有価証券報告書-第75期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/30 9:07
【資料】
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【項目】
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業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度(平成25年4月1日~平成26年3月31日)におけるわが国経済は、政府、日銀の大胆な金融・財政政策を背景とした円安の進行により、企業収益が改善に向かい、設備投資や個人消費にも持ち直しの動きが見られるなど、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、新興国の成長鈍化に加え、ウクライナ情勢の緊迫化や消費税増税後の個人消費への影響が懸念されるなど、先行きについては依然として不透明な状況が続いております。
株式市場は、日銀の大規模な金融緩和策の導入を好感し上昇基調で始まり、日経平均株価(終値)は5月後半に15,600円台となりました。その後、中国経済の減速懸念や急速な株価上昇に対する警戒感の高まりから反落し、6月中旬には一時、12,400円台となりました。7月から10月は、米国の金融政策の動向を睨みながら神経質な展開が続き、日経平均株価(終値)は14,000円前後のボックス圏で推移しました。11月に入ると、米国の株価上昇や為替の円安進行に加え、米国における量的緩和の縮小決定による先行き不透明感の払拭を好感して上昇基調となり、日経平均株価(終値)は、12月30日に期中最高値(終値ベース)となる16,291円31銭を記録しました。1月以降は、中国など新興国経済の先行き懸念やウクライナ情勢の緊迫化を背景に、投資家のリスク回避姿勢が強まったことから軟調に推移し、3月31日の日経平均株価(終値)は14,827円83銭(前年度末比19.6%上昇)で取引を終えました。
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(当社グループの業績)
このような状況のもと、当社グループの営業収益は23,903百万円(対前期比35.5%増加)、純営業収益は23,365百万円(同35.6%増加)となりました。費用面においては、収益の拡大に伴って変動費も増加しましたが、前期に実施したコスト削減の効果が期間を通じて寄与したほか、東京本部の移転(平成25年7月)など、更なる固定費削減にも取り組んだことから、販売費・一般管理費は16,304百万円(同0.6%増加)と軽微な増加に止まりました。以上の結果、経常利益は7,353百万円(同513.8%増加)、当期純利益は7,677百万円(同186.1%増加)となり、それぞれ前期実績を大幅に上回る利益を計上することができました。
セグメント別の業績は、以下のとおりであります。
岩井コスモホールディングス株式会社
岩井コスモホールディングス株式会社は、グループの経営資源の配分による効率的な事業運営に取り組み、営業収益は、連結子会社からの配当金、グループ運営収入及び設備利用料により880百万円(対前期比432.4%増加)となりました。一方、金融費用が54百万円(同15.1%減少)、販売費・一般管理費が114百万円(同36.8%減少)となり、営業外収支120百万円の利益(同311.4%増加)を加えた経常利益は832百万円(前期は50百万円の損失)となりました。
岩井コスモ証券株式会社
岩井コスモ証券株式会社は、投資家ニーズやマーケット環境に即した投資情報サービスの提供を目指し、営業部門と投資調査部門の連携の強化を図るとともに、株式市場の展望から少額投資非課税制度(NISA)の活用法まで幅広いテーマのセミナーを積極的に開催しました。また、7年ぶりの新規出店(平成25年11月 大阪府高槻市に出店)によりカバーエリアの拡充を図ったほか、新規口座の獲得や国内株式及び投資信託の取引増加を目的とする各種キャンペーンの実施など、収益拡大に向けた施策に注力しました。こうした取り組みに、期初からの国内株式市場の活況も相俟って、受入手数料は16,014百万円(対前期比38.6%増加)となりました。また、外国株式及び外国債券の販売と自己売買を中心とするトレーディング損益は5,025百万円の利益(同23.1%増加)、信用取引の金利収入を中心とする金融収益は2,810百万円(同46.1%増加)となり、この結果、営業収益は23,865百万円(同35.8%増加)、金融費用483百万円(同41.4%増加)を控除した純営業収益は23,382百万円(同35.7%増加)となりました。一方、費用面においては、収益の拡大に伴って変動費が増加する一方、東京本部の移転など、さらなる合理化の推進により、販売費・一般管理費は16,271百万円(同1.0%増加)と軽微な増加に止まり、営業外収支173百万円の利益(同11.7%増加)を加えた経常利益は7,284百万円(同467.1%増加)となりました。
※ 当社の連結子会社であった岩井証券株式会社は、平成24年5月1日付で、当社の連結子会社であるコスモ証券株式会社(同日付で岩井コスモ証券株式会社に商号変更)を存続会社とする吸収合併により解散いたしました。上記セグメント別の岩井コスモ証券株式会社の前期比較につきましては、同社の前期実績に、平成24年4月1日から4月30日までの岩井証券株式会社を加えた数値により算出しております。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,361百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,217百万円の減少となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、受入保証金の増加などによるキャッシュ・フローの増加があったものの、信用取引資産の増加などによるキャッシュ・フローの減少により、862百万円の減少(前連結会計年度は5,528百万円の減少)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入などにより、453百万円の増加(前連結会計年度は3,731百万円の増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済や配当金の支払などにより、1,087百万円の減少(前連結会計年度は4,055百万円の減少)となりました。