有価証券報告書-第31期(平成30年6月1日-令和1年5月31日)

【提出】
2019/08/29 15:27
【資料】
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【項目】
157項目

事業等のリスク

当社グループの経営成績、財務状況、株価等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、事業の性質上、お客様の重要情報に接する機会が多く、かつ多くのお客様情報を保有しております。また、LCMサービスのひとつである使用済みIT機器の回収・データ消去サービスにおいては、お客様から回収した機器に多くの機密情報・個人情報が含まれております。
こういった情報セキュリティリスクに対し、強固な情報漏洩防止体制をとっております。具体的には、ISMS(ISO27001:情報セキュリティ・マネジメント・システム)による万全なセキュリティ、プライバシーマークの取得、ISO対策室の設置、セキュリティドア・セキュリティカメラ等による漏洩防止、外部からの不正アクセス等に対する情報システムの強化、社員教育を中心とした社内管理体制の強化、内部監査の定期実施などです。
当社グループでは、お客様情報の保護、管理に徹底して取り組んでおりますが、万が一、情報セキュリティに関する問題が発生した場合には、賠償費用の発生、当社グループの信用失墜による業績悪化が予想されるなど、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、2019年5月末のECサービス譲渡によりBtoBへの集中がほぼ完了いたしましたので、当社が重要な個人情報を扱うケースはほとんど無くなりました。
(2) IT技術の急激な革新・進化
クラウドコンピューティング、AI、IoT、RPA等、IT関連の技術革新のスピードは大変速く、一般的には、新製品・サービスの陳腐化、価格下落につながる可能性があります。また、パソコンにおいては、Microsoft社が提供するオペレーティングシステム(OS)が周期的な市況変動を超えた需給の変化を引き起こし、直近では2020年1月のWindows 7 サポート終了によるWindows 10 導入の急速な進展、機器の排出の増大、その後の反動減といった市場変化が見込まれております。当社グループではこれを大きなビジネスチャンスと捉えております。すなわち、「ハードウェア」「IT技術」のみならず、「物流・設備=全国のテクニカルセンター」を組み合わせた当社ならではのLCMサービスで独自の優位性を発揮し、継続的・安定的な収益拡大を目指します。また、AI・RPA等の革新的技術については、その積極活用を進めることにより技術進化を取り込み、当社LCMサービスの品質や優位性の拡大、新サービス創出を図っていく方針です。
しかしながら、想定を超える急激な変化・技術革新が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3) IT技術人材の確保
当社グループが持続的成長を達成していく上で、人材は極めて重要な課題であり、人材の確保と育成に取り組んでおります。2018年5月期の店舗事業の廃止、2019年5月期のEC事業の廃止についても、収益構造改革のための人材再配置、重点分野の人材育成を目的のひとつとしており、ITサービス分野やテクニカルセンター等へ配置転換し、育成が進んでおります。また、IT技術者を中心とした積極採用も実施しております。
しかしながら、人材の育成や確保が計画どおり進まなかった場合には、事業拡大の制約や競争力低下の要因となる可能性があり、当社グループの事業展開及び業績に影響を与える可能性があります。
(4) 与信リスク
レンタル取引は原則無担保で信用を供与する取引であり、取引先からレンタル料の金額を回収して初めて期待収益が確保されます。当社のIT機器レンタルは、中堅から大企業を中心とした優良な法人を中心にサービスを提供しており、与信リスクは低い状況にあります。また、万一、レンタル料の不払・倒産等が発生した場合、レンタル資産を速やかに回収し、他の取引先へレンタルを行うことにより可能な限りレンタル資産の収益化を図ることとしております。あわせて、新規取引時、及び既存取引先に対する継続管理を徹底して行うことで回収リスクの極小化に努めておりますが、予期しない取引先の倒産、景気減退等による信用悪化が発生し、レンタル債権の回収不能、又はレンタル資産の回収不能が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 使用済みIT機器に関連した業績変動リスク
当社が扱う使用済み機器の台数は、企業等からの排出市場の状況により影響を受けるとともに、その再生販売においても、個々の商品の品質等により販売価格が異なり、回収した商品構成により利益率が大きく変動します。こういった業績変動リスクに対処し持続的成長を達成するため、中期経営計画「SHIFT 2021」を策定し進めております。具体的には、レンタル・ITサービス拡大によるストック収益、サブスクリプション中心への構造改革を進めるとともに、使用済み機器に関しては、セキュアで適法・適切な処理サービスの訴求を行い、販売からサービス収益への転換を進めております。
また、再利用不可の危機については、バーゼル条約の規制強化や世界的な問題の認識拡大等によりリサイクル品等の輸出禁止が厳格運用され、プラスチックを多く含むIT機器の海外輸出が難しい状況となったことで、既存事業者のビジネスモデルは存続が難しく、近い将来、国内リサイクルを基本とする適正処分へ転換せざるを得ない可能性が高いと想定しております。当社はこれまでも再利用不可の機器について、当社の監査基準を満たす国内リサイクル企業との取引による適正処分を推進しております。
(6) 中古品等の法律に関するリスク
① 「古物営業法」
当社グループの事業は古物営業法第3条により許可を受けており、営業拠点ごとに各都道府県の公安委員会より許可証を取得し、事業を行っております。古物営業法の立法主旨は、盗品等の売買の防止と速やかな発見を図ることであり、当社グループにおいては、厳しい防止措置を施しております。
しかしながら、将来、当社グループが何らかの理由により同法に違反し、許可の取り消し及び営業の停止、刑事罰等の処分を受けた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
② 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」
当社グループの事業活動の結果として発生する廃棄物の中には、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に規定する「産業廃棄物」が含まれ、同法律の規制を受けることになります。
当社グループでは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に関する各種取扱いについて社員教育を徹底すると共に、物件回収から商品化又は廃棄に至るまでの工程を明確に規定化し、その取扱い遵守の状況については内部監査の実施、チェック体制を強化する等、法令遵守体制を整備し、全て遵守しております。
しかしながら、今後の法改正等に当社グループが対応できなかった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。