有価証券報告書-第42期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/26 11:37
【資料】
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【項目】
114項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成26年6月26日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、貸倒引当金、賞与引当金、退職給付に係る負債、役員退職慰労引当金の計上について見積り計算を行っており、その概要につきましては、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
(2) 財政状態の分析
①流動資産
当連結会計年度末の流動資産の残高は6,025百万円(前連結会計年度末は6,130百万円)となり、104百万円減少いたしました。その主な要因は、受取手形及び売掛金の減少(2,314百万円から1,967百万円へ347百万円の減少)及び前払費用の減少(886百万円から799百万円へ87百万円の減少)によるものであります。
②固定資産
当連結会計年度末の固定資産の残高は9,316百万円(前連結会計年度末は9,472百万円)となり、155百万円減少いたしました。その主な要因は、建物及び構築物の減価償却等による減少(1,186百万円から1,145百万円へ40百万円の減少)、のれんの償却による減少(506百万円から427百万円へ78百万円の減少)及び長期前払費用の減少(1,077百万円から853百万円へ223百万円の減少)によるものであります。
③流動負債
当連結会計年度末の流動負債は7,758百万円(前連結会計年度末は8,166百万円)となり、407百万円の減少となりました。その主な要因は、買掛金の減少(2,705百万円から2,625百万円へ80百万円の減少)、短期借入金及び1年内返済予定の長期借入金の減少(3,260百万円から3,038百万円へ222百万円の減少)、未払法人税等の減少(167百万円から114百万円へ53百万円の減少)によるものであります。
④固定負債
当連結会計年度末の固定負債の残高は、3,251百万円(前連結会計年度末は3,142百万円)となり、109百万円増加いたしました。その主な要因は、長期借入金の増加(1,831百万円から1,857百万円へ26百万円の増加)及びリース債務の増加(766百万円から933百万円へ166百万円の増加)によるものであります。
⑤純資産
当連結会計年度末の純資産合計4,332百万円(前連結会計年度末は4,293百万円)となり、38百万円増加いたしました。その主な要因は、利益剰余金の増加(3,221百万円から3,350百万円へ129百万円の増加)、自己株式の増加(△191百万円から△302百万円へ110百万円の増加)及びその他有価証券評価差額金の増加(△1百万円から18百万円へ19百万円の増加)によるものであります。
(3) 経営成績の分析
①売上高
自販機運営リテイル事業は、消費者の節約志向は根強く、アウトドアロケーションにおける低価格自販機との競争に加え、インドアロケーションにおいてもオフィスや工場を中心に厳しい販売状況となり、前連結会計年度に比べて1.4%減の20,393百万円、飲料製造事業も、3.1%減の11,042百万円、飲料サービスシステム事業は、低稼働・低収益の既存導入店舗の積極的なスクラップ・アンド・ビルドにより15.9%減の351百万円、不動産運用事業は、7.0%増の71百万円となりました。
②売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価につきましては、自社ブランド飲料の製造・販売を強化したことにより売上原価率は、前連結会計年度と比較して0.2%低下いたしました。
販売費及び一般管理費の売上高に占める比率は、前連結会計年度と比較して0.5%増加いたしました。その主な要因は、競争激化等による販売交付金及び販売促進費の増加によるものであります。
③営業外収益、営業外費用
営業外収益は、前連結会計年度に比べ18百万円減少し、88百万円となりました。その主な要因は、受取保険金の減少22百万円によるものであります。
営業外費用は、前連結会計年度に比べ21百万円減少し、104百万円となりました。その主な要因は、支払利息の減少9百万円によるものであります。
④その他
該当事項はありません。
(4) 経営戦略の現状と見通し
当社グループを取巻く環境、とりわけ自販機運営リテイル事業は消費税率の引上げにより、一層厳しさを増すものと考えております。しかしながら、消費税率の引上げについては収益構造改革のチャンスととらえて改革を進めてまいります。このような状況下、当社グループにおきましては、当社独自のビジネスモデルを展開することで他社との差別化を図ってまいります。具体的には、「フルライン自販機への集約」、「自主企画商品の強化」、「アオンズ・カードシステムによる差別化」及び「オフィスコーヒー等のコーヒーサービスの展開」に取り組み、自販機運営リテイル事業と飲料サービスシステム事業の収益拡大を図ってまいります。特に、フルライン自販機につきましては、飲料メーカー数台分の売れ筋商品を1台の自販機に集約することで、過剰に設置された自販機の消費電力の削減を図るとともに、景観保全にも積極的に取組んで社会的使命を果たしてまいります。
飲料製造事業におきましては、生産過程での燃料・電力料金の大幅な上昇により粗利益等が減少するなか、販売価格の引上げが急務となっております。今後は価格競争とは一線を画した付加価値の高い製品の製造を強化するとともに、仕入調達の見直しや物流経費の削減等により利益率の向上を図ってまいります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度と比較して、330百万円増加の1,071百万円のキャッシュを得ております。この主な理由は、税金等調整前当期純利益、減価償却費及び売上債権の減少による収入等がありましたが、たな卸資産の増加及び法人税等の支払い等による支出増によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して、359百万円減少し263百万円を支出しております。この主な理由は、定期預金の払戻しによる収入等がありましたが、有形固定資産の取得及び定期預金の預け入れ等による支出増によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度と比較して、342百万円減少し798百万円の支出となりました。この主な理由は、長期借入金の返済やリース債務の返済による支出及び配当金の支払によるものであります。
(6) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループにおきましては、常に消費者視点に基づき、利便性・経済性を重視した事業展開によって、収益・キャッシュフローを生み出す、システム的な事業体制と自販機運営のビジネスモデルを確立し、比較的市況変動の影響を受けずに安定的に付加価値を確保できるように努めてまいります。
当社グループが目指す自販機運営リテイル事業は、自販機の社会有用性を高めるとともに、消費電力等の環境負荷の低減を図り、消費者に対して総合力で応えられるマーケットインの事業構造に転換することであります。このためには、飲料メーカーの自販機部門や同業オペレーターとのパートナリングやアライアンスを通じて、ワンストップでシームレスなサービスを提供することが必要であると考えております。
現在わが国において、自販機による飲料及び食品の販売高は年間約2兆3,060億円であり、自販機ビジネスは重要な流通チャネルとなっております。同時に自販機業界の構造改革が社会的に要請されている中で、当社は将来にあるべき自販機ビジネスのあり方を見据え、社会との調和ある姿に業界全体をリデザイン(再設計)することにより、新たに成長機会を創出するべく、グループ経営を進めてまいります。