訂正有価証券報告書-第82期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/07/24 9:56
【資料】
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【項目】
74項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成27年6月24日)現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表作成にあたり、以下の事項に対して、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる仮定に基づく判断及び見積りを行っております。したがって、見積り特有の不確実性が内在しておりますので、将来生じる実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
① 貸倒引当金
顧客貸付関係等一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討して、回収不能と判断した額を貸倒引当金として計上しておりますが、株式市況の悪化等により、追加の引当計上が必要となる場合があります。
② 有価証券の減損処理
当社が所有する有価証券について、市況の悪化等により、時価または実質価額が取得価額を著しく下回り、かつ、回復の可能性があると認められないものについては、「金融商品に関する会計基準」及び「社内基準」に定める減損処理基準により、時価または実質価額まで簿価を減額し、損失額を計上することになります。
③ 固定資産の減損処理
当社は「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。これにより、時価が著しく下落した資産または収益性が低下した資産につき、回収可能価額まで簿価を減額し、損失処理することになります。
④ 繰延税金資産の回収可能性
会計上の資産・負債と税務上の資産・負債との差額に対して繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、合理的に見積られた将来の課税所得に基づき判断しておりますが、将来課税所得の発生見込額の見直しにより、繰延税金資産の全部または一部について、回収可能性の判断に変更が生じたときは、変更を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として処理することになります。
(2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(財政状態の分析)
当事業年度末の総資産残高は542億68百万円と、前事業年度末(以下「前期末」)から41億13百万円増加しました。流動資産は、198億57百万円と、前期末から78億25百万円増加しました。借入有価証券代り金が22億66百万円、および未収入金が36億19百万円増加したことが主因です。一方、固定資産は、344億11百万円と、前期末から37億11百万円減少しました。これは、投資有価証券が36億98百万円減少したことによります。
負債残高は、500億9百万円と、前期末から33億16百万円増加しました。未払金が57億58百万円増加したことが主因です。
純資産は42億59百万円と前期末から7億97百万円増加しました。これは、その他有価証券評価差額金が6億50百万円増加したことによります。
以上の結果、自己資本比率は前期の6.9%から7.9%に増加しました。
(経営成績の分析)
当事業年度の経営成績は、一般貸付金の増加に伴い貸付金利息が増加した一方で、有価証券利息が減少した為、営業収益は8億60百万円と、前期比26百万円の減収となりました。営業費用は、支払手数料及び有価証券借入料の増加を主因として、前期比2百万円増加の2億57百万円となり、一般管理費は、人件費及び物件費共に減少し4億28百万円と、前期比62百万円の減少となりました。その結果、営業利益は1億73百万円と、前期比33百万円の増益、営業外取引を加味した後の経常利益は2億66百万円と、前期比59百万円の増益となりました。また、最終的に税金費用を減算した当期純利益は1億82百万円と、前期比39百万円の増益となりました。
(キャッシュ・フローの状況の分析)
当社の現金及び現金同等物は、主として貸付金及び有価証券投資により変動します。当事業年度は、税引前当期純利益2億66百万円に加え、有価証券の売買に伴う収入がネットで87億79百万円ありました。その一方で、営業貸付金及び借入有価証券代り金の増加による支出が38億73百万円、短期借入金等の有利子負債残高の減少による支出が29億円、更にリスクのヘッジを目的としたデリバティブ取引に係る差入保証金の差入による支出がネットで20億円ありました。以上の結果、当事業年度末の現金及び現金同等物は前事業年度末比2億42百万円増加し、8億63百万円となりました。
(3)財政状態及び経営成績に影響を与える要因について
当社の中心的業務である貸付業務及び有価証券運用業務は、金融市況の動向により変動し、財政状態、経営成績に影響を与えることがあります。当社は、経営環境の変化に対応した適正かつ安定的な収益確保を目指し、収益基盤の拡充に努めております。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の中心的業務である貸付業務及び有価証券運用業務は、大量の資金を必要とするため、安定的かつ機動的な資金調達手段の確保が必要となります。当社は、市場要因等による資金調達環境の変化等を想定し、調達手段の多様化、有担保調達及び流動性の高い金融商品への投資など、流動性リスクに対処しております。
(5)次期の見通し
次期の見通しにつきましては、政府・日銀の経済・金融政策の下支えを背景に企業の業績回復、更には所得増加による消費の回復が進み、景気は緩やかな回復基調をたどることが期待されます。
当社としましては、引き続き営業力を高める施策を推し進め、貸付金の確保を図ってまいります。また、経営の安定性を確保し、社会的信頼の確保に努める所存です。
次期の業績につきましては当期並みの業績を予想しております。
なお、業績予想に関する事項につきましては、当事業年度末現在当社が入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績は様々な要因により異なる可能性があります。