有価証券報告書-第44期(平成27年3月1日-平成28年2月29日)

【提出】
2016/05/26 15:08
【資料】
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【項目】
102項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府・日銀によるデフレ脱却を目指した経済金融政策に支えられ輸出型企業を中心に好調裏に推移した前半と、中国経済の減速と株安が世界のマーケットに波及した後半に分けられるといえます。為替が円安に振れる中、過去最高益に沸く企業が続出する反面、給与上昇が一部に限られ、少子高齢化の影響が徐々に消費マーケットに及び始めるなど、内需という観点では本格的な回復軌道に乗り切れないうえ、新年に入るとマイナス金利や為替相場の変動など難しい状況が続いております。
「爆買い」と呼ばれる現象が目を引き、一部で価格の上昇が見られたものの、食品においても日常生活用品においてもインフレ目標の達成には至らず、小売業においてはむしろネットとリアルの融合なども含めた業態の垣根を越えた消費者の奪い合いという競争が激しさを増しているといわざるをえません。
こうした状況下、当社グループは事業環境の変化に柔軟かつ機敏に対応していくため、「食品」、「ディスカウントストア」、「専門店」という3本の柱を事業分野として明確に掲げております。この考えのもと、当連結会計年度初めの3月には、専門店を一層強化することを目的に専門店4部門を㈱Olympicより分離独立いたしました。
これにより、食品及びディスカウントストアを営む㈱Olympic、専門店4部門をそれぞれ営む、㈱サイクルオリンピック(自転車)、㈱ユアペティア(ペット)、㈱おうちDEPO(DIY・ガーデニング)、㈱シューズフォレスト(靴)の4社及びPB自転車の開発を行う㈱OSCサイクルを中核とした体制が出来上がりました。当社グループではこのほか、小型のスーパーを営む㈱アバンセ、カー用品の販売等を行う㈱エムケイカーズ、ゴルフ用品販売の㈱OSCゴルフワールド、アウトレット品販売の㈱Kマートの各社、さらに惣菜製造の㈱オー・エス・シー・フーズを運営しております。また、ペット事業では㈱動物総合医療センターが動物病院を新座と平塚の2ヶ所で営み、さらに物流改革を進める㈱キララ、店舗開発を担う㈱データプラン、そして情報システム改革を推進する㈱スコア、設備の整備を担当する㈱フォルムと、小売業とそれを支える各種企業群の体制をとっております。
食品部門では、生鮮を中心に品質・鮮度・安全性においても価格の面においても、ご来店いただいたお客様に一点一点信頼していただける商品の提供と店作りに引き続き努めてまいりました。その基本のうえで、他社とは違う価値の創出と当社ならではの特長をどのように発揮していくのかに注力いたしました。特長ある店作りへの取り組みであるワインの専門店「Olympic CELLAR」は3店舗を数え、ソムリエの常駐する質の高い接客サービスは着実にお客様の広がりとご支持をいただいております。また、自家焙煎のコーヒーショップ「GRAIN COFFEE ROASTER」につきましても、Olympic港北ニュータウン店、Olympicおりーぶ東戸塚店に続き、Olympic平塚店の店内にも出店し、店内で焙煎された豆をOlympic全店舗で販売することも進めてまいりました。さらに、自社ブランドの和菓子の製造販売や、Olympic平塚店でのキッズコーナーを設けたファストフード店「PICCOLY」の拡充など、さまざまな面で特長作りに努めてまいりました。こうした取り組みが奏功し、食品部門の売上は年間を通じて前年実績を上回り続けました。
ディスカウントストア部門では、事業部のあり方を整理しなおして、平成27年9月1日より4事業部体制とし、日用消耗品を安くご提供するEDLP政策を徹底すると同時に、商品のより良い価値をアピールするよう努めました。
専門店部門は、平成27年3月1日に㈱Olympicより分社して、「Cycle Olympic」(自転車)、「Your Petia」(ペット)、「おうちDEPO」(DIY・ガーデニング)、「Shoes Forest」(靴)のそれぞれのブランドを社名に持つ専門会社として独立をいたしました。自転車事業では、PB商品の開発、販売に注力するとともに、専門技術者である安全整備士・技士の育成増員に努めました。これにより修理サービスの強化を図るとともに専門店としての地位を確実にするよう努めました。また、自転車専門の新店を2店舗出店するとともに、平成27年4月には綱島樽町店2階にスポーツ車専門の新業態「Velo Sportif」もオープンさせるなど、新しい試みにチャレンジしてまいりました。ペット事業では、ペット専門店のYour Petiaと動物の総合病院である動物総合医療センターによるタイアップ体制をとっており、総合病院ならではのノウハウと情報を共有することでお客様の支持拡大に努めております。また、平成27年12月にはオリジナルブランドの「パルトシュシュ」の猫用プレミアムフードの発売も開始し、物販とサービスと医療を連携させた総合ペットサービス店としての機能充実を図ってまいりました。DIY・ガーデニングの専門店「おうちDEPO」では、プロショップとして差別化に注力し、お客様の支持拡大に努めるとともに、一層のローコスト運営の徹底に努めてまいりました。また、靴の専門店「Shoes Forest」では、お子様からお年寄りまで安心して利用していただける幅広い品揃えの店作りを目指して努力してまいりました。
新店といたしましては、平成27年3月に「Cycle Olympic五反野店」、4月に「Cycle Olympic平塚駅前店」をオープンいたしました。また、既存店におきましてもお客様のニーズの変化に応えるため、専門店業態の売場拡大を含めた店舗のリニューアルを延べ12店舗において実施し、より良い店舗環境の整備に努めました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績といたしまして、売上高と営業収入を合算した営業収益は1,070億11百万円(前期比2.8%増)となりました。
利益面におきましては、競合店の価格訴求に対抗するための価格政策を継続したことなどから、売上総利益率は0.6ポイント低下したものの、物流改革による収入増もあり、営業総利益は364億38百万円(前期比1.5%増)となりました。
経費につきましては、人件費は増加したものの、販売促進費をはじめ、その他固定経費の削減にも継続して取り組みました結果、営業利益は6億93百万円(前期比84.0%増)、経常利益は4億74百万円(前期比111.1%増)となりました。
また、投資有価証券評価損や減損損失を計上した結果、96百万円の当期純利益(前期は3億40百万円の当期純損失)となりました。
なお、当社グループは、小売事業の割合が高く、小売事業以外の事業に関しては重要性が乏しいと考えられるため、セグメント情報の記載を省略しております。
(提出会社の業績)
当社におきましては、平成19年2月期に会社分割による持株会社体制に移行しております。
このため各事業子会社からの配当収入、不動産賃貸収入、管理受託収入等が収益の中心となっております。
以上の結果、当事業年度の経営成績は、営業収入は108億5百万円(前期比0.9%減)となり、営業利益は2億79百万円(前期比14.9%減)、経常利益は1億48百万円(前期比14.6%減)となりました。
また、投資有価証券評価損、貸倒引当金繰入額を特別損失に計上いたしました結果、76百万円の当期純利益(前事業年度は3億18百万円の当期純損失)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、37億45百万円と前連結会計年度末に比べ4億18百万円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、18億88百万円(前連結会計年度は38億41百万円)となりました。これは税金等調整前当期純利益2億41百万円に対して、減価償却費を21億6百万円、減損損失を1億90百万円計上し、仕入債務が6億70百万円減少したこと等が主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、20億80百万円(前連結会計年度は35億53百万円)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が13億35百万円、敷金及び保証金の差入れによる支出が8億12百万円あった反面、敷金及び保証金の回収による収入が4億86百万円あったこと等が主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、6億10百万円(前連結会計年度は7億10百万円)となりました。
これは主に社債の発行及び長期借入れによる収入があったこと並びに短期借入金の増減等を反映したものであります。