有価証券報告書-第32期(平成25年3月1日-平成26年2月28日)

【提出】
2014/05/30 9:09
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業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度(平成25年3月1日~平成26年2月28日)におけるわが国経済は、各種デフレ脱却及び経済成長施策を背景に、円安による輸出環境の改善や株価上昇により、緩やかな改善を見せています。消費マインドは好転し、高額品消費を中心に持ち直しの動きが出てまいりました。
しかしながら、生活関連消費へのお客様の節約意識は依然として高く、消費の基調は低い状況で推移しました。
このような状況の中、ドラッグストア業界においては、規模拡大に向けたM&Aの活発化や出店競争が激化するとともに、当業界のみならずネット販売や異業種・異業態との間においても価格にウェイトを置いた「同一・同質的な競争」も激化し、競争環境は今までとは異なった様相を呈してまいりました。
このことから業界各社は、規模拡大にアクセルを踏む一方で“差別化”に向け、(1)取扱い商品の拡大や自社開発商品の拡充、(2)新たなサービス分野への進出、(3)新規業態開発への取り組みと多様な業態展開による業態ポートフォリオづくり、(4)規模拡大・店舗数増加に対応できる経営インフラの構築とIT技術を使った販売促進システム導入、(5)収益力維持・強化のための業務見直し整備による「ローコスト化」への取り組み等に注力してまいりました。
当社グループにおきましても、この大きな変化、業界動向を踏まえ、“今まで”にとらわれることなくゼロベース視点から個々の店舗の「品揃えと売場の思い切った改革」に“商販一体”となって取り組んでまいりました。店舗ごとに地域の市場ニーズ、競争環境を把握し、単なる売上拡大の為の食品導入や取扱い商品の種類を増やすのではなく、地域のニーズとその地域における自社の役割を踏まえたキメ細かな商品展開、販売施策を講じてまいりました。
また、100%子会社である「株式会社スギ薬局」と「株式会社ジャパン」の経営統合により、スギ薬局とジャパン双方の業態深耕に努めるとともに、中長期視点から業態と店舗のポートフォリオ構築を目的として、店舗の出店・改装・閉店、そして、業態転換を積極的に推し進めてまいりました。
これにより、当期は、68店舗の新規出店、24店舗の閉店を実施し、当連結会計年度末におけるグループ店舗数は915店舗(前期末比 44店舗増)になりました。
更に、“現場・現実・現物”の変革を早期に実現し、次代においても健全成長するための経営基盤構築に向け、
(1)一昨年導入した地域別分権化組織の「運営体制の強化」
(2)部門別管理会計システム導入による「利益責任の明確化」
(3)店舗運営コストのより詳細な“見える化”による「ローコスト化の推進」
(4)組織と人事体系、制度見直しによる「組織運営体制の整備」
(5)経営者意識を持って事業・店舗を進化・拡大させていく「次代の経営幹部人材育成」
に注力してまいりました。
以上の結果、売上高は 3,652億円(前年同期比 6.3%増、215億87百万円増)、営業利益は 201億3百万円(同 9.1%増、16億81百万円増)となりました。経常利益は、営業外収益として有価証券評価益を計上したものの、当該評価益が前期よりも縮小したことにより、 218億65百万円(同 3.7%減、8億30百万円減)となり、当期純利益は 128億20百万円(同 1.5%増、1億90百万円増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① ファーマシー事業
ファーマシー事業は、調剤併設型ドラッグストアとして、医療機関の誘致や在宅医療における施設連携を強化するとともに、お客様・患者様のニーズ、そして、今日的な時代性に適合するため、調剤室の改装及び調剤待ち合い環境の改善に取り組んでまいりました。
また、地域の「美・健康・快適生活の総合サポート」をコンセプトとし、より地域密着した品揃えとサービスの拡充を行った新業態店舗の開発導入を行うとともに、薬剤師やビューティアドバイザーが、従来にも増して、お客様・患者様の立場・視点から専門性をより発揮できるよう、店舗環境と店舗運営体制づくり、そして、よりお客様に満足していただけるよう、実務に重きを置いた教育に取り組んでまいりました。
更に、店舗業務の基本の徹底、商品と売場の管理レベルアップに注力して品揃え品質を高めるとともに、店舗照明をLED照明へ切り替える等の店舗設備の省エネ化を推進し、店舗の営業力と収益力向上に向けてキメ細かな対応を行ってまいりました。
店舗の出退店については、63店舗の新規出店、17店舗の閉店を実施するとともに、既存店強化策として 111店舗の改装と9店舗のドラッグ事業への転換を行ってまいりました。そして、業態劣化・店舗老朽化をしないように店舗のスクラップ&ビルドを推し進め、店舗の時代適合性を高めてまいりました。
これにより、当連結会計年度末における店舗数は 755店舗(前期末比 37店舗増)となりました。
以上の結果、売上高は 2,891億91百万円(前年同期比 7.2%増、195億34百万円増)、売上総利益は 851億62百万円(同 8.8%増、68億79百万円増)、販売費及び一般管理費は 668億96百万円(同 8.4%増、51億72百万円増)、営業利益は 182億66百万円(同 10.3%増、17億7百万円増)となりました。
② ドラッグ事業
ドラッグ事業は、単なる価格訴求一辺倒でなく、「お客様にとって“選びやすい・買いやすい”売場づくり」、「お客様の生活ニーズに商品を結びつけた提案」をすることで、店舗で、「お客様に気づいていただき、商品購入動機を起こしていただける商品紹介・演出を行う“場”の拡充」に取り組んでまいりました。
また、平成26年1月、進化させたジャパン業態の第一号店を中部地区に出店し、同じエリア内におけるスギ薬局とジャパンの両業態ミックスによる店舗展開をスタートさせ、更なる地域ドミナント形成・地域シェア向上に向けて一歩を踏み出しました。
店舗の出退店については、5店舗の新規出店、7店舗の閉店を実施するとともに、既存店強化策として8店舗の改装と商勢圏内のシェア向上を目的にファーマシー事業から9店舗の転換を行いました。
これにより、当連結会計年度末における店舗数は 160店舗(前期末比 7店舗増)となりました。
以上の結果、売上高は 760億8百万円(前年同期比 2.8%増、20億51百万円増)、売上総利益は 156億64百万円(同 1.3%増、1億97百万円増)、販売費及び一般管理費は 127億75百万円(同 4.0%増、4億94百万円増)、営業利益は 28億89百万円(同 9.3%減、2億97百万円減)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、11億23百万円減少し、255億4百万円(前年同期比 4.2%減)となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、172億43百万円(同 29.8%増、39億61百万円増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が 211億87百万円となり、減価償却費が 49億94百万円、仕入債務の増加額が 34億43百万円あった一方で、たな卸資産の増加額が 40億12百万円、法人税等の支払額が 77億18百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、163億31百万円(同 23.9%増、31億54百万円増)となりました。これは主に定期預金の払戻による収入が 530億円、有価証券の償還による収入が 300億円あった一方で、定期預金の預入による支出が 570億円、有価証券の取得による支出が 340億円、新規出店等の有形固定資産の取得による支出が 66億13百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、20億35百万円(同 0.1%増、2百万円増)となりました。これは主に配当金の支払が 19億61百万円あったこと等によるものであります。