有価証券報告書-第46期(令和3年1月1日-令和3年12月31日)

【提出】
2022/03/30 16:00
【資料】
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【項目】
169項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める所存です。
①新型コロナウイルス感染症の影響について
新型コロナウイルス感染症においては、未だ日本国内での感染収束には至っておらず、また世界規模での拡大も続いております。今後も国内外における感染拡大により、当社グループの店舗や施設における一時休業や営業時間の短縮、旅行目的での諸外国からの入国制限措置による訪日外国人の減少などの状況が継続した場合、当社グループの経営成績および財政状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
なお、店舗においてはスタッフのマスクの着用、手洗い・消毒・健康管理の徹底を行うとともに、お客様同士およびお客様とスタッフとの十分な距離の確保、消毒液の設置、清掃の強化に取り組み、感染拡大防止に努めております。また、本社部門においては、在宅勤務を推奨しているほか、時差出勤、ウェブ会議システムの利用による接触機会の削減、健康管理を実施しております。
②原燃材料の市況変化について
当社グループの連結子会社シャディ株式会社は、カタログ及びチラシ等の資材調達を行っております。これらの資材調達においては安定的な調達とともに調達コストの引き下げに向けた取り組みを継続して行っておりますが、紙パルプ等の原材料市況が世界的な需要や原油等の燃料価格の動向の影響によって、当社の想定以上に高騰した場合、当社グループの経営成績および財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、原油等の燃料価格の高騰については、シャディ株式会社の事業特性としてギフト商品の発送等が伴うため、運送事業者等のコストが上昇する可能性があり、結果として当社グループの経営成績および財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
③取引諸外国とのカントリーリスクについて
当社グループでは、中国を中心にインドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシアといったアジア地域において、合弁会社によるECを含む店舗・施設の展開、現地企業への商品供給による事業ならびに現地における商品調達を行っております。従って、何らかの事由によって当該諸外国において政治・社会不安、経済情勢の悪化、法令政策の変更、外国為替相場の変動、日本に対する心証の悪化等によって当社グループが提供する商品に対する需要減退および訪日外国人観光客の大幅な減少等が生じた場合、当社グループの経営成績および財政状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
④売上高の季節変動の影響について
当社グループの連結子会社シャディ株式会社は、年間売上高の構成比として、中元期(6月~7月)および歳暮期(11~12月)の4か月における売上高が年間売上高の約50%と大きな比率を占めております。この期間において、地震、台風などによる大規模自然災害や、過去に例を見ない気象状況の変化、また中元歳暮商戦の商品施策の誤りなどにより売上高が計画を下回った場合には、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑤自然災害・事故・テロ紛争等によるリスク
当社グループでは、国内外に店舗、物流センター等の事業拠点を設置しており、大地震や台風、暴風雨、洪水その他の自然災害、予期せぬ事故、火災、テロ、紛争その他人災等が発生した場合、客数低下による売上減少のみならず、各事業拠点において物理的な損害が生じ、当社グループの販売活動・流通・仕入活動が妨げられる可能性があります。また、国内外において理由を問わず当社グループの取引先や仕入・流通・販売ネットワークに影響を及ぼす事象が発生した場合も同様に当社グループの事業に支障をきたす可能性があり、当社グループの経営成績および財政状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑥継続企業の前提に関する重要事象等について
当社グループは4期連続して営業損失を計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。しかしながら、当社グループは当連結会計年度末において現金及び預金10,819百万円を保有し、必要な運転資金を確保していることに加え、当該重要事象を解消するための対応策を以下のとおり、実施しております。
・国内リテール事業においては、当事業の主要顧客である海外からの訪日旅行客が大幅に減少する中で、インバウンド向けの店舗を閉店し、日本国内のお客様に向けた新業態の店舗展開や、お客様のニーズにお応えした商品の拡充および魅力的な店舗作りを進めております。
また、物流網の確立により、商品の保管コストの圧縮、機会損失の改善、DXを用いての人材育成を強化し、店舗運営の効率化を促進してまいります。SNSや自社ECサイト等のコンテンツを使い、新たな日本国内のお客様への周知や獲得に向けた取り組みを推進することにより売上拡大及び収益の改善を行ってまいります。
・海外事業においては、訪日出来ないお客様が、中国で日本の良いものを購入できるよう、ECサイトだけでなく、実際に商品を見て購入出来るよう、実店舗を出店いたしました。「LAOX SELECT」というコンセプトを掲げ、多店舗展開を目指し、中国での収益基盤の拡大を図ります。
また、昨年から開始した保税倉庫運営と共に、日本企業の中国進出や中国全土での商品販売を支援する事業を強化するとともに、中国で人気のある商品を日本に供給して当社グループの各企業が有する販売網での販売を展開するなど新たな事業にも取り組んでまいります。
・生活ファッション事業のギフト販売事業においては、新型コロナウイルスの影響により低迷していた婚礼や仏事需要反転の兆しが見えつつありますが、返礼ギフトの数、金額ともに伸び悩みがまだまだ継続しており、物流改革や販売管理費の圧縮など徹底したコスト削減により収益の安定化を図っております。
また、中元・歳暮などのフォーマルギフト需要の獲得のみならず、自家需要やカジュアルギフト需要においてもオリジナル商品開発の加速や、従来取り扱っていなかった商品カテゴリーやブランドの拡大などによる売上と収益の獲得を図るとともに、シャディのみならずラオックスの新商品をいち早くECサイトへ展開し、販売情報を全国の販売店網への商品展開にも活用するなど、EC事業への更なる経営資源の集中や優先的な投資による成長の加速を図ってまいります。
・アセット事業においては、引き続き既存運営施設の効率化を図り、施設へのテナント誘致や集客力のあるコンテンツの導入を積極的に行うとともに、施設の活用方法を柔軟に検討しながら収益改善に努めてまいります。
また、グループ遊休不動産の売却や転用を進め、より一層の収益改善に繋げてまいります。
・グループ組織横断でシナジー効果を高めるべく、当社グループ各企業の機能及び人材を最大限に活用し、効率的な商品の供給や、物流網を活用することにより、人件費・販売費一般管理費の削減を実施し、総コストを改善し、各事業において最大限の販売を行うことで確実に収益の改善を図ります。
以上により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
⑦情報システムや物流システムの障害が発生した場合の影響について
当社グループの情報システムについては、堅牢性の高い外部の情報センター内に格納するなど防災対策を講じておりますが、大規模自然災害の発生や外部からのハッキングによる攻撃などにより、情報システムや物流システムなどの中枢機能が破壊的な損害を受けた場合、出荷が不可能あるいは遅延することにより、復旧までの期間の売上高が低下する可能性があります。さらに、それらの設備機能の修復や代替のための費用が、損害保険により担保している金額を超えることになった場合に、巨額な資金が必要となる可能性があり、当社グループの経営成績および財政状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑧個人情報保護について
当社グループでは、店舗およびECにおける商品販売において、メンバーズ会員等多くの個人情報を保有しております。保有している個人情報については、社内管理体制を整備し、厳重に管理を行っておりますが、コンピュータ・システムのトラブル等による予期せぬ情報漏洩が発生した場合、当社グループは社会的信用を失うとともに、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループでは、「コンプライアンス委員会」および「グループ内部監査室」を設置し、当社グループの業務が法令順守の方針に沿って運営されているかを監査しております。
⑨商品の安全性について
当社グループでは、自社PB商品の開発・販売を行っており、何らかの事由によって当社グループが販売した商品に不具合等が発生した場合は、大規模な返品、製造物責任法に基づく損害賠償や対応費用の発生、信用失墜等により当社グループの経営成績および財政状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
なお、仕入に際しての品質基準の見直しや品質検査、適法検査等を強化し、安全な製品の供給に努めております。
⑩特定経営者への依存および幹部人材の確保について
当社グループは、代表取締役を含む役員・幹部社員等の知識・経験などがグループの経営、業務執行において重要な役割を果たしており、当社グループにおける重要な経営資源となっています。しかしながら、これらの役職員が何らかの事由によって退任、退職し、後任者の採用が困難になった場合、当社グループの経営成績および財政状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑪固定資産の減損について
当社グループでは、保有する資産に対して将来における価値の発揮を見込んだ上で、取得を行っておりますが、何らかの事由により将来キャッシュ・フローなどを算定し、減損損失の認識および測定を実施した結果によって固定資産の減損損失を計上する場合があり、当社グループの経営成績および財政状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑫在庫リスクについて
当社グループでは、国内外において店舗およびECでの商品販売を行っております。中でも、中国の越境ECにおいては、中国最大級のECセールスイベント「ダブルイレブン」をはじめ、年間を通じて重要なセールイベントが開催されます。その為、当該セール期間の前後において商品在庫が増加する傾向にあります。しかしながら、消費者需要の変化やカントリーリスクの発生等、予期せぬ事象が発生した際の売上への影響は大きく、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
なお、商品在庫については、商品の販売動向や在庫数量を徹底管理するとともに、販促およびイベント強化による、在庫リスクの軽減に努めております。
⑬M&Aや提携等に伴うリスクについて
当社グループは、事業の拡大・強化を目的として、M&A、組織再編、提携、売却等を行う可能性があります。対象企業については、リスク軽減のために入念な調査・検討を行っております。しかしながら、M&Aを行った後に偶発債務の発生や予期せぬ問題が発生することが考えられます。この場合、当社グループの経営成績および財政状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑭役員・社員の不正によるリスク
当社グループは、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンスおよびリスク管理を経営上の重要な課題と位置付けており、内部統制システム整備の基本方針を定め、同システムの継続的な充実・強化を図っております。業務運営においては役員・社員の不正および不法行為の防止に万全を期しておりますが、万一不正および不法行為が発生した場合、当社グループの経営成績および財政状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。