有価証券報告書-第46期(平成26年12月21日-平成27年12月20日)

【提出】
2016/03/22 11:20
【資料】
PDFをみる
【項目】
127項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における経済環境は、雇用・所得環境の改善傾向が続くなか、政府の景気対策や日本銀行の金融緩和政策を背景に、景気は緩やかな回復基調となりましたが、中国を始めとするアジア新興国等の景気の下振れ影響などの懸念もあり、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような環境の中、当社グループは「事業構造改革の断行と早期の収益改善」を図るべく、不採算事業・ノンコア事業の整理・縮小、主力となる株式会社ニッセンの収益回復、シャディ関連事業・ファイナンス事業の改革、セブン&アイ グループとのシナジー具現化に注力してまいりました。
当社グループは、付加価値の高い商品・サービスの強化を図るとともに、セブン&アイ グループのオムニチャネル戦略への参画及びグループ各社との協業により、新たな企業価値を創造することで成長と発展を図ってまいります。
当連結会計年度における当社グループの連結業績は、コマース事業の主力となる株式会社ニッセンにおける減収減益の影響や、前年にシャディ関連連結3社(シャディ株式会社及び同社の完全子会社である株式会社エニシル、スリーハート・コーポレーション株式会社を「シャディ関連連結3社」といいます)等一部連結子会社の決算期を変更したことにより、前連結会計年度の一部連結子会社の業績については15ヶ月間の会計期間を反映している影響に加えて、早期黒字化に向けた経営合理化策の一環として、大型家具事業からの撤退、希望退職の募集及び海外事務所の閉鎖等に伴う費用としての事業整理損4,835百万円、関係会社事業損失130百万円、並びにのれん償却額538百万円を特別損失として計上したことなどにより、売上高は157,289百万円(前年同期比24.5%減)、営業損失は8,159百万円(前年同期営業損失6,628百万円)、経常損失は7,363百万円(前年同期経常損失7,725百万円)、当期純損失は13,324百万円(前年同期当期純損失8,510百万円)となりました。
なお、当社の個別決算において、連結子会社である株式会社ニッセンの経営成績及び財政状態の悪化により同社の株式の実質価額が著しく低下したため、減損処理を行い、関係会社株式評価損として特別損失10,925百万円を計上するとともに、同社が債務超過であり、同社に対する当社債権等に対して、債務超過相当額2,719百万円を貸倒引当金繰入額として特別損失に計上いたしましたが、連結決算においては消去されるため、連結業績に与える影響はありません。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。なお、報告セグメントのセグメント利益又は損失は、経常利益ベースの数値であります。
(コマース事業)
コマース事業における売上高は152,446百万円(前年同期比24.4%減)、セグメント損失は7,718百万円(前年同期セグメント損失6,214百万円)となりました。
主力となる株式会社ニッセンにおきましては、付加価値の高い商品開発、ワーキングママ・ファミリーをコアターゲットとした顧客戦略の推進、L~10Lまで揃うレディースアパレルブランド「smiLeLand(スマイルランド)」のイトーヨーカドー協業モデル店舗の展開、インターネットシフトによるカタログ配布効率の改善等、業績回復に向けた事業構造改革を確実に進めるとともに、ニッセン商品(ネット注文限定)のセブン‐イレブン店頭受取サービスの開始等、お客様の利便性向上を図ってまいりました。売上高につきましては、2016年春号カタログに向けた商品開発体制の見直し中につき、プロモーション費用の最適化によるコスト効率の改善を図るべく、新規カタログ配布部数の削減を中心とした広告宣伝費及び販売促進費の圧縮を優先した結果、前年同期の実績を下回りました。営業利益につきましては、広告宣伝費及び販売促進費を含むコスト構造改革を推進してきた一方、前年秋冬以降の商品在庫の処分を優先したことに加えて、大型家具事業撤退に伴う商品在庫の処分による原価率の上昇などにより、前年同期の実績を下回りました。
シャディ関連連結3社におきましては、グループシナジーとしてイトーヨーカドー店舗にカタログギフト「アズユーライク」シリーズを設置、「いつもがうれしいおくりもの」をコンセプトとしたPB商品開発や食の宅配サービスなど商品・サービスの強化、共通ポイント導入による新規集客等を進めてまいりました。業績面につきましては、決算期を前年に3月31日から12月31日に変更したことに伴い、前年の業績については、15ヶ月間の会計期間を反映している影響に加えて、有店舗チャネルの減収や冠婚葬祭のフォーマルギフトの市場縮小等により売上高及び営業利益は前年同期の実績を下回りました。
なお、平成27年8月17日付公表の「早期黒字化に向けた経営合理化策の実施及びそれに伴う特別損失の計上に関するお知らせ」のとおり、コマース事業の株式会社ニッセンにおける将来的な損益改善の可能性について検討した結果、大型家具事業からの撤退を決定し、それに伴い、戦略コア事業へのリソース配分の強化及び全体組織体制のスリム化を図るための希望退職の募集、加えて海外事務所の閉鎖等の早期黒字化に向けた経営合理化策を決定いたしました。
(ファイナンス事業)
ファイナンス事業の売上高は1,159百万円(前年同期比7.6%減)、セグメント利益は886百万円(前年同期セグメント損失889百万円)となりました。
株式会社ニッセンライフにつきましては、お客様ニーズに合わせて複数社の保険商品を比較提案するWebサービスや対面チャネルの拡大により収益性向上を図ってまいりましたが、紙媒体での契約数の減少などにより売上高及び営業利益は前年同期の実績を下回りました。
持分法適用関連会社のニッセン・ジー・イー・クレジット株式会社につきましては、ポイントが貯まる「マジカルクラブTカードJCB」への切り替えが順調に推移し、ショッピング取扱高が増加しました。過払利息に係る返還請求件数は安定して推移したために貸倒関連費用が大幅に減少したことに加えて、繰延税金資産の計上の影響もあり、持分法による投資損益は前年同期の実績を上回りました。
(その他事業)
その他事業の売上高は3,710百万円(前年同期比32.9%減)、セグメント損失は25百万円(前年同期セグメント利益63百万円)となりました。
株式会社オリエンタルダイヤモンド及び株式会社トレセンテにつきましては、決算期を前年に9月30日から12月31日に変更したことに伴い、前年の業績については15ヶ月間の会計期間を反映している影響に加えて、前年の消費税増税前の駆け込み需要の反動影響等により低調に推移し、売上高及びセグメント損益は前年同期の実績を下回りました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
平成26年12月期平成27年12月期増減
営業活動によるキャッシュ・フロー△6,506△2,3014,205
投資活動によるキャッシュ・フロー△1,040△1,890△850
財務活動によるキャッシュ・フロー6,5462,615△3,930
現金及び現金同等物に係る換算差額2015△4
現金及び現金同等物の増減額△979△1,560△580
連結子会社と非連結子会社の合併に伴う現金及び現金同等物の増加額76△76
現金及び現金同等物の期末残高4,5132,952△1,560

当連結会計年度の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ、1,560百万円減少し、2,952百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、たな卸資産の減少額、売上債権の減少額、減価償却費の計上等がありましたが、税金等調整前当期純損失の計上、仕入債務の減少額等により2,301百万円の支出となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の売却による収入や投資有価証券の売却による収入等がありましたが、固定資産の取得による支出等により1,890百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出、リース債務の返済による支出等がありましたが、短期借入金の増加額により2,615百万円の収入となりました。