臨時報告書

【提出】
2020/03/26 15:48
【資料】
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提出理由

当社は、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じとします。)第179条第1項に規定する特別支配株主であるcross road株式会社(以下「cross road」といいます。)から、同法第179条の3第1項の規定による株式売渡請求(以下「本売渡請求」といいます。)の通知を受け、2020年3月26日開催の当社取締役会において、本売渡請求を承認することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の2の規定に基づき、本報告書を提出するものであります。

特別支配株主から株式等売渡請求の通知がされた場合又は当該株式等売渡請求を承認するか否かが決定された場合

1 本売渡請求の通知に関する事項
(1)当該通知がされた年月日
2020年3月26日
(2)当該特別支配株主の商号、本店の所在地及び代表者の氏名
商号 cross road株式会社
本店の所在地 京都市中京区三条通寺町東入石橋町11番地
代表者の氏名 代表取締役社長 西村昌史
(3)当該通知の内容
当社は、cross roadより、2020年3月26日、会社法第179条第1項に定める当社の特別支配株主として、当社の株主の全員(ただし、cross road及び当社を除きます。以下「本売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の全部(以下「本売渡株式」といいます。)をcross roadに売り渡すことを請求する旨の通知を受領いたしました。当該通知の内容は以下のとおりです。
① 特別支配株主完全子法人に対して株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称(会社法第179条の2第1項第1号)
該当事項はありません。
② 本売渡請求により本売渡株主に対して本売渡株式の対価として交付する金銭の額及びその割当てに関する事項(会社法第179条の2第1項第2号、第3号)
cross roadは、本売渡株主に対し、本売渡株式の対価(以下「本売渡対価」といいます。)として、その有する本売渡株式1株につき金1,720円の割合をもって金銭を割当交付いたします。
③ 新株予約権売渡請求に関する事項(会社法第179条の2第1項第4号)
該当事項はありません。
④ 特別支配株主が本売渡株式を取得する日(以下「取得日」といいます。)(会社法第179条の2第1項第5号)
2020年4月17日
⑤ 本売渡対価の支払のための資金を確保する方法(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第1号)
cross roadは、本売渡対価を、cross roadが保有する手元現預金により本売渡対価を支払うことを予定しております。
⑥ その他の本売渡請求に係る取引条件(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第2号)
本売渡対価は、取得日以降合理的な期間内に、取得日の前日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された本売渡株主の住所又は本売渡株主が当社に通知した場所において、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付されるものとします。但し、当該方法による交付ができなかった場合には、当社の本店所在地にて当社が指定した方法により(本売渡対価の交付についてcross roadが指定したその他の場所及び方法があるときは、当該場所及び方法により)本売渡株主に対して本売渡対価を支払うものとします。
2 本売渡請求を承認する旨の決定に関する事項
(1)当該通知がされた年月日
2020年3月26日
(2)当該決定がされた年月日
2020年3月26日
(3)当該決定の内容
cross roadからの通知のとおり、同社による本売渡請求を承認いたします。
(4)当該決定の理由及び当該決定に至った過程
cross roadが2020年2月3日から2020年3月17日までの30営業日を公開買付けの買付け等の期間として実施した当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)に関し、当社が2020年1月31日付で公表いたしました「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」(以下「本意見表明プレスリリース」といいます。)の「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本売渡請求は、本公開買付けの結果、cross roadが当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至ったことから、当社株式の全て(ただし、cross roadが所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社をcross roadの完全子会社とすることを目的とした取引(以下「本取引」といいます。)の一環として行われるものであり、本売渡対価は、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)と同一の価格に設定されております。
当社は、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、cross roadとの間において、本取引について、当社の企業価値の向上を図ることができるか、本取引における本公開買付価格その他の条件は妥当なものか等の観点から、複数回にわたり協議・検討を重ねてまいりました。当社グループの音楽事業部門においては、楽器・AVソフト等販売市場及び音楽教室市場の市場規模の縮小等の影響により売上高及びセグメント利益が減少傾向にあり、カルチャー事業部門においても、売上高及びセグメント利益は増加傾向にあるものの、カルチャー教室市場の市場規模が縮小傾向にあること等に鑑みると、今後も堅調に推移するとは断言できない状況にあります。そのため、当社としても、短期的な利益確保を重視する既存の戦略を推進するのではなく、中長期的な企業価値向上の観点から、それを阻害するあらゆる要因を検証しなおし、新たな戦略を採用・推進することが必要と考えております。そして、cross roadは、協議・交渉の過程において、当社グループについて、音楽事業部門が直面する課題に適切に対処しながら、好調のカルチャー事業部門における収益基盤を盤石なものとするための抜本的な改革を図る必要があること、その具体的な施策として、(ⅰ)大人向けの音楽レッスンの拡充、高齢者向けの音楽関連コンテンツの提供等の音楽事業部門の強化、(ⅱ)カルチャー事業部門における積極的投資、(ⅲ)若手社員育成の強化、(ⅳ)IT技術を活用した顧客対応等のオペレーションの強化、(ⅴ)Eコマースへの対応等の施策が考えられることを、当社に対して伝達し、当社といたしましても、それらの施策は、当社グループの中長期的かつ安定的な高収益企業となるために積極的に推進していくべき施策であり、かかる施策の実施には機動的かつ柔軟な経営体制の構築が望ましいと認識しております。
しかしながら、これらの施策は、当社の今後の収益性に不確実性を伴い、短期的には、利益水準の低下、多額の初期投資や継続的な投資によるキャッシュ・フローの悪化等による財務状況の悪化を招来するリスクがあります。そのため、当社が上場を維持したままこれらの各施策を実行した場合には、資本市場から十分な評価が得られない可能性があり、当社の株価の下落を招き、当社の株主の皆様に対して多大なる悪影響を与えてしまう可能性は否定できません。本日現在の当社の株価の水準を踏まえると、当社の株価がさらに下落した場合、当社株式の月間平均時価総額又は月末時価総額が有価証券上場規程第601条第1項第4号a本文に定める所要額(10億円)未満となり、東京証券取引所本則市場の上場廃止基準に抵触する可能性があります。他方で、上記のとおり、当社の置かれている事業環境を踏まえますと、早急に抜本的な対応策を実施することが必要であると考えております。
このような状況下において、当社としては、当社の株主の皆様に対して発生する可能性がある上記の悪影響を回避しつつ、抜本的かつ機動的な経営戦略を実践し中長期的な視点から当社の企業価値を向上させるためには、マネジメント・バイアウト(MBO)の手法により当社を非公開化するとともに、所有と経営を一定の範囲で一致させ、cross road、取締役及び従業員が一丸となって各施策に迅速かつ果敢に取り組むことができる経営体制を構築することが必要であると考えております。加えて、株式の非公開化を行った場合には、増加を続けていた上場維持コストを削減することができ、経営資源のさらなる有効活用を図ることも可能になると考えております。
なお、当社が株式の非公開化を行った場合には、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなり、また、上場会社として当社が享受してきた社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人材の確保及び取引先の拡大等に影響を及ぼす可能性が考えられます。しかしながら、当社の現在の財務状況や昨今の間接金融における低金利環境等に鑑みると、当面はエクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要性は見込まれず、近時の上場維持コストの上昇を踏まえると、今後も継続して株式の上場を維持することの意義を見出しにくい状況にあります。加えて、当社の社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人材の確保及び取引先の拡大等も事業活動を通じて獲得される部分がより大きくなっており、株式の上場を維持する必要性は相対的に減少していると考えております。したがって、当社取締役会は、株式の非公開化のメリットは、そのデメリットを上回ると判断いたしました。
以上を踏まえ、当社取締役会は、本公開買付けを含む本取引により当社株式を非公開化することが、当社の企業価値の向上に資するものであると判断いたしました。。
また、(i)本公開買付価格が、本意見表明プレスリリースの「(3)算定に関する事項」に記載されている株式会社KPMG FAS(以下「KPMG FAS」といいます。)による当社株式に係る株式価値の算定結果のうち、市場株価平均法に基づく算定結果を上回るものであり、また、DCF法に基づく算定結果のレンジの中央値を上回るものであること、(ⅱ)本公開買付けの公表日の前営業日である2020年1月30日の東京証券取引所市場第二部における当社株式の普通取引終値の1,272円に対して35.22%(小数点以下第三位四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じとします。)、直近1ヶ月間の普通取引終値の単純平均値1,274円(小数点以下四捨五入。以下終値の単純平均値の計算において同じとします。)に対して35.01%、直近3ヶ月間の普通取引終値の単純平均値1,273円に対して35.11%、直近6ヶ月間の普通取引終値の単純平均値1,265円に対して35.97%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となっていること、(ⅲ)本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が採られており、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、(ⅳ)上記公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が採られた上で、当社とcross roadの間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が行われ、より具体的には KPMG FASによる当社株式の株式価値に係る算定結果の内容や特別委員会との協議、北浜法律事務所から受けた法的助言等を踏まえながら、真摯かつ継続的に協議・交渉が行われた結果として提案された価格であること等を踏まえ、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して合理的なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
以上より、当社は、2020年3月26日開催の取締役会において、本公開買付けについて賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をいたしました。
その後、当社は、2020年3月18日、cross roadより、本公開買付けの結果について、当社株式765,834株の応募があり、その全てを取得することとなった旨の報告を受けました。この結果、2020年3月25日(本公開買付けの決済開始日)付で、cross roadの有する当社株式の議決権所有割合(注)は93.13%となり、cross roadは、当社の特別支配株主に該当することとなりました。
(注) 「議決権所有割合」は、当社が2020年1月31日に公表した「2020年3月期 第3四半期決算短信[日本基準](連結)(以下「当社第3四半期決算短信」といいます。)に記載された2019年12月31日現在の発行済株式総数(827,250株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(4,937株)を控除した株式数に係る議決権の数(8,223個)を分母として計算し、小数点以下第三位を四捨五入しております。
このような経緯を経て、当社は、cross roadより、本日付で、本意見表明プレスリリースの「3. 本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本取引の一環として、本売渡請求をする旨の通知を受けました。そして、当社は、かかる通知を受け、本売渡請求を承認するか否かについて、慎重に協議、検討いたしました。
その結果、当社取締役会は、(i)本売渡請求は本取引の一環として行われるものであるところ、当社は、上記のとおり、本取引を行うことが当社の企業価値向上に資するとの判断に至っており、当該判断を変更すべき特段の事情が見受けられないこと、(ⅱ)本売渡株式1株につき金1,720円という本売渡対価は、本公開買付価格と同一の価格であること及び本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本取引の公正性を担保するための措置が講じられていること等から、本売渡株主にとって合理的な価格であり、少数株主の利益への配慮がなされていると考えられること、(ⅲ) cross roadは、本売渡対価を、株式会社みずほ銀行からの1,947百万円を上限とした借入れ(以下「本銀行融資」といいます。)及びみずほ事業承継ファンド投資事業有限責任組合によるcross roadの優先株式の引受けによる500百万円を上限とした出資(以下「本優先株出資」といいます。)により調達した手元現預金により支払うことを予定しており、当社としても、本銀行融資に係る株式会社みずほ銀行作成の融資証明書及び本優先株出資に係るみずほ事業承継ファンド投資事業有限責任組合作成の出資証明書によりcross roadによる資金確保の方法を確認していること、また、cross roadによれば、本売渡対価の支払に支障を及ぼす可能性のある事象は発生しておらず、また今後発生する可能性は現在認識されていないとのこと等から、cross roadによる本売渡対価の支払のための資金の準備状況・確保手段は相当であり、本売渡対価の交付の見込みがあると考えられること、(iv)本売渡対価の交付までの期間及び支払方法について不合理な点は認められないことから、本売渡請求に係る取引条件は相当であると考えられること、(v)本公開買付けの開始以降本日に至るまで当社の企業価値に重大な変更は生じていないこと等を踏まえ、本売渡請求は、本売渡株主の利益に配慮したものであり、本売渡請求の条件等は適正であると判断し、本日、cross roadからの通知のとおり、本売渡請求を承認する旨の決議をいたしました。
なお、上記の当社取締役会においては、当社の取締役6名のうち、(i)代表取締役社長兼社長執行役員営業本部長である西村昌史氏は、cross roadの代表取締役としての地位を有しているため本取引に関して構造的な利益相反状態にあるため、特別利害関係人として、上記取締役会を含む本取引に係る取締役会の審議及び決議には参加しておりません。
加えて、(ⅱ)鈴木龍彦氏については、応募株主であるヤマハミュージックジャパンの従業員の地位を有しており、また(ⅲ)斎藤典子氏については、同社の出身者であるため、いずれも利益相反の疑いを回避する観点から、上記取締役会を含む本取引に係る取締役会の審議及び決議には参加しておらず、かつ、当社の立場で本取引の協議及び交渉に参加しておりません。
以 上