有価証券報告書-第33期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/25 9:39
【資料】
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【項目】
126項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、米国において個人消費を中心に緩やかな景気回復が継続し、欧州においても景気減速の底打ちが見られましたが中国及び新興国経済は減速いたしました。
わが国経済は、円安と公共投資に支えられたことに加え、消費増税前の駆込み需要もあったことから緩やかな景気回復を続けました。
当社グループを取巻く非鉄金属業界においては、自動車、及びスマートフォン・タブレット端末向け需要が引続き拡大し、パソコン等IT関連機器の買換え需要もありましたが、液晶テレビ等デジタル家電向け需要は低迷を続け、最終需要分野により明暗が分かれるまだら模様で推移いたしました。
このような経済環境のもと、当社グループの売上面においては自動車部品向けアルミ原料、空調機器向け伸銅品の輸出取引等が増加した一方で、プラント、船舶向けチタン、ニッケル製品の輸出取引、及びレアメタル・レアアースの取扱いが減少いたしました。とりわけレアアースにおいては市況低迷と主要取引先の在庫調整の継続により特に重希土類の売上が前期に比べ大きく落ち込みました。
利益面においては伸銅品等の輸出取引増加、及び国内連結子会社の増益に加え、第1四半期連結累計期間より連結を開始した国内連結子会社2社及び、米国めっき素材製造子会社の収益がレアアース取引の利益減少を大きく上回り増益となりました。また国内連結子会社の株式取得、及び事業譲受に伴う負ののれん発生益を特別利益に計上したことから当期純利益は大幅な増益となりました。
この結果、当連結会計年度における連結経営成績は、売上高183,749百万円(前期比11.5%増加)、営業利益3,484百万円(同6.0%増加)、経常利益3,600百万円(同24.5%増加)、当期純利益3,144百万円(同119.8%増加)となりました。
当連結会計年度におけるセグメントの業績は次のとおりであります。
・軽金属・銅製品事業
円安のフォローを受けて、期を通じて需要は堅調に推移いたしました。半導体素材はやや立ち遅れがあったものの、自動車、空調、大型自動二輪、航空機、及び住宅建材分野の取引はおしなべて好調を持続、国内の流通子会社、製造子会社も収益を伸ばしました。また当連結会計年度より連結子会社となりました大羽精研株式会社が連結利益に大きく貢献しました。
この結果、当セグメントにおける売上高は76,078百万円(前期比20.9%増加)、セグメント利益は1,632百万円(同121.9%増加)となりました。
・電子・機能材事業
太陽光発電関連部材は、電力買取制度の継続効果もあり堅調に推移し、また北米向け銅加工品、環境関連部材等の輸出取引は、米国景気の復調及び円安効果により伸長いたしました。成長分野であるスマートフォン、タブレット端末関連部材は、最終製品の販売動向の影響もあり期中では増減があったものの、通期では堅調に推移いたしました。一方、チタン・ニッケル製品の輸出は、中国、欧州向ともに低調に推移いたしました。
レアメタル・レアアースの分野では、自動車産業の需要回復を受けてタングステンの取扱いが前期に比べ増加いたしましたが、レアアースについては市況が大きく下落する中で、軽希土類の取扱いが在庫調整の一巡と自動車の生産増等により増加に転じました。一方、重希土類については材料メーカーにおける在庫調整が続いた結果、売上、利益共に前年同期に比べ大きく減少いたしました。なお、前連結会計年度に連結子会社化しました米国めっき材料製造会社が連結業績に貢献いたしました。
この結果、当セグメントにおける売上高は69,096百万円(同2.2%減少)、セグメント利益は1,654百万円(同13.3%減少)となりました。
・非鉄原料事業
非鉄原料は、国内景気の回復基調と円安効果により輸入アルミ合金塊、アルミ脱酸材、銅スクラップ、金属珪素、マグネシウム地金などの売上が大きく伸び、加えて第1四半期連結累計期間より事業を譲り受けたアルミスクラップを取扱う国内連結子会社の収益取込を開始したことにより売上が拡大いたしました。しかしながら利益面においては、輸入アルミ合金塊の主な需要先である国内自動車生産の成長鈍化傾向が強まったこと、及び供給元である中国国内の自動車生産拡大を背景に輸入価格が高止まりしたことに加え、円安と競合他社との競争激化で収益の低減を余儀なくされました。
この結果、当セグメントにおける売上高は33,406百万円(同29.4%増加)、セグメント利益は91百万円(同6.1%減少)となりました。
・建設・産業資材事業
消費税増税前の駆込み需要や東日本大震災後の復興需要によって、住宅投資・公共投資が増加し、民間設備投資も少しずつ回復してきた結果、国内における建設産業資材・配管機材類の取扱いは全体として好調に推移いたしました。また、円安効果により東南アジア・中東向け配管機材輸出や銅合金素材の輸出・海外取引も好調を維持し、香港・深セン地区での海外取引も増加した一方で、バルク貯槽や素形材の輸入取引は、円安によるコスト上昇により伸び悩みました。
この結果、当セグメントにおける売上高は13,054百万円(同9.6%増加)、セグメント利益は202百万円(同36.3%増加)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,722百万円増加し、12,765百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
キャッシュ・フローの状況
営業活動による
キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,992百万円の増加(前期比5,063百万円の減少)となりました。主な増加要因は税金等調整前当期純利益4,509百万円、のれん償却を含む減価償却費等1,358百万円、及び仕入債務の増加3,979百万円であります。また主な減少要因は売上債権の増加4,042百万円、たな卸資産の増加2,060百万円、法人税等の支払額572百万円、並びに国内連結子会社の株式取得及び事業譲受に伴う非資金収益である負ののれん発生益839百万円であります。
投資活動による
キャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、2,428百万円の減少(前期比6,947百万円の増加)となりました。主な減少要因は新規連結した国内子会社等における設備投資による有形固定資産の増加681百万円、投資有価証券の取得による支出645百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出720百万円、貸付による支出1,001百万円でありまとなりました。
財務活動による
キャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,414百万円の増加(前期比1,174百万円の減少)となりました。主な増加要因は短期借入金の純増加額1,950百万円、及び長期借入金の純増加額760百万円であります。また主な減少要因は社債の償還による支出600百万円、及び配当金の支払額388百万円であります。