有価証券報告書-第57期(平成29年9月1日-平成30年8月31日)

【提出】
2018/11/30 9:01
【資料】
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【項目】
60項目

事業等のリスク

当社及び当社グループの事業に関連するリスク要因で、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項を、以下に記載しております。当社は、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の事前回避や管理の徹底を図るとともに、発生時の適切な対応に努めてまいります。
なお、記載された事項で、将来に関するものは、有価証券報告書提出日現在(2018年11月30日)、入手可能な情報に基づく当社の経営判断や予測によるものです。
(1) 経営戦略遂行上の固有(Specific)リスク
当社グループの経営戦略上の固有リスクとして、以下を認識しております。
① 経営人材リスク
代表取締役会長兼社長柳井正をはじめとする当社グループ企業経営陣は、各担当業務分野において、重要な役割を果たしております。これら役員が業務執行できなくなった場合、並びにそのような重要な役割を担い得る人材を確保できなかった場合、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 競合リスク
当社グループは、いずれの事業におきましても、一般消費者を顧客としていることから、常に商品やサービス、価格に関して、国内外の競合企業との間に厳しい競争状態にさらされています。そのため、顧客が当社グループの競合他社を選択するなどにより、事業競争力が相対的に低下した場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 生産の特定地域への依存リスク
当社グループの各事業で販売する商品の大半は、中国を始めとするアジア諸国等にて生産されています。そのため、当該生産国の政治・経済情勢、治安状態、法制度に著しい変動があった場合、工場従業員や港湾従業員によるストライキの発生、また地震、風水害等大規模な自然災害の発生などにより、商品供給体制に影響を及ぼす可能性があります。また、綿花やカシミヤ、ダウンをはじめとする原材料価格の高騰により、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 企業買収リスク
当社グループは、M&Aや事業提携等による事業の拡大を経営戦略のひとつとしております。対象企業や対象事業とのシナジー効果を追求し、事業ポートフォリオの最適化を図ることにより、グループ事業価値の最大化を目指してまいりますが、期待した収益や効果が得られないことにより、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 海外事業リスク
当社グループは、M&Aや事業提携等により事業拡大を図るとともに、グループ事業の海外展開を積極的に進めております。海外各国でグループ事業の多店舗展開を進め、海外事業のグループに占める売上高比率が高まるなかで、当該展開国における法令の変更、不利な影響を及ぼす租税制度の変更、予期しない政治的要因の発生、テロ・紛争等による社会的混乱、大幅な為替変動などが発生した場合、販売する商品が当該展開国の市場ニーズに合致しない場合、その他各国事業を円滑に運営できる優秀な経営者及び現地スタッフの獲得や育成が円滑に進行しない場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 為替リスク
当社グループの中核事業であるユニクロ事業の商品輸入の大半が、米ドル建となっております。日本向け商品輸入につきましては、当面3年程度の為替先物予約契約を締結し、輸入為替レートの平準化を図ることにより、仕入コストの安定化を図っておりますが、各国基軸通貨に対してドル高が急激に進む場合、中長期的ユニクロ事業の業績に悪影響を与える可能性があります。
(2) 一般(General)事業リスク
当社グループでの経営並びに事業運営上のリスクとして、以下を認識しております。
① 製造物責任リスク
当社グループでの事業は、日本及び海外各国において、製造物責任法をはじめ、医薬品関連法、消費者保護法、表示関連法など各種の法的規制を受けています。当社グループでは、各国の法的規制を網羅したグループ独自の品質管理基準に従い商品を企画・生産し、商品管理体制の整備に努めておりますが、当社グループ各社の販売する商品に、危険物の混入や染料に有害物質が含まれる等の重大な品質不良が発生した場合、全世界における商品リコールや顧客の健康被害への対処を要し、業績への悪影響及び顧客の信用低下を招く可能性があります。
② 営業秘密・個人情報漏洩リスク
当社グループは、通信販売等の事業を展開する上で、顧客情報(個人情報を含みます)や営業秘密等の機密情報を取扱っています。個人情報流出による企業経営・信用への影響を十分に認識し、当社グループの保有する機密情報の管理を徹底するために、情報セキュリティ室を設置し、各国IT部門・法務部門と連携しながら、営業秘密や個人情報(特に顧客情報)の適切な管理体制の構築・強化や、定期的な教育啓発活動等を行っておりますが、万が一機密情報の流出、消失が発生した場合、当該情報の回収や、顧客へのお詫び、損害賠償の支払等の対処を要し、業績への悪影響及び顧客の信用低下を招く可能性があります。また、欧州の個人情報保護規則であるGDPR等、国や地域間の個人情報の移転を制限する法的規制に違反したと当該行政から判断された場合、多額の課徴金による業績への悪影響及び顧客の信用低下を招く可能性があります。
③ 天候リスク
地球温暖化による暖冬傾向等により、綿花やカシミヤ等の原料が適時・適切に調達できない可能性がある他、当社グループで販売している商品の売上が減少し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 災害リスク
当社グループの販売する商品の生産工場や販売店舗、及びその周辺地域において、地震、火山の噴火、火災、風水害、爆発、建物倒壊等の災害が発生した場合、商品供給体制や販売体制に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 紛争・訴訟リスク
当社グループと、販売店舗の賃貸人やその他取引先、顧客との間に紛争や訴訟が発生した場合、当該紛争解決に多額の費用がかかり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 経済環境・消費動向の変化のリスク
当社グループの展開各国における経済環境や消費動向の変化により、商品の売上の減少や過剰在庫が発生し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。