有価証券報告書-第50期(平成25年3月1日-平成26年2月28日)

【提出】
2014/05/27 13:01
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【項目】
120項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国の経済環境は、政府による経済・金融政策推進を背景に、株式市場は好況が続き、企業収益や個人消費に改善がみられるなど、景気は緩やかな回復基調にあります。その一方で、消費税の増税、節約志向による消費低迷の懸念など、先行きは依然として不透明な情勢で推移してきました。
外食産業におきましては、個人消費に回復の兆しはみられるものの、原材料価格の高騰や、消費者需要の変化に対する営業施策の成否が業績の差となって表れ、業界内での業種・業態を超えた厳しい競争状態が依然として続いております。
このような状況の中、当社グループは『全員参加で企業体質を改革しよう』をスローガンに、強固な企業体質づくりに取組んでまいりました。
◆『5Sの徹底とお客さま満足度向上』
店舗のQSC(Q=クオリティ・S=サービス・C=クリンリネス)と、お客さま満足度向上のために、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」の5Sの徹底と、企業理念を共有する「未来創造塾」を継続し、2011年の開講以来、当連結会計年度末までに延べ24回の開催により、正社員とパート・アルバイト責任者の全員が受講し、「人づくり」の裾野を広げることができました。
◆『なぜ、なぜを5回繰り返し改善のスピードを上げる』
郊外型ロードサイド店の魅力アップと収益改善のため、横浜港南台店をモデル店舗と位置付け、新業態開発テストを実施しております。
お客さま好みの具材を追加できる「Myちゃんぽん」は、その場で炒める臨場感も楽しめることもあり、お客さまに好評で今後の展開に期待が持てます。生産部門においては佐賀工場及び鳥栖分工場に続き、富士小山工場においてもISO22000(食の安全・安心マネジメントに関する国際規格)を認証取得いたしました。この認証プロセスにより食品安全管理体制の監視と是正措置を繰り返すことで、継続的改善に寄与しています。間接部門においては、BPM(Business Process Management)を導入し、稟議起案や報告書ならびに申請書類をワークフロー化するシステムがほぼ全部門に浸透普及、スピード化とともに、さらなる少数精鋭体制に向けて、より効率的なシステム化を進めております。
◆『自主自立で独立採算を実践』
当連結会計年度における新たな取組みとして、「売上最大、経費最小、時間最短」という経営原則を基本に、採算管理単位としての細分化した小集団チームの単位で採算責任をとる経営管理システムを導入いたしました。
予算管理を「採算責任」として明確化し、目標数値を達成するための重点項目と、具体的施策をセットで管理しながら、経営トップと同じベクトルで「全員参加」することにより、盤石な経営基盤の構築に取組んでおります。
出店政策におきましては、国内では鳥取、島根、岡山各県への初進出により40都道府県まで拡大することができました。リンガーハット宇都宮ベルモール店などショッピングセンターを中心に35店舗を出店する一方、不採算店やリロケートにより18店舗を閉店いたしました。また海外では、初進出となる香港にリンガーハットアモイプラザ店を出店いたしました。
なお、当社は「8番らーめん」を主力に国内外でチェーン展開をする株式会社ハチバン(石川県金沢市、ジャスダック上場)との間で、経営ノウハウや経営資源を相互に有効活用しながら相互の企業価値向上を図り、今後の業務提携と将来的な共同持株会社設立に関する協議を行う目的で資本業務提携契約を締結、同社の発行済株式総数の9.51%(1,526千株)を取得いたしました。
以上により、当連結会計年度末では海外も含め合計650店舗(うちフランチャイズ店舗198店舗)となり、前連結会計年度比で18店舗の増加となりました。
売上高につきましては、長崎ちゃんぽん事業、とんかつ事業ともに値ごろ感のあるメニュー戦略や、季節商品の販売が好調に推移したことにより、当連結会計年度中の純既存店の売上高が、前年対比で102.0%、客数が105.1%となりました。
以上の結果、連結売上高(その他の営業収入を含む)は367億26百万円(前連結会計年度比16億53百万円増)、営業利益17億77百万円(同4億23百万円増)、経常利益16億71百万円(同4億38百万円増)、当期純利益7億7百万円(同75百万円増)と、増収増益を達成することができました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
<長崎ちゃんぽん事業>「長崎ちゃんぽんリンガーハット」では、国産野菜・国産小麦粉100%使用を前面に打ち出した販売促進や、店舗立地タイプ別にさまざまな営業施策を講じてまいりました。お客さまの来店頻度を増やす施策として、ワンコインの「海鮮とくちゃんぽん」の全店舗展開や、メニュー戦略により、純既存店の対前連結会計年度比売上高と客数は好調に推移いたしました。
また、下半期よりぎょうざに使用する豚肉などの具材を100%国産化した「日本のぎょうざ」へのリニューアルや、「野菜の日」キャンペーンなどのプロモーション実施により業績が向上してまいりました。さらに調理認定制度による調理教育の推進によって、お客さま満足度調査による「おいしさ満足度」が向上してまいりました。
新規出店では、ショッピングセンターを中心に海外を含め34店舗を出店し、リロケートを含む16店舗を閉店、当連結会計年度末の店舗数は545店舗(うちフランチャイズ店舗179店舗)となりました。
以上の結果、売上高は273億37百万円(前連結会計年度比13億60百万円増)、営業利益は10億62百万円(同1億39百万円増)と増収増益となりました。
<とんかつ事業>「とんかつ浜勝」では、『より多くのお客さまに、お食事の楽しさを味わっていただくために、おいしいとんかつ料理を、いつでもおなかいっぱい召し上がっていただく』ことを徹底して取り組んでまいりました。
前連結会計年度より導入したランチ対策は引き続き好調に推移し、当連結会計年度では、さらなる売上アップ施策として、お客さま健康志向ニーズに対応し、黒米入りの麦ごはんや、黒酢をブレンドした生野菜ドレッシングを導入するなど、品質を高める施策を実施してまいりました。
また、女性のお客さまをターゲットに手作りの「デザートビュッフェ」を追加したとんかつ専門店として、2013年7月に小金井公園店、2014年2月に久留米荘島店を改装し、付加価値を生む新業態開発にも取り組んでおります。さらに、季節商品の価格レンジ幅の拡大や、長崎郷土料理の卓袱でお口直しに供される「梅椀」をアレンジしたお汁粉や、こだわりのとろろ(ねばりっこ)などのサイドメニューの充実を図りました。このような多角的かつスピーディーな販売施策が奏功し、純既存店の前連結会計年度比売上高は、2012年6月から当期末まで21か月連続で前年を上回り通期で105.4%、客数も109.1%と好調に推移いたしました。
新規出店では、初の岡山県進出となる岡山倉敷店と、イオンモール羽生店(埼玉県)の2店舗を出店、不採算店2店舗を閉店した結果、当連結会計年度末における店舗数は104店舗(うちフランチャイズ店舗19店舗)となりました。
以上の結果、売上高は89億21百万円(前連結会計年度比3億16百万円増)、営業利益は5億92百万円(同2億93百万円増)と、増収増益を達成することができました。
<和食事業>「長崎卓袱浜勝」では、長崎の郷土料理「卓袱」を、観光客はもちろんのこと地元長崎の皆さまにも、気軽に楽しんでいただけるように、心のこもったおもてなしとともに、お手頃な価格で提供できる店づくりを心掛けております。当連結会計年度は、売上高は1億98百万円(前連結会計年度比4百万円増)、営業損失は4百万円(前連結会計年度営業損失10百万円)となりました。
<設備メンテナンス事業>設備メンテナンス事業は、当社グループ内直営店舗及びフランチャイズ店舗の設備メンテナンスに係る工事受注や機器保全などが主な事業であり、当連結会計年度は、売上高は15億2百万円(前連結会計年度比2億18百万円減)、営業利益は1億21百万円(同15百万円減)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ1億64百万円増加し、14億74百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は28億1百万円(前年同期比47.9%増)となりました。これは主に、税金等調整前利益が2億62百万円増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は14億3百万円(前年同期は△15億9百万円)となりました。これは主に、設備投資で9億86百万円、投資有価証券の取得で7億69百万円支出したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は12億52百万円(前年同期は1億51百万円)となりました。これは主に、有利子負債の返済によるものであります。