有価証券報告書-第114期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/27 9:05
【資料】
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【項目】
129項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行及び当行グループ(以下、本項目において当行という。)が判断したものであります。
当行の財政状態、経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクとして、以下に記載したリスクのうち、(1)信用リスク及び(2)市場リスクがあげられます。
当行は、当該リスクについて、統計的手法であるVaRを用いて、ある確率(信頼区間99%)のもと一定期間に被る可能性のある最大損失額(リスク量)を見積り、把握しております。
これらのリスクが顕在化した場合、当行の業績・業務運営に影響を及ぼす可能性があるため、当行では業務の継続性を確保する観点から、リスク量が自己資本の範囲内に収まるよう資本配賦制度(リスク量に対する資本の割り当て)を用いた業務運営を行い、経営戦略と一体となったリスク管理を実践しております。なお、これらのリスクが顕在化する時期や程度については、外部要因に左右されるものであり想定が難しいことから記載しておりません。
当行は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であり、これらのリスク管理体制等については、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。
(1)信用リスク
当行の信用供与先は、景気動向、各業種の盛衰、株価、為替、不動産価格等の変動、新型コロナウイルス感染症の感染拡大及び地政学的リスクの動向等様々な要因により、経営環境に影響を及ぼされ、その結果、財務状況の悪化等により、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)市場リスク
当行は、さまざまな金融商品を取り扱う投資活動及び政策投資による運用を行っており、金利、株価、為替及び債券価格等の様々な市場のリスク要因の変動により、資産・負債(オフバランス取引を含む)の価値または資産・負債から生み出される収益が変動し、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)流動性リスク
・資金繰りリスク
運用と調達のミスマッチや予期せぬ資金の流出により、必要な資金確保が困難になる、または通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
・市場流動性リスク
市場の混乱等により市場において取引ができなかったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)オペレーショナルリスク
当行および業務委託先の業務の過程、役職員の活動もしくはシステムが不適切であること、または外生的な事象により損失(金銭的な損失のみならず当行の信用失墜を含む)を被るリスクを言い、以下に分類しております。
・事務リスク
営業店および本部における事務処理の誤り、業務のプロセス不備等および当行の機密情報(顧客情報・個人情報を含む)の漏洩等により、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
・システムリスク
コンピューターシステムのダウン又は誤作動等システムの不備、コンピューターが不正使用されることにより、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
・リーガルリスク
銀行業務における法令違反や契約書などの法的要件の不備、銀行内部の役職員による不正行為、外部からの違法行為、および不適切な商品販売、顧客への説明不足により、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
・人的リスク
人材の確保、人員配置、年齢構成等に起因し、現在および将来の経営に支障を来たすリスクおよび雇用、健康等に関する法令および協定に違反した行為、労働災害または差別行為等により、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
・有形資産リスク
自然災害その他の事象により、当行の有形資産が損失を被ることにより、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
・風評リスク
銀行に対するネガティブな情報・認識が広まることにより、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)災害等の発生に関するリスク
当行は、地震、風水害、疫病(新型コロナウイルス感染症等)などにより、業務運営の全部または一部の継続に支障をきたし、当行の事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。当行は、各種緊急事態を想定したコンティンジェンシープランを策定し、緊急時における対応体制を整備していますが、被害の程度によっては、業務の一部が停止する等、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、危機管理委員会を設置して対応しております。
(6)グループ会社のリスク
連結対象子会社・関連会社の直面する各種のリスクが、当行の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)自己資本比率
当行は、海外営業拠点を有しておりませんので、連結自己資本比率及び単体自己資本比率は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第19号)に定められる国内基準を維持しなければなりません。現時点において、この国内基準は4%以上となっており、これを下回る水準となった場合には、金融庁長官から業務の改善、停止等の命令を受ける可能性もあります。
(8)情報漏洩に係るリスク
当行は、預金取引等を通じて非常に多くのお客さまの情報を保有しております。2005年4月より個人情報保護法が施行され、当行も個人情報取扱事業者として個人情報保護に係る義務等の遵守を求められております。オペレーショナルリスク等に起因して顧客情報・当行機密情報が漏洩した場合には、お客さまに多大なご迷惑をかけるとともに、当行においても直接的な損害が発生する可能性があります。
(9)気候変動に係るリスク
気候変動に起因する台風、豪雨、洪水などの自然災害によるお客さまの業況悪化や、担保物件の棄損といった「物理的リスク」および、低炭素社会への移行に伴う気候変動政策や規制、技術革新等により、お客さまの収益減少や既存資産等の減損により業績が悪化する「移行リスク」により、当行の与信関係費用が増加する可能性があります。
当行は、こうした気候変動に起因する物理的リスクおよび移行リスクが、当行の事業運営、戦略、財務計画に影響を与えることを認識しており、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言を踏まえ、当該リスクに係る影響を把握・分析するとともに、当該リスクの識別、評価を行うための統合的リスク管理の枠組みにおける管理態勢の構築を検討し、これらに関する情報開示を進めてまいります。