有価証券報告書-第37期(令和3年2月21日-令和4年2月20日)

【提出】
2022/05/13 9:16
【資料】
PDFをみる
【項目】
150項目

事業等のリスク

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性がある主な事項を記載しております。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、本稿においては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在(2022年2月20日)において判断したものであります。
(1)出店及び退店に関するリスク
当社グループは当連結会計年度末において、380店舗の展開を行っておりますが、そのほとんどはショッピングセンター内に賃借によるテナント出店を行っております。そのため、ショッピングセンターにおける集客力の変化により影響を受けるほか、大規模小売店舗の開設・営業を規制する法令の影響を間接的に受けております。
また、当社グループにおける新規出店はショッピングセンターの新規開設や、既存のショッピングセンターのテナント入れ替え状況に影響を受けるほか、出店契約形態において定期賃貸借契約が増加していることに伴い、契約期間満了時に当社の意思に反して契約更新できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 店舗賃借の契約に関するリスク
当社グループは店舗の大半で賃貸人に対し保証金を差し入れております。当連結会計年度末における差入保証金残高は、31億52百万円であり、破産・倒産等賃貸人に生じた事由により回収不能が生じた場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 競合に関するリスク
当社グループは「多核化ブランド戦略」のもと、アパレル事業及び雑貨事業において複数の業態単位でショップブランドを展開しており、それぞれの業態において競合する企業が存在しております。当社グループでは常に同業他社との差別化をはかる運営を心掛けておりますが、当社グループが出店する同一ショッピングセンターに競争力のある競合他社が多数出店した場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)ファッションサイクル等の流行の変化に関するリスク
当社グループは、ファッションの流行に左右されやすい商品を多く取り扱っており、季節商品の処分による損失が発生するため、業績変動の要因となります。当社グループではクイックレスポンス(早期追加生産)の体制を整えると共に、商品情報企画会社とも契約し、売れ筋商品の早期掌握を行い、また、アイテム管理を徹底しタイムリーな追加投入と不振商品の処分を進め、市場の変化に迅速に対応するよう努めておりますが、急激なファッションサイクルの変化が生じた場合、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 業績の季節変動に関するリスク
当社グループは、四半期単位で安定した売上並び
に利益の確保に努めておりますが、主力事業であるアパレル事業において、売上と利益の確保が難しい夏物最終処分と冬物最終処分の時期が、いずれも当社グループの下半期(8月21日~2月20日)に該当することから、通期の利益水準が上半期に偏重する傾向があります。そのため上半期(2月21日~8月20日)において業績が伸びない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)固定資産の減損会計に関するリスク
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。当連結会計年度における減損損失計上額は5億7百万円であります。これは、営業活動から生じる損益が継続して赤字等となっている店舗で固定資産簿価の回収ができないと判断した店舗を対象としております。当社グループはスクラップ&ビルド政策を推し進めておりますが、ショッピングセンターの環境変化等により減損会計の対象店舗が増加した場合、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(7)海外におけるリスク
当社グループが販売する商品は、中国を中心とした諸外国からの輸入品が大半を占めております。海外からの仕入条件は発注の都度決定しておりますが、為替相場の大幅な変動により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、中国以外のASEAN地域への取り組み強化などを進めておりますが、仕入先のある主要国における地域情勢等によっては当社グループの商品供給に影響を及ぼし、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(8)異常気象・自然災害及び、重篤な感染症等の流行によるリスク
当社グループでは、記録的な冷夏や暖冬などの異常気象や、大規模な地震や津波、台風や洪水等の自然災害の 発生のほか、新型インフルエンザ、新型コロナウイルス等の未知の感染症等の流行により、当社グループの業績 に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、「多核化ブランド戦略」の一環として天候に左右されに くい雑貨事業の育成、拡大に注力するほか、国内全域での出店拡大を進めることでリスクの分散化を図っており ますが、これら想定を超える規模で発生した場合は、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)情報セキュリティに関するリスク
当社グループでは、インターネット通信販売を行う過程で多数のお客様の個人情報を保持しております。当社グループでは、情報セキュリティ規程を定め、顧客情報を含めた社内情報に関する管理体制の強化と社員教育を実施し、社外への情報漏洩に対する対策を講じております。しかしながら、不測の事態により情報の流出・漏洩が発生した場合、事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)税務上の繰越欠損金に関するリスク
当社グループでは、当連結会計年度末において税務上の繰越欠損金が56億21百万円存在しております。これは法人税負担の軽減効果があり、今後も当該欠損金の繰越期間の使用制限範囲内においては納税額の減少により、キャッシュ・フロー改善に貢献することになりますが、当社の業績が順調に推移するなどして繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税等が計上されることとなるため、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(11)新型コロナウイルス感染症の流行によるリスク
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、変異ウイルスの流行など回復が緩慢になる恐れがあります。日本だけでなく中国等の海外での感染拡大で仕入面でのサプライチェーンの混乱も予測されます。また、当社グループではショッピングセンターへのテナント出店が多いことから、臨時休業等の措置が再び拡大、長期化することにより、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)継続企業の前提に関する重要事象等について
当社グループは、前連結会計年度(2020年2月21日~2021年2月20日)において、営業損失1,325,921千円、経常損失1,321,812千円、親会社株主に帰属する当期純損失1,880,926千円、重要なマイナスの営業キャッシュ・フロー1,155,954千円を計上し、前連結会計年度末の連結貸借対照表の純資産額は1,808,466千円、自己資本比率17.7%となりました。この結果、前連結会計年度末の1年内返済予定の長期借入金及び長期借入金の一部250,000千円に付されている財務制限条項に抵触する状況となりましたが、一旦、金融機関からは前連結会計年度末の状況による期限の利益の喪失に係る権利の放棄を得ております。
当連結会計年度(2021年2月21日~2022年2月20日)においては、新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言の長期化による影響が想定以上であったこと等により、営業損失709,581千円、経常損失674,885千円、親会社株主に帰属する当期純損失1,393,794千円、マイナスの営業キャッシュ・フロー158,578千円を計上し、当連結会計年度末の連結貸借対照表の純資産額は418,479千円、自己資本比率4.2%となりました。また、当連結会計年度末において、流動負債合計は7,498,506千円であり流動資産合計5,707,871千円を超過しております。この結果、当連結会計年度末の1年内返済予定の長期借入金の一部187,500千円に付されている財務制限条項に抵触する状況となりましたが、一旦、金融機関からは当連結会計年度末の状況による期限の利益の喪失に係る権利の放棄を得ております。
なお、各金融機関に対しては、2021年12月に当社グループの事業再構築計画等を説明し、2022年1月には全ての金融機関から、次回2022年5月末開催予定のバンクミーティングまで融資残高を維持することについての同意を得ております。このため、当連結会計年度末における短期借入金及び1年内返済予定の長期借入金の返済期日は2022年5月31日となっております。
以上により、当連結会計年度末において、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
このような状況を解消または改善するために、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(継続企業の前提に関する事項)」に記載した施策を実行してまいります。