぼす偶発債務又は簿外債務は存在しないことを、当社に確認の上、前提としております。
本フェアネス・オピニオンは、本株式併合の承認の是非について、本特別委員会に対して助言することを意図するものではなく、またかかる助言を構成するものでもありません。更に、本フェアネス・オピニオンは、本株式併合について、当社が利用又は実行できる可能性のある他の戦略又は取引と比較した場合の相対的な利点、あるいは当社が本株式併合を実行又は継続するにあたっての基礎となる事業決定について、意見又は見解を表明するものではありません。また、本フェアネス・オピニオンは、本株式併合又はそれに関連する事項に関し、株主の議決権行使や行動について、いかなる意見や提言を表明するものでもありません。ストリームは、当社の株式が本株式併合完了前に取引される価格、又は取引されるべき価格に関して意見を表明するものではありません。
ストリームの意見は、本フェアネス・オピニオンの日付時点で有効な財務、経済、市場その他の条件、及びストリームが入手可能な情報に基づいております。本フェアネス・オピニオンの日付以降に発生した事実は、本フェアネス・オピニオンの意見及びそれを準備する際に使用した仮定に影響を及ぼす場合がありますが、ストリームは本フェアネス・オピニオンを更新、改訂又は再確認する義務を負わないものとします。
(3) 本株式併合の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
本株式併合においては、本株式併合の実行に先立ちケイアイテイが当社の支配株主となることが予定されており、また、当社の代表取締役会長である加藤光男氏がケイアイテイの代表取締役であり、かつ当社の代表取締役社長である加藤光昭氏が同社の筆頭株主であり、その構造上、当社の取締役会と当社の少数株主との間で利益相反の問題が生じる可能性があることから、本株式併合に係る当社の意思決定に慎重を期し、また、当社の取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、以下の措置を講じております。
① 独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
上記「(2)当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠等」の「(ⅱ)算定に関する事項」に記載のとおり、本特別委員会は、本株式併合の決定に関する意思決定の過程における公正性を担保するため、当社、ケイアイテイ並びに同社の代表取締役である加藤光男氏及び同社の筆頭株主である加藤光昭氏から独立した第三者算定機関として独自に起用したストリームから株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンを取得しています。当該株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの概要については、上記「(2)当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠等」の「(ⅱ)算定に関する事項」の「② 算定の概要」をご参照ください。
また、ストリームは、当社及びケイアイテイの関連当事者には該当せず、本株式併合に関して記載すべき重要な利害関係を有していません。
② 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、本株式併合に係る当社取締役会の意思決定の過程における公正性及び適正性を確保するために、当社、ケイアイテイ並びに同社の代表取締役である加藤光男氏及び同社の筆頭株主である加藤光昭氏から独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を選任し、同事務所から、本株式併合に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けております。なお、TMI総合法律事務所は、当社及びケイアイテイの関連当事者には該当せず、本株式併合に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。本株式併合に係るTMI総合法律事務所の報酬は、本株式併合の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本株式併合の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
③ 当社における特別委員会の設置
当社は、本株式併合に係る当社の意思決定に慎重を期し、また、当社の取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、2022年9月30日、当社、ケイアイテイ並びに同社の代表取締役である加藤光男氏及び同社の筆頭株主である加藤光昭氏から独立した委員によって構成される本特別委員会(本特別委員会の委員としては、当社社外取締役である金子英男氏、当社社外監査役である阿久津正志氏(弁護士 阿久津総合法律事務所)、同じく社外監査役である光藤周一氏を選定しております。)を設置しました。なお、当社、ケイアイテイ並びに同社の代表取締役である加藤光男氏及び同社の筆頭株主である加藤光昭氏からの独立性を考慮した上で、金子英男氏は当社の社外取締役であり、当社の事業に一定の知見を有していること、光藤周一氏は、当社の社外監査役であり、当社の事業に一定の知見を有していること、阿久津正志氏は、当社の社外監査役であり、当社の事業に一定の知見を有しているほか、弁護士資格を有していることから、特別委員会の委員として当社の事業に知見を持ちつつ、弁護士としての専門性を活かして適切に諮問事項の検討等を行うことが可能であることから、特別委員会の委員として適切であると判断しました。また、当社は、当初からこの3名を本特別委員会の委員として選定しており、本特別委員会の委員を変更した事実はありません。なお、本特別委員会の委員に対しては、毎月固定額の通常の役員報酬のみ支払うものとされており、別途委員としての固有の報酬はありません。なお、当社取締役会は、本株式併合に関する決定を行うに際して本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本株式併合について妥当でないと判断した場合には、本株式併合を行う旨の意思決定を行わないことを併せて決議しました。また、当社取締役会は、本特別委員会に対し、(i)当社の費用負担の下、本株式併合に係る調査を行うことができる権限、(ii)本特別委員会自らケイアイテイ及びその他の取引関係者と協議・交渉する権限、(iii)当社の費用負担の下、特別委員会独自の弁護士、算定機関、公認会計士その他のアドバイザーを選任することができる権限、及び(iv)本株式併合に係る当社のアドバイザーを指名し、又は変更を求めることができるほか、当社のアドバイザーに対して必要な指示を行うことができる権限等を与えることを決定しました。
そして、当社は、本特別委員会に対し、(a)本株式併合の目的の合理性(本株式併合が当社企業価値の向上に資するかを含む。)に関する事項、(b)本株式併合の取引条件の妥当性(本株式併合の実施方法や対価の妥当性を含む。)に関する事項、(c)本株式併合の手続の公正性(いかなる公正性担保措置をどの程度講じるべきかの検討を含む。)に関する事項、(d)上記(a)乃至(c)その他の事項を踏まえ、当社取締役会が本株式併合の実施を決定することが少数株主に不利益か否か(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)の検討を行い、これらの点についての答申を当社取締役会に提出することを2022年9月30日に委嘱しました。
これを受けて、本特別委員会は、2022年10月7日開催の初回の本特別委員会において、TMI総合法律事務所について、その専門性及び独立性を確認の上、本株式併合に関する当社のリーガル・アドバイザーとして承認するとともに、本特別委員会としてもTMI総合法律事務所から必要な助言を受けることができることを確認しました。また、本特別委員会は、本株式併合の是非及び条件の妥当性を検討するにあたり、その透明性・合理性を確保するため、当社、ケイアイテイ並びに同社の代表取締役である加藤光男氏及び同社の筆頭株主である加藤光昭氏から独立し、かつ関連当事者に該当しないストリームを本特別委員会の第三者算定機関に選任しました。
本特別委員会は、2022年10月7日より同年11月24日まで合計9回開催されたほか、2022年11月24日まで相互に連絡を行い、本諮問事項について、慎重に検討及び協議を行いました。具体的には、当社から事業環境、経営課題、本株式併合の提案を受けた経緯、本株式併合の目的に関する説明を受け、質疑応答を行いました。また、ケイアイテイから本株式併合を提案するに至った経緯及び理由、本株式併合の目的、本株式併合により実現が期待される効果、本株式併合の諸条件等に関する説明を受け、質疑応答を行いました。更に、本株式併合における本件端数処理交付見込額の評価を行うにあたり、その公正性を担保すべく、自ら、当社、ケイアイテイ並びに同社の代表取締役である加藤光男氏及び、同社の筆頭株主である加藤光昭氏から独立した第三者算定機関であり、かつ関連当事者に該当しないストリームに当社の株式価値の算定を依頼し、2022年11月24日付で、ストリームより当該算定結果に関する株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンを取得するとともにストリームから当社株式の株式価値の算定方法及び結果に関して、質疑応答を行いました。また、本特別委員会は、事業計画作成者に対して、事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について説明を受け、質疑応答を行った上で、事業計画に一定の合理性があることを確認し、当該事業計画を承認しました。これらの内容を踏まえ、本特別委員会は、ストリームの算定結果を参考に、かつTMI総合法律事務所と議論を重ね、本諮問事項について慎重に協議及び検討を行いました。また、本特別委員会は、ケイアイテイとの間で本件端数処理交付見込額を含む本株式併合の諸条件について交渉を実施し、その結果についても本諮問事項の協議・検討において踏まえております。
本特別委員会は、このように本諮問事項について慎重に協議及び検討した結果、2022年11月24日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しました。
(a) 本株式併合の目的の合理性(本株式併合が当社の企業価値の向上に資するかを含む。)に関する事項について
(ア) 本株式併合の目的等
本特別委員会は、上記「1.株式併合の目的」の「(2)本株式併合を実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本株式併合後の経営方針」の「①本株式併合の背景等」、「②ケイアイテイによる本株式併合の提案の経緯・目的」及び「③当社における本株式併合を付議することを決議するに至った意思決定過程及び理由」に記載の事項の具体的な内容の当否・合理性、本株式併合が当社グループの従業員や取引先等に与える影響、及びこれらを踏まえた当社の企業価値向上の可能性等について、当社の役職員に対する質疑を通じ、詳細な検討を実施した。即ち、現在当社グループの置かれた経営環境の中、当社やケイアイテイがいかなる企業価値向上の施策案を構想し、それがどの程度具体的で実践的か、それを実現に移すために本株式併合を実施する必要性はあるのか、本株式併合の実施が当社の事業上どのようなメリットをもたらし、他方でデメリットの有無、程度はどのように想定されるか等を含めて、総合的に検証を行った。
その結果、本特別委員会としては、当社の判断に不合理な点は認められないと考えるに至った。
(イ) 小括
以上のような点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本株式併合の目的は合理的であると判断するに至った。
(b) 本株式併合の取引条件の妥当性(本株式併合の実施方法や対価の妥当性を含む。)に関する事項について
(ア) ストリームによる株式価値算定書及びフェアネス・オピニオン
本特別委員会が、当社、ケイアイテイ並びに同社の代表取締役である加藤光男氏及び同社の筆頭株主である加藤光昭氏から独立し、かつ関連当事者に該当しない第三者算定機関であるストリームから取得した株式価値算定書によれば、当社株式の1株当たり株式価値は、市場株価法によると5,893円から6,100円、DCF法によると6,003円から7,653円、とされているところ、本件端数処理交付見込額は、市場株価法による算定レンジの上限を上回り、DCF法による算定レンジの上位4分の1に位置する金額である。
そして、本特別委員会は、ストリームから株式価値評価に用いられた算定方法等について詳細な説明を受けるとともに、ストリームに対して評価手法の選択理由、割引率の算定根拠、永久成長率の算定根拠、当社の非事業性資産等に関する質疑応答を行った上で検討した結果、一般的な評価実務に照らして不合理な点は認められなかった。
また、本特別委員会は、当社からDCF法による算定の基礎となる当社の事業計画の内容について詳細な説明を受けるとともに、当社に対して事業計画作成のプロセス、各費目の内訳等に関する質疑応答を行った上で検討した結果、不合理な点は認められなかった。
加えて、本件端数処理交付見込額(7,424円)は、本株式併合の公表日の前営業日である2022年11月24日を基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日の直近取引成立日である2022年11月22日の終値6,100円に対して21,70%、2022年11月24日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値6,024円に対して23.24%、過去3ヶ月間の終値単純平均値5,942円に対して24.94%、過去6ヶ月間の終値単純平均値5,893円に対して25.98%のプレミアムが加算されており、過去の類似取引事例におけるプレミアムの水準に照らして必ずしも不合理ではない水準のプレミアムが付されていると考えられることを確認した。
また、本特別委員会がストリームから取得したフェアネス・オピニオンによれば、本件端数処理交付見込額は当社株主にとって財務的見地から妥当であるとされている。
(イ) 交渉過程の手続の公正性
下記「(c)本株式併合の手続の公正性(いかなる公正性担保措置をどの程度講じるべきかの検討を含む。)に関する事項について」記載のとおり、本株式併合に係る交渉過程の手続は公正であると認められるところ、本件端数処理交付見込額は、かかる交渉の結果も踏まえて決定されたものであると認められる。
(ウ) 公開買付けを前置せずに本株式併合を行うことの妥当性
本特別委員会は、ケイアイテイに対して、本件において公開買付けを前置せずに本株式併合を行う理由について質疑を行ったところ、当社の創業家一族が当社の総議決権の約80%超を保有しており、また、本株式併合の実行前に実施される本株式交付により、ケイアイテイは当社の発行済株式の約82.3%を保有することが予定されていることから、スクイーズアウトを実施するために公開買付けを前置する必要は必ずしもなく、また、仮に公開買付けを前置する場合、アドバイザー費用等の公開買付けの実施に係るコストが生じるほか、資金面の関係から買付者において借入をせざるを得ず、借入のコストが生じるところ、これらのコストは、買付者(買収目的で設立される会社)と当社との合併等を通じて結果的に当社が負担することになり、これらの当社の負担を考慮すると、公開買付けを前置する場合、少数株主に分配可能な金額が公開買付けを前置せずに株式併合を実施する場合に比べて限定的となり得るため、公開買付けを前置せずに本株式併合を実施することは合理的であると考えている旨の回答を得た。ケイアイテイによる上記回答に不合理な点は認められない。また、本件においては公開買付けを前置しないものの、本株式併合においては、株主が本株式併合に反対する場合(本件端数処理交付見込額に不満がある場合)には、法令上、一定の要件のもとで株式買取請求が認められており、買取価格について当事者間の協議が調わない場合には、株主は株式の価格の決定を求めて裁判所に申立てを行うことができる。
なお、本株式併合の実行前に実施される予定の本株式交付の概要及びスケジュールについて確認したが、問題は認められなかった。
(エ) 小括
以上のような点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、公開買付けを前置せずに本株式併合を行うことを含め、本株式併合の取引条件は妥当であると判断するに至った。
(c) 本株式併合の手続の公正性(いかなる公正性担保措置をどの程度講じるべきかの検討を含む。)に関する事項について
(ア) 当社による検討方法
本株式併合においては本株式併合の実行に先立ちケイアイテイが当社の支配株主となることが予定されており、また、当社の代表取締役会長である加藤光男氏がケイアイテイの代表取締役であり、かつ当社の代表取締役社長である加藤光昭氏が同社の筆頭株主であり、その構造上、当社の少数株主との間で利益相反の問題が生じる可能性があることから、本株式併合に係る当社の意思決定に慎重を期し、また、当社の取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、当社、ケイアイテイ並びに同社の代表取締役である加藤光男氏及び同社の筆頭株主である加藤光昭氏から独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を選任している。また、当社はTMI総合法律事務所の助言に従い、本特別委員会を組成するとともに、ケイアイテイの代表取締役である加藤光男氏及び同社の筆頭株主である加藤光昭氏は、当社における本株式併合に係る検討過程に関与させないこととしている。
また、本特別委員会は、TMI総合法律事務所の独立性及び専門性に問題がないことを確認し、当社のリーガル・アドバイザーとして承認している。
(イ) 第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
本特別委員会は、2022年11月24日付でストリームから当社株式に係る株式価値算定書及び本件端数処理交付見込額は当社株主にとって財務的見地から妥当である旨のフェアネス・オピニオンを取得している。
(ウ) 本特別委員会による協議・交渉
本特別委員会は、本件端数処理交付見込額について自らケイアイテイとの間で複数回にわたり協議・交渉を実施した。具体的には、本特別委員会は、TMI総合法律事務所を通じて延べ4回にわたり真摯な価格交渉を、ケイアイテイとの間で実施した。
そして、その交渉の結果として、7,424円という本件端数処理交付見込額の決定に至るまでには、6,800円とするケイアイテイの当初の提案より、624円の価格引上げを引き出している。
(エ) 本株式併合の交渉過程及び意思決定過程における特別利害関係人の不関与等
本株式併合の取引条件の協議・交渉は、上記「(ウ)本特別委員会による協議・交渉」に記載のとおり、本特別委員会が自ら行うこととした。
また、当社の取締役のうち、代表取締役会長である加藤光男氏は当社の親会社となる見込みであるケイアイテイの代表取締役であり、代表取締役社長である加藤光昭氏はケイアイテイの筆頭株主であり、本株式併合に関して当社と構造的な利益相反状態にあるため、特別利害関係人として、当社側において本株式併合に係る協議、検討及び交渉に関与していない。
その他、本株式併合に係る協議、検討及び交渉の過程で、ケイアイテイその他の本株式併合に特別な利害関係を有する者が交渉過程及び意思決定過程に不当な影響を与えたことを推認させる事実は認められない。
(オ) マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)条件
本株式併合において、当社は、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティ条件を本株式併合成立の条件とはしていないものの、当社の創業家一族が当社の総議決権の80%超を保有しており、また、本株式併合の実行前に実施される本株式交付により、ケイアイテイは当社の発行済株式の約82.3%を保有することが予定されていることを踏まえると、このような状況下においてマジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定すると、本株式併合の公表後に当社の株式を買い集める等により、少ない株式取得によって本株式併合を妨害することができ、企業価値の向上に資する本株式併合に対しても阻害効果を及ぼす懸念が高まることから、かえって少数株主の利益に資さない可能性もあること、及び本株式併合においては、当社の少数株主の利益に十分な配慮をすべく他に適切な公正性担保措置が実施されていると考えられることから、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されていないことのみをもって、適切な公正性担保措置が講じられていないと評価されるものではないと考えられる。
(カ) 本特別委員会の位置づけ
当社は、本特別委員会を当社取締役会から独立した合議体として位置付け、本株式併合に係る決定を行うに際して本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本株式併合について妥当でないと判断した場合には、本株式併合を行う旨の意思決定を行わないこととしている。また、当社は、本特別委員会に対して、ケイアイテイその他の取引関係者との間で本株式併合の取引条件等に関する協議・交渉を行う権限を付与している。
(キ) 小括
以上のような点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本株式併合においては適切な公正性担保措置が講じられており、本株式併合に係る手続は公正であると判断するに至った。
(d) 当社の取締役会が本株式併合の実施を決定することが少数株主に不利益か否かについて
上記(a)乃至(c)その他の事項を踏まえ慎重に検討した結果、当社の取締役会が本株式併合の実施を決定することは、当社の少数株主にとって不利益なものではないと判断するに至った。
④ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見
当社は、本特別委員会がストリームより取得した株式価値算定書及びフェアネス・オピニオン、TMI総合法律事務所から得た法的助言を踏まえつつ、本特別委員会(本特別委員会の構成及び具体的な活動内容等については、上記「③当社における特別委員会の設置」をご参照ください。)から提出を受けた本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本株式併合の諸条件について慎重に検討しました。
その結果、上記「1.株式併合の目的」の「(2)本株式併合を実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本株式併合後の経営方針」の「③当社における本株式併合を付議することを決議するに至った意思決定過程及び理由」に記載のとおり、当社取締役会は、本株式併合について、(ⅰ)本株式併合により当社の企業価値が向上すると見込まれるとともに、(ⅱ)本件端数処理交付見込額及び本株式併合に係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であると判断し、2022年11月25日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(当社の代表取締役会長である加藤光男氏と代表取締役社長である加藤光昭氏を除いた取締役8名)の全員一致で、本臨時株主総会に本株式併合を付議する旨を決議いたしました。
また、上記当社取締役会では、当社の社外監査役2名を含む3名全ての監査役が審議に参加しその全ての監査役が、当社取締役会が上記決議をすることに異議がない旨の意見を述べました。
なお、当社の取締役のうち、代表取締役会長であり、ケイアイテイの代表取締役である加藤光男氏及び当社の代表取締役社長であり、ケイアイテイの筆頭株主である加藤光昭氏は本株式併合に関して当社と構造的な利益相反状態にあるため、特別利害関係人として、当該取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において、本株式併合における取引関係者(加藤光男氏及び加藤光昭氏自身を含みますが、これらに限られません。)との間で本株式併合の取引条件等に関する協議・交渉にも一切参加しておりません。
4. 本株式併合の効力が生ずる日
2023年3月8日
以上