有価証券報告書-第152期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

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2016/06/27 9:04
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142項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループ(当行及び連結子会社)が判断したものであります。
当行グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で管理体制の強化に取り組み、発生の回避及び発生した場合の適切かつ迅速な対応に努める所存であります。
(1) 不良債権残高及び与信関係費用が増加するリスク
当行グループの平成28年3月末時点でのリスク管理債権額は115億円で、開示債権の貸出金に占める割合は1.60%と引続き低水準を維持しております。しかしながら、今後日本経済の減速や地域経済の景気後退及びそれに伴う需要の減少があった場合、地方経済にも悪影響を及ぼすことが予想されます。そのため当行グループの融資先の財務内容が悪化したり、倒産・事業閉鎖となった場合、債務者区分の変更により当行グループの不良債権及び与信関係費用が増加する可能性があり、その結果、当行グループの経営成績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 有価証券の価格変動に伴うリスク
当行グループの保有株式の多くは、取引先との間の良好な関係を構築又は維持することを目的としたものであり、その大半は市場性のある株式であります。今後大幅に株価が下落した場合、保有株式に減損又は評価損が発生する可能性があります。また債券運用については信用力の高いものを対象とし、且つ金利上昇局面にも対応できるよう分散投資を念頭としたポートフォリオの構築を行っております。ただし、急激なイールドカーブ(利回り曲線)の変動が生じた場合、想定外の評価損が発生する可能性があります。こうした市場変動による有価証券の価格変動リスクが顕在化した場合、当行グループの業績に悪影響を与えるとともに自己資本比率の低下を招く可能性があります。
(3) 金利変動リスク
当行グループの資金利益は、主に預金として受け入れた資金を貸出金や有価証券で運用して得ておりますが、調達資金と運用資金との間で、資金の満期や適用金利更改時期等に差異があるため、将来の金利動向等により資金利益が減少し、当行グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(4) 為替リスク
当行グループが保有する外貨建資産及び負債は、為替レートが変動した場合において、これら外貨建資産及び負債に係る為替リスクが相殺されないとき又は適切にヘッジされていないときは、損失の発生等により当行グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 上位大口株主の当行株式売却に伴うリスク
当行の上位大口株主の中には、保有株式を削減する目的で当行株式を売却する株主も予想されます。これらの上位大口株主による当行株式の売却が促進され、当行株式の市場売却が増加した場合には当行の株価は悪影響を受けて、当行の資金調達が一定の制約を受ける可能性があります。
(6) 退職給付債務のリスク
当行グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。年金資産の運用の結果が前提条件と異なる場合、又は割引率の低下等により前提条件が変更された場合、損失が発生する可能性があります。厚生年金基金の代行部分返上により、当行グループの年金費用は低下しておりますが、一層の割引率低下や運用利回りの悪化は当行グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) システムトラブルに伴うリスク
当行は、平成24年5月に、国内最大規模の基幹系システムの共同利用型センターである地銀共同センターに、基幹系システムを移行しました。共同化システムは、コンピュータシステムと通信ネットワークに大きく依存しており、災害や停電などにより通信ネットワークが機能しなくなった場合、またシステムトラブルの発生や外部からの不正手段侵入によるデータプログラムの破壊などで共同化システムが稼動しなくなる可能性があります。予想されるシステムトラブルへの対応として、東西2つのセンターと最新鋭のバックアップ機能を備えておりますが、システムの複雑化や高度化などにより予想外の障害が生じる場合もあり、その時には当行グループの経営成績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 各種の規制及び制度等(法律、政策及び会計制度等)に伴うリスク
当行グループは、現時点での法律、政策及び会計制度等の規制に従って業務を遂行しております。将来における法律、規制、実務慣行、解釈、財政及びその他の政策の変更並びにそれらによって発生する事態が、当行グループの業務遂行や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、どのような影響が発生しうるかについて、その種類・内容・程度等を予測することは困難であり、当行グループがコントロールしうるものではありません。
(9) 訴訟について
当連結会計年度末現在において、当行グループの事業その他経営全般に関し、重要な訴訟は提起されておりません。しかし、不特定多数の顧客と取引がある銀行業の特殊性から、将来にわたって重要な訴訟が提起される可能性が皆無とは言えません。重要な訴訟が提起された場合にはグループの経営成績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)自己資本比率が悪化するリスク
当行は、海外営業拠点を有しておりませんので、連結自己資本比率及び単体自己資本比率を「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第19号)に定められる国内基準(4%)以上に維持しなければなりません。
当行グループの自己資本比率が要求される水準を下回った場合には、金融庁長官から、業務の全部又は一部の停止等を含む様々な命令を受けることになります。
当行グループの自己資本比率に影響を与える要因には以下のものが含まれます。
・有価証券ポートフォリオの価値の低下
・不良債権の処分に際して生じうる与信関係費用の増加
・債務者の信用力の悪化に際して生じうる与信関係費用の増加
・自己資本比率の基準及び算定方法の変更
・本項記載のその他の不利益な展開
(11)繰延税金資産
繰延税金資産は、現時点の会計基準に基づき計上しておりますが、今後会計基準に何らかの変更があり、繰延税金資産の算入に何らかの制限が課された場合、あるいは繰延税金資産の一部または全部の回収が出来ないと判断される場合は、当行グループの繰延税金資産は減額され、その結果、当行グループの業績並びに自己資本比率に影響を及ぼす可能性があります。
(12)劣後債務
一定の要件を満たす劣後債務は、自己資本比率の算出において一定の限度で自己資本の額に算入することが出来ます。当行グループが、既存の劣後債務の自己資本算入期限到来に際し、同等条件の劣後債務に借り換えが出来ない場合、当行グループの自己資本比率が低下する可能性があります。
(13)経済状況
当行グループの貸出金の大宗を鳥取県内の中小企業及び個人が占めており、地域経済の低迷による中小企業倒産・個人破産の増減動向は、当行グループの業績、財務状況に影響を及ぼします。鳥取県内経済の景気後退、及びそれに伴う需要の減少は、鳥取県内の中小企業の倒産及び個人破産が増加するなどにより、当行グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(14)競争
近年の金融制度の大幅な規制緩和により、金融業界の競争が激化してきております。当行グループが、こうした事業環境において、他の金融機関などとの競争により優位性を得られない場合、当行グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(15)当行グループの営業戦略が奏功しないリスク
当行グループは、経営基盤強化のために、平成27年度から平成29年度までの3年間を計画期間とする中期経営計画「考動と開革Ⅱ 27-29」など様々な営業戦略を実施していますが、以下に記載したものをはじめとする様々な要因が生じた場合には、これら戦略が功を奏しないか、当初想定した結果をもたらさない可能性があります。
・貸出ボリュームの増大が期待通り進まないこと
・利鞘の拡大が期待通りに進まないこと
・手数料収入の増加が期待通りの成果とならないこと
・経費削減等の効率化が期待通りに進まないこと
(16)事務リスク
当行グループでは、業務運営にあたり事務規定等に基づき厳正な事務処理を徹底し、役職員による事務ミス・事故の発生や不正等の未然防止に努めておりますが、万が一事務事故や不祥事件が発生した場合、当行グループの信用が失墜し、グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(17)流動性リスク
当行グループの業務を行うにあたり、交換尻の決済等のため、一時的にコールマネー等、市場から資金を調達することがあります。その際、当行グループの信用力が低下する等により必要な資金が確保できなくなり、資金繰りがつかなくなる場合や、資金の確保に通常よりも著しく高い金利での調達を余儀なくされることにより損失を被る資金繰りリスクがあります。また、当行グループが保有する株式・債券等を売却するにあたり、市場の混乱等により市場で取引ができなかったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされたりすることにより当行グループが損失を被る市場流動性リスクも存在します。
これらのリスクに対しては、ALM委員会及びリスク管理部署等で適切に管理しておりますが、当行グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(18)顧客情報管理
当行グループでは、お客さまとのあらゆるお取引に伴い、数多くの顧客情報を保有しております。当行グループではこれらの顧客情報の大半をコンピュータシステムと通信ネットワークにより管理しており、お客さまのお取引等の管理や当行グループからお客さまへのご提案等に活用しています。
当行グループでは、顧客情報を適切に管理し利用するため、個人情報保護法等にも対応した顧客情報管理体制を整備し、役職員への教育や情報機器の充実等による顧客情報管理の高度化等、顧客情報管理を徹底しておりますが、予期せぬ事態により、情報漏えい、紛失、改ざん等が発生した場合、当行グループの信用が失墜し、グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(19)住宅ローン債権の証券化
当行は、平成17年3月に住宅ローン債権の一部を証券化しております。その際、対象債権のリスクを階層化しており、リスクの高い部分(劣後受益権)を当行が保有しているため、今後の金利動向、返済の状況によっては、将来の利益に影響を及ぼす可能性があります。
(20)格付について
当行は、外部格付機関より格付を取得しております。格付が引き下げられた場合、資金・資本調達に悪影響を及ぼす可能性があります。
(21)その他(自然災害、風評等)
上記の他、自然災害や風評により損害を被る可能性もありますが、現時点において、これらの発生確率や影響は予測困難であり、当行グループがコントロールできるものではありません。