有価証券報告書-第86期(平成25年3月1日-平成26年2月28日)

【提出】
2014/05/28 9:17
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【項目】
121項目

業績等の概要

(1)業績
①業績全般の概況
当連結会計年度(平成25年3月1日~平成26年2月28日)の小売業を取り巻く環境は、円安や株価の回復等を背景に高額商品の販売が好調に推移するなど景況感が徐々に改善したものの、4月の消費税率の引き上げを控え、日常のお買物に対する節約志向が依然として強く、また、商圏内における競合店の出店増による競争の激化など、先行き不透明な状況が続いています。
このような経営環境下、当社グループは中期3ヵ年経営計画「CAP-I(キャップアイ)」2年目の今年度を「新しい制度・仕組みを立案から実行へと移行させる年」と位置づけて、「ロジスティックス改革」を中核に据え「組織・人事制度改革」「グループ体制再構築」「MD改革」「費用構造改革」などの施策にグループを挙げて取り組んでまいりました。
「ロジスティックス改革」においては、7月に㈱デリカ・アイフーズの惣菜新工場を稼働させ、従来、多層階であった工場をワンフロアに集約して生産効率の向上を図りました。「組織・人事制度改革」では、役割基軸、成果重視の新人事制度を5月に導入いたしました。「グループ会社再構築」ではグループ会社の統合、事業譲渡を進めたことに加え、グループ各社の経営体制のスリム化を図りました。
中核企業のイズミヤ㈱では、新たに5店舗を出店するとともに、地域密着政策を基本とした既存店の活性化をすすめ、お客様満足の向上と各店舗の商圏内特性に合わせた店作りに取り組んでまいりました。同時に店舗の運営効率化にも引き続き取り組みました
これらの結果、当連結会計年度の業績は以下のようになりました。
平成26年2月期
前期比
営業収益341,921 百万円0.7 %減
営業利益3,562 百万円3.6 %増
経常利益2,730 百万円10.0 %増
当期純利益521 百万円7.7 %減

イズミヤ㈱は平成26年1月31日にエイチ・ツー・オー リテイリング㈱との株式交換による経営統合に合意し、平成26年3月26日開催の両社の臨時株主総会にて承認されました。今後、イズミヤ㈱はエイチ・ツー・オー リテイリンググループのなかで中核の事業会社として、関西エリアを中心に多様な業種業態、取扱商品群を揃えた総合小売サービス業グループを目指し、企業価値向上に取り組んでまいります。
各セグメントの概況は以下のとおりです。
<小売事業>物販子会社を含む小売事業の営業収益は3,279億51百万円 (前年同期比0.6%減)、営業利益は21億6百万円 (前年同期比0.7%減)となりました。
イズミヤ㈱では新たに5店舗を出店いたしました。3月にデイリーカナート尼崎店(兵庫県)を初の駅テナント店舗として出店したほか、9月にデイリーカナート深江橋店(大阪府)とデイリーカナート松原中央店(大阪府)をスーパーマーケット業態で出店いたしました。12月には、食品だけではなくノンフードも充実した2層型の生活便利店、デイリーカナート堀川丸太町店(京都府)を出店いたしました。また、コンビニエンスストアの利便性とスーパーマーケットの品揃えを融合した新業態店舗の「ファミリーマート×イズミヤ寺田町東店」(大阪府)を10月に出店し、従来のコンビニ商材に加え、惣菜や生鮮食品などの品揃えを充実させた協業店舗の実験を行っております。
既存店舗においては、西宮ガーデンズ店(兵庫県)、平野店(大阪府)、枚方店(大阪府)などの店舗を改装し、地域のお客様に合った商品構成の見直しや、売場什器の入れ替えなどを行いました。また、前年3店舗で実施した運営効率改善を六地蔵店(京都府)や若江岩田店(大阪府)など新たに10店舗で取り組み、後方業務を中心に運営体制の見直しを図りました。
ロジスティックス改革の取り組みにおいては、食品プロセスセンターを新たに設置し、11月より農産部門、平成26年3月より水産、畜産部門で加工やパック詰めなどの業務を開始いたしました。商品力の強化と店舗オペレーションの改善を図ることで、お客様にご満足いただけるボリューム感のある売場作りを行ってまいります。
カード戦略においては、従来のイズミヤクラブカードとプリペイド式電子マネーmiyoca(ミヨカ)の機能を一体化させた新イズミヤクラブカードを9月に新規導入いたしました。カード会員様の新カードへの切り替えを順次行い、平成26年2月末時点で約82万枚の切り替えが終了いたしました。
ネットスーパーの「楽楽マーケット」においては、6月に枚方店(大阪府)、8月に松原店(大阪府)、10月に泉北店(大阪府)で新たに開業したほか、10月より第2類医薬品の販売を開始しました。また、4店舗のサービスを近隣のネットスーパー店舗に機能移管しました。これらにより、ネットスーパーの展開店舗数は合計12店舗になりました。
商品面においては、食料品は時短・簡便商品を拡大するとともに、個食、規格量目への対応を強化しました。また、午後の要冷配送便で当日製造商品の品目数を拡大し夕方の販売を強化しました。衣料品はシニア向けの付加価値商材の売り込み、アパレルと靴・服飾との関連販売、UV関連商材などで住居関連商材との関連販売を強化しました。住居関連品では市場伸長商品や新商品・新機能商品の売り込みを強化するとともに、拡大するネット販売市場への取り組みを強化しました。
原価削減と低価格販売を実現する為にイズミヤ㈱、ユニー㈱、㈱フジの3社で共同開発したプライベートブランド商品「Style ONE 」では、新たな商品も導入し売上高は85億円になりました。また、価値訴求型の「Prime ONE」の品目数も拡大しました。従来からのプライベートブランド商品「good-i」などを含めた開発商品合計の売上高は289億円、売上構成比は10.8%になりました。
しかしながら各社の値下げ競争や商圏内の競合店出店が激化していることや、天候不順による衣料品の不調などにより、既存店売上高は前年同期比2.7%減、既存店客数は同2.5%減になりました。荒利益率については割引率が若干増加しましたが、値入率の改善などで前年水準を維持しました。
グループ物販各社では、㈱デリカ・アイフーズ(惣菜の製造販売会社)が新工場の稼働に伴い、当日製造商品を拡充して夕方の販売を強化したほか、時短簡便商品であるレンジアップ商品などの新規カテゴリーが売上を伸ばしました。また、夕食宅配サービス「夕食の宅み菜」は営業所を5ヶ所に拡大してエリア拡大を図りました。
中国事業の蘇州泉屋百貨有限公司では初期の店舗コンセプトを見直し、テナントの入れ替えや、飲食テナント誘致を行うとともに、店舗回遊性向上のための改装を進めました。そのような状況の中で、安全・安心な品揃えが中国蘇州市のお客様に支持され、直営の食品売場を中心に着実に売上高、客数を伸ばしました。
<小売関連サービス事業>小売関連サービス事業の営業収益は310億88百万円 (前年同期比10.9%減)、営業利益は15億95百万円 (前年同期比22.6%増)となりました。
㈱カンソー(総合ビルメンテナンス事業)は新たにコインランドリーを2ヶ所、リフォームショップを1ヶ所オープンし、生活者サービス分野で事業を拡大いたしました。また、デベロッパー事業としてグループホームを1ヶ所、新規事業としてフィットネスクラブを2ヶ所オープンいたしました。
イズミヤカード㈱ではクラブカード一体型の電子マネーmiyoca(ミヨカ)の導入で電子マネー収益が大きく伸長したほか、保険事業や国内旅行が好調なトラベル事業の収益が前年を上回りました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末と比較して7億5百万円増加し、81億78百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益14億25百万円、減価償却費54億83百万円であったことより、66億77百万円の収入(前期は88億2百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、新規出店及び店舗改装等に伴う有形固定資産の取得等により、40億13百万円の支出(前期は12億30百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済や社債の償還等により、21億8百万円の支出(前期は67億83百万円の支出)となりました。