有価証券報告書-第167期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/24 15:47
【資料】
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【項目】
135項目

事業等のリスク

当行及び当行グループ企業(以下、「当行」という。)の事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、当行は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
本項においては、当行の将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
1.信用リスク
(1)不良債権の増加
当行は、自己査定の厳格な運用を通じて、不良債権の処理等、資産の健全化に努めております。
しかしながら、国内外の景気動向、不動産価格及び株価の変動、当行のお取引先における経営状況の変動等によっては、当行の不良債権及び与信関係費用が増加するおそれがあり、その結果、当行の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)貸倒引当金の積み増し
当行は、貸出先の状況、債権の保全状況及び過去の一定期間における貸倒実績率に基づき算定した予想損失額に対して貸倒引当金を計上しております。
しかしながら、実際の貸倒れが、貸出先の状況、担保価値の下落、経済状況全般の悪化、またはその他の予期せぬ理由により貸倒引当金計上時点における見積りと大幅に乖離する可能性があります。この場合、当行は貸倒引当金の積み増しをせざるを得なくなり、当行の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)権利行使の困難性
当行は、不動産市場における価格の下落や流動性の欠如、有価証券の価格下落等の事情によって、担保権を設定した不動産もしくは有価証券を換金し、または貸出先の保有するこれらの資産に対して強制執行することが事実上困難となる可能性があります。
2.市場リスク
当行の主要業務である預金、貸出、有価証券投資、並びに国際業務等を通じて形成された当行の資産・負債は、金利や株価、為替レート等市場のリスクファクターの変動によって影響を受ける可能性があります。
具体的なリスクは以下のとおりです。
(1)金利リスク
金利リスクとは、金利の変動に伴い損失を被るリスクです。
当行では金利リスクを管理しながら慎重な運営を行っておりますが、資金運用と資金調達に金利または期間のミスマッチが存在している中で金利変動が発生した場合は、損失を被る可能性があり、当行の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)価格変動リスク
価格変動リスクとは、有価証券等の価格の変動に伴い資産価値が減少するリスクです。
当行は株式等の有価証券を保有しており、大幅な株価下落等が発生した場合には、保有有価証券に減損または評価損が発生し、当行の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)為替リスク
為替リスクとは、為替の変動に伴い、資産価値が減少するリスクです。
当行は、外貨建取引については為替リスクを管理しながら慎重な運営を行っておりますが、保有する外貨建資産・負債の為替リスクが相殺されないとき、または適切にヘッジされていないときに為替レートが変動した場合には損失を被る可能性があり、当行の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
3.流動性リスク
当行は、適切な流動性管理に努めておりますが、当行の業績及び財務内容等が悪化した場合や、当行への悪意のある風評が発生した場合、または本邦金融機関に大規模な金融システム不安が発生した場合などには、必要な資金を確保できなくなったり、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることによって損失が発生し、当行の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
4.事務リスク
当行は、預金・為替・貸出などの銀行業務に加え、クレジットカード業務など幅広い業務を行っております。
これら多様な業務の遂行に際して、役職員による不正確な事務、あるいは不正や過失等に起因する不適切な事務が行われることなどにより、損失が発生し、当行の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
5.システムリスク
当行は、基幹系システムをはじめとした様々なコンピュータシステムを利用し、業務を運営しております。コンピュータシステムの停止(大規模災害によるものを含む)または誤作動等の障害が発生した場合やコンピュータが不正に使用された場合、業務の停止及びそれに伴う損害賠償、行政処分等により、当行の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
6.経営統合に関するリスク
当行の親会社の株式会社じもとホールディングス(以下、「じもとホールディングス」といいます。)は、平成24年10月1日、当行と株式会社仙台銀行の共同株式移転により設立されました。
じもとホールディングスグループは、広域的な店舗・営業ネットワークを活かして、「お客様に喜ばれ、信頼され、『じもと』とともに進化・発展する新たな金融グループを創設する」ことを目指し、統合効果を最大限発揮すべく努力しております。
しかしながら、当初期待した統合効果を十分に発揮できないことにより、結果としてじもとホールディングスグループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
統合効果の十分な発揮を妨げる要因として以下が考えられますが、これらに限られません。
・サービス・商品開発の遅れ、顧客との関係悪化、対外的信用の低下、効果的な人員・営業拠点配置の遅延、営業戦略の不統一を含む様々な要因により収益面における統合効果が実現できない可能性
・じもとホールディングスグループの経営統合に伴うサービス、商品、業務及び情報システム、営業拠点並びに従業員の再配置等により想定外の追加費用が発生する可能性
・じもとホールディングスグループの資産及び貸出債権等に関する会計基準、引当金計上方針、内部統制、並びに情報開示の方針及び手続その他の基準を統一することによって、追加の与信関係費用その他の費用や損失が発生する可能性
7.自己資本比率
当行は、連結自己資本比率及び単体自己資本比率を「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第19号)に定められた国内基準(現時点では4%)以上に維持することを求められておりますが、当行の自己資本比率が要求される水準を下回った場合には、監督当局から、業務の全部または一部の停止等を含む様々な命令を受けることになります。
当行の自己資本比率に影響を与える主な要因として以下のものがあります。
(1)繰延税金資産
繰延税金資産は、現時点におけるわが国の会計基準に基づき、一定の条件の下で、将来実現すると見込まれる税金負担額の軽減効果として貸借対照表に計上することが認められております。当行は、現時点において想定される金融経済環境等の様々な予測・仮定を前提に将来の課税所得を合理的に見積り計上しておりますが、実際の課税所得が想定と異なること等により、繰延税金資産が減額された場合、当行の業績及び財務状況に悪影響を及ぼし、自己資本比率の低下を招く可能性があります。
(2)劣後債務
一定の要件を満たす劣後債務は、自己資本比率の算定において補完的項目として一定限度を自己資本の額に算入することが認められております。しかし、市場環境の変化等により自己資本算入期限の到来した劣後債務の借換えが困難になった場合には、当行の自己資本の額に算入される劣後債務の額が減少し、自己資本比率の低下を招く可能性があります。
(3)その他
その他自己資本比率に影響を与える主な要因として以下のものがあります。
・債務者の信用力悪化及び不良債権の処分に際して生じうる与信関係費用の増加
・有価証券ポートフォリオの価値の大幅な低下
・自己資本比率の基準及び算定方法の変更
・本項記載のその他の不利益な事態の展開
8.コンプライアンスリスク
当行は、コンプライアンスを重要な経営課題として、コンプライアンス態勢の整備に努めておりますが、法令等遵守状況が不十分であった場合やそれに起因する訴訟等が提起された場合には、当行の評価に重大な影響を及ぼすとともに、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
9.情報資産管理リスク
当行は、多数のお客様の情報及び経営情報を有しており、様々な安全管理措置等を講じるなど、その管理には万全を期しております。
しかしながら、万が一何らかの事由によりそれらの情報の漏洩、紛失、不正使用等が発生した場合には、当行の信用が失墜し、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
10.風評リスク
当行や金融業界に対する風評が、マスコミ報道やインターネット上の掲示板への書き込み等により発生・拡散した場合、その内容の正確性にかかわらず、当行の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
11.災害等に係るリスク
当行は山形県を中心に事業を展開しており、お取引先のほか当行が保有する店舗や事務所、電算センター等の施設及び役職員は山形県に集中しております。
当行は、不測の事態に備えてコンティンジェンシープランを策定するなど危機管理対策を講じておりますが、山形県を含む広域、あるいは局地的な災害等が発生した場合、被害の程度によっては、お取引先を含む地域経済及び当行の施設及び役職員に甚大な被害が及ぶ可能性があり、当行の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
12.退職給付債務に係るリスク
当行の年金資産の時価が下落した場合や、当行の年金資産の運用利回りが低下した場合、または予定給付債務を計算する前提となる保険数理上の前提・仮定に変更があった場合には、損失が発生する可能性があります。
また、年金制度の変更により未認識の過去勤務債務が発生する可能性があります。加えて、金融環境の変動その他の要因も年金の未積立債務及び年間積立額にマイナスの影響を与え、当行の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
13.地域経済の動向に影響を受けるリスク
当行は、山形県を主要な営業基盤としております。地域経済が低迷あるいは悪化した場合、業容の拡大が図れないほか、信用リスクが増加するなど、当行の業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
14.固定資産減損に係るリスク
当行が保有する固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準」(企業会計審議会)を適用しております。保有する固定資産は、市場価格の著しい下落、使用範囲又は方法の変更、収益性の低下等により固定資産の減損損失を計上することになる場合、当行の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
15.各種規制の変更リスク
当行は、現時点での各種規制に則り業務を遂行しておりますが、将来においてこれらの変更があった場合には、それらによって発生する事態が、当行の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
16.格付低下に係るリスク
当行は、格付機関から格付を取得しております。格付が引き下げられた場合、資金調達コストの上昇や市場からの資金調達が困難になるなど、当行の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
17.主要な事業の前提事項に関するリスク
当行は、銀行法第4条第1項の規定に基づき、銀行業の免許を受け、銀行業を営んでおります。銀行業の免許には、有効期間その他の期限は法令等で定められておりませんが、銀行法第26条、第27条及び第28条に規定された要件に該当した場合には、業務の停止又は免許の取消等が命ぜられることがあります。
現時点において、当行にこれらの事由に該当する事実はないと認識しております。
しかしながら、将来、何らかの事由により前述の業務の停止又は免許の取消等があった場合には、当行の主要な事業活動に支障をきたすとともに、当行の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。