有価証券報告書-第42期(令和2年5月1日-令和3年4月30日)

【提出】
2021/07/28 10:41
【資料】
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【項目】
150項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年7月28日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)新型コロナウイルス対応
新型コロナウイルス感染症は、わが国の経済活動や消費者の消費行動に大きな影響を与えております。今後新型コロナウイルス感染症の再拡大や収束が長引いた場合には製造商品の供給の遅延や店舗の休業、来客数・利用者の減少等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループにおきましては、店舗におけるソーシャルディスタンスの確保、お客様が接触される箇所の除菌、ウイルスを除去する紫外線除菌装置の導入等、お客様が安心してご来店いただける対策の実施と同時に従業員の安全の確保と雇用継続による生活の維持に配慮した休業手当を支給しております。また、政府等による雇用調整助成金をはじめ各種の助成金、補助金等の支援策や社会保険料等の延納制度を活用すると共に金融機関からの借入れにより手元資金の拡充に努める等、リスクの低減を図っております。
(2)継続企業の前提
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、業績が悪化しております。従いまして、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しておりますが、取引金融機関より資金の借入れを行い、必要な運転資金を確保するとともに、第三者割当による優先株式の発行及び劣後ローンによる資金調達等、純資産の拡充にも努めております(連結財務諸表等 注記事項(重要な後発事象)(第三者割当による優先株式の発行、定款の一部変更、資本金等の額の減少)及び(多額な資金の借入)参照)。
以上の状況により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
(3)事業運営上のリスク
① 原材料の高騰
自然災害、異常気象に伴う需給バランスの変動及び為替の変動により食材の安定的確保に支障が生じた場合、さらにコロナ収束後の世界景気の回復による需要拡大による食材の安定供給が見込めない場合、食材価格が高騰し、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。連結子会社の株式会社丸平商店については同社が取り扱う牡蠣の生産時期による価格変動の影響が顕在化しております。当社におきましては、原材料の調達において複数社、複数産地からの購買及びレシピの変更等によりリスクの分散を図っております。
② 出店
出店につきましては、立地条件、賃借条件及び店舗の採算性等を勘案し、決定しております。希望条件通りの物件が見つからない、店舗運営に必要な人材確保が困難等により出店が不可能な場合や出店先である商業施設等の閉鎖及び極度の集客力低下、近隣への競合店舗の出店等、出店後に環境が大幅に変化した場合におきましては、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。当社におきましては店舗開発部門において随時、開発事業者及び不動産会社から物件や当該物件周辺の状況等の情報を収集し、出店不可能や出店後の環境悪化の回避に取り組んでおります。
③ 新業態開発
当社グループは、「湯葉と豆腐の店 梅の花」「和食鍋処 すし半」「海産物居酒屋 さくら水産」を中心とした外食事業、「古市庵テイクアウト店」「梅の花テイクアウト店」等のテイクアウト事業にて業容拡大を図っております。これらに続く新業態の開発及び事業化が遅れた場合、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。当社におきましては新業態開発に支障や遅延の発生がないよう、営業部門とは別に新業態開発部門を設置しております。
④ 店舗の賃借物件への依存
当社グループは店舗展開にあたり、店舗の賃貸人との定期建物賃貸借契約等を締結、その内容に従い敷金・保証金及び建設協力金を差入れております。賃貸人の破産等により敷金・保証金及び建設協力金の回収が不能となった場合、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、賃貸借期間は賃貸人との合意により更新可能でありますが、賃貸人の事情により更新ができない場合があります。それに伴う計画外の退店により、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 固定資産の減損
当社グループは、キャッシュ・フローを生み出す最小の単位として、主に店舗を単位とし、遊休資産は個別の物件ごととし、同様の単位で減損処理の可否の判断をしております。固定資産の収益性低下による投資額の回収が見込めない店舗等の増加により多額の固定資産の減損損失が計上された場合、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 原状回復費用
店舗等の定期建物賃貸借契約等にて規定される原状回復義務において、原状回復工事費用が高騰した場合は、資産除去債務の再計算により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 有利子負債
当社グループの2021年4月期末の有利子負債残高は、217億28百万円で総資産に対する割合が77.2%と高い水準にあります。今後、有利子負債依存度が高い状態で金利が上昇した場合、当社グループの財政状況に影響を及ぼす可能性がありますが、営業キャッシュ・フローの状況に応じた設備投資総額のコントロール等により必要な対応を実施いたします。
(4)食の安全性
食中毒・健康被害等の重大事故の発生により、食品等の廃棄、営業許可の取消し、営業停止、信用の低下等により、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、コンプライアンス・危機管理委員会の下に食の安全委員会を設置し、グループ各社が品質管理等に関する情報共有をするとともに、内部監査室による定期的なグループ内店舗の衛生状態の点検を実施し、食中毒や異物混入等の事故防止に努めております。
(5)人材の確保
当社グループの円滑な事業運営の継続においては、パートタイマーを含めた人員確保及び人材育成が必要であります。新入社員の採用、中途社員の採用等、継続的な人材確保に注力しておりますが、計画通りの採用ができない場合、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループにおきましては、外国人技能実習生の採用、また、技能実習生の受け入れ団体の設立等により人材確保に取り組んでおります。
(6)顧客情報等のセキュリティ
当社グループは、梅の花が発行するポイントカード(梅の花Uカード)の入会申込書等の個人情報をデータベース化し、ダイレクトメール等の販売促進に活用しております。当該顧客情報データベースにつきましては、厳重に運用・管理しておりますが、不正及びハッキング等の発生等により顧客情報が漏洩した場合、損害賠償の発生や信用の失墜等により、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。当社はグループ全体のセキュリティ対策としてウイルス対策ソフトやソフトウェア更新による脆弱性解消に努めております。
(7)大規模災害、感染症
地震・台風・集中豪雨等の大規模な自然災害や感染症の発生、事故等による交通の遮断等によって、当社グループの製造、物流、販売及び情報管理関連施設等の拠点に甚大な被害が発生し、製造活動の停止や店舗の休業、交通網の遮断に伴う商品供給の遅延等、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、定期的な防災設備点検を実施、また、物流センターは3ヶ所、セントラルキッチンは4ヶ所、販売拠点については34都道府県に分散し、機能停止回避を意図した体制を構築しております。
(8)法令諸規制について
当社グループは事業活動において、食品衛生法、食品表示法、環境・リサイクル関連法規をはじめ、さまざまな法令諸規制の適用を受けております。これらの法令諸規制は将来において新設・変更・廃止される可能性があり、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性があります。