有価証券報告書-第19期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/29 11:48
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コーポレート・ガバナンスの状況

(1) 【コーポレート・ガバナンスの状況】
当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、以下のとおりであります。
当社は、パリに本店を有するアクサ・エス・アーを親会社に、平成12年3月、日本国内初の保険持株会社として金融再生委員会(現金融庁)の認可を受け設立されましたが、平成26年10月に生命保険事業免許を取得し、子会社であるアクサ生命保険株式会社を吸収合併するとともに、同日付で商号変更を実施し、新たに「アクサ生命保険株式会社」として営業を開始いたしました。現在、傘下にアクサ損害保険株式会社、アクサダイレクト生命保険株式会社の2社の保険子会社を擁しております。
当社は、世界有数の保険金融グループAXAの日本におけるリーダーカンパニーとして、AXAが制定した様々なグループポリシーに沿いながら、お客さまや社会の信頼に足る企業グループの構築に向け、実効性の高いコーポレート・ガバナンス態勢の整備・充実を図ることを経営の最優先課題として位置付けております。
また、経営方針として以下の4つのAXAバリューを掲げ、その遂行のためグループ全体の内部統制が有効に機能する態勢の確立に取り組んでおります。
■ AXAバリュー
Customer First:お客さま第一
私たちは、お客さまを思うことからすべてを始めます。お客さまが今日をどう生き、明日どう暮らすか
常に思いめぐらすことで、適切なサポートと感動をお届けできる存在であり続けます。
Integrity:誠実
私たちは、確固たる倫理基準に従い、お客さま、社員、株主、そしてパートナーに向けて正しい行動を
とるための意見に耳を傾けます。
Courage:勇気
私たちは、思いを言葉にし、その思いを実現するために行動します。私たちの限界を超え、新しい価値を
提供できるよう、大胆な施策を実行します。
One AXA:ひとつのチーム
私たちは、協力しひとつのチームとなることで、より強くなることができます。同じ目標に向けて
一丸となり、それぞれが異なる能力を発揮することで、より良いチームとなります。
① 会社機関の内容及び内部統制システムの整備の状況等
イ) 会社の機関の基本説明
当社は、開業当初より執行役員制度を導入し、経営と執行の分離を重視した効率的な経営体制を構築してまいりましたが、平成22年7月、さらなるコーポレート・ガバナンスの強化を目指し「指名委員会等設置会社(旧委員会設置会社)」へ移行いたしました。指名委員会等設置会社では、基本方針の決定機能や監督機能を取締役会が引き続き専管しておりますが、一方で業務執行決定機能は原則として執行役に委任し、スピード感のある意思決定を確保するとともに、透明性の高い経営体制を構築いたしております。
ロ) 会社の機関の内容及び内部統制システムの整備の状況
a. 取締役会及び取締役
当社は、取締役の数を定款上13名以内としておりますが、現在9名の取締役をもって取締役会を構成しており、うち3名が社外取締役であります。また、取締役会は年10回程度開催いたしております。取締役会は、当社並びにアクサジャパングループの経営方針その他の重要事項を決定いたしております。
なお、取締役に対する報酬は100百万円未満であります。
当社は、会社法第427条第1項に基づき、社外取締役との間において、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償限度額は、2,000万円以上であらかじめ定めた金額または法令が規定する額のいずれか高い額といたしております。
また、当社は、会社法第459条第1項の規定により、剰余金の配当等を取締役会決議により行うことができる旨定款に定めておりますが、これは、株主の皆さまに対する剰余金の配当等が機動的に行えることを目的としたものであります。
(ⅰ) 三委員会
(ア) 指名委員会
指名委員会は株主総会に提出する取締役の選任及び解任に関する議案内容を決定しております。メンバーは取締役5名で構成され、うち3名は社外取締役であります。
(イ) 監査委員会
監査委員会は取締役及び執行役の職務執行の監査及び総会に提出する会計監査人の選任、解任、不再任の議案内容の決定を行っております。メンバーは取締役3名で構成され、3名全員が社外取締役であり、金融機関における長年の経験と経営における豊富な経験と幅広い見識を有しております。
(ウ) 報酬委員会
報酬委員会は取締役及び執行役が受ける個人別の報酬内容の決定を行っております。メンバーは4名で構成され、うち3名は社外取締役であります。
(ⅱ) エグゼクティブ・コミッティ及びグループ・マネジメント・ステアリング・コミッティ
エグゼクティブ・コミッティ(以下、「ExCom」という。)は執行役によって構成されますが、関連する執行役員も参加し、日常の業務執行に係る重要事項について審議いたしております。ExComの下には、当社の生命保険業務運営の詳細な検討の場として、懲戒委員会、オーディット・リスク&コンプライアンス・コミッティ、インベストメント&ALMコミッティ、プロダクト&マーケティングコミッティ、カスタマー・アジリティコミッティ、ヘルスコミッティ、ディストリビューションコミッティ、エフィシェントプロセス&オペレーションズコミッティ、ピープル&オーガニゼーションレビューコミッティ、及びオペレーション・エクセレンスコミッティの10のコミッティを設置しております。
また、各子会社を含めたグループ全体の経営管理に係る重要事項について審議を行う場として、各社CEOをメンバーに加えたグループ・マネジメント・ステアリング・コミッティ(以下「GMSC」という。)を設置しております。
GMSCの下には、各社の業務運営の詳細な検討の場としてグループ・リスクマネジメント、コンプライアンス・マネジメント、グループALM、グループブランド、ヒューマン・リソースの5つのサブコミッティを配置しております。GMSC並びに各種サブコミッティを通じて、グループの経営上のリスクを的確に把握するとともにグループ全体としての収益・リスク管理、資本政策の策定、経営資源の適正な配分、ご契約者保護、コンプライアンス課題の検証等を行っております。
b. 業務執行
業務執行においては、代表執行役社長が取締役会の決定した基本方針に基づき、業務執行上の最高責任者として当社の業務を統括しております。また、監査委員会によって代表執行役社長を始めとする執行役、執行役員による業務の執行について十分な検討を加えることとし、更なる業務の適正化に努めております。
なお、当社は執行役員制度を採用し、法務コンプライアンス部門、人事部門などを担当する18名の執行役員が業務執行に従事しております。
c. 内部監査
当社は、内部監査のための組織として、内部監査部を設置し、「内部監査規則」に基づき当社をはじめとするグループ各社に対する内部監査を実施しております。
なお、内部監査部、監査委員会及び会計監査人は、適時に意見・情報交換を行い、監査機能の有効性・効率性を高めるため、相互に連携強化に努めております。
d. 会社の業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)
当社における執行役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして会社法第416条第1項第1号ホ及び会社法施行規則第112条第2項で定める体制は、以下のとおりです。
・執行役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(ⅰ) 基本方針
当社は、コンプライアンスを経営の最重要課題の一つと位置づけ、法令等をはじめ、社会的規範を遵守し、公正・堅実な企業活動を行うものとする。また、反社会的勢力の不当な要求に対して毅然とした態度で対応し、一切の関わりを排除するものとする。
(ⅱ) コンプライアンス推進及びコンプライアンスに基づく業務執行体制
(ア) コンプライアンス基本規則
当社は、当社及び子会社を含む企業集団(以下、「アクサジャパングループ」という。)におけるコンプライアンス実践の基本方針として、コンプライアンスに係る基本的事項を定める社内規則としてコンプライアンス基本規則を制定する。
(イ) コンプライアンス統括責任者等
当社は、コンプライアンス全般を統括する執行役を「コンプライアンス統括責任者」とする。
また、全社的に当社のコンプライアンスを推進する者として、「チーフ・コンプライアンス・オフィサー」を選任する。但し、コンプライアンス統括責任者が、自らこれに当たることを妨げない。
(ウ) オーディット・リスク&コンプライアンス・コミッティ
当社は、エグゼクティブ・コミッティのコミッティとして、オーディット・リスク&コンプライアンス・コミッティを設置し、当社のコンプライアンスその他の重要事項について審議する。
(エ) コンプライアンス統括部署
当社は、コンプライアンスに関する事項を一元的に管理・統括する組織を設置する。
(オ) コンプライアンス・チェック等
当社の役職員は、付随業務その他のリスク性を有する業務について、事前に法務及びコンプライアンスの観点から慎重な検討を行うため、内規で定めるところにより、事前にコンプライアンス統括部署によるコンプライアンス・チェックを受けなければならない。
(カ) コンプライアンス・プログラム
コンプライアンス統括部署は、少なくとも1年に1回、コンプライアンスを実現させるための具体的な実践計画として、コンプライアンス・プログラムを策定する。
コンプライアンス統括責任者は、オーディット・リスク&コンプライアンス・コミッティ及び監査委員会に対し、コンプライアンス・プログラムの進捗・達成状況を適時に報告する。
(キ) 反社会的勢力排除
当社は、反社会的勢力排除のための体制整備に取り組み、役職員が反社会的勢力に対して毅然とした姿勢で臨み、不当、不正な要求には応じない旨を徹底する。
(ク) 財務報告の適正性
当社は、財務報告の適正性を確保するため、役職員に対し、適正な財務諸表の作成がきわめて重要性を有するものであることをあらゆる機会に認識させるよう努めるものとする。
また、財務諸表作成のプロセスにおいて、虚偽記載並びに誤謬等が生じないための体制整備に取り組むものとする。
(ⅲ) コンプライアンス教育研修体制
当社では、コンプライアンスの教育・研修に係るカリキュラムを導入し、役職員のコンプライアンスに対する意識及び知識を高める機会を継続的に確保するものとする。また、コンプライアンス・マニュアルを役職員に配布して、その内容の周知・徹底を図る。
(ⅳ) コンプライアンスに係る報告体制
(ア) 事故報告
役職員は、所管する業務に関して事故に該当するおそれのある行為若しくは事象又は事故に発展する疑いのある行為若しくは事象(以下、「事故等」という。)を知ったときは、内規で定めるところにより、直ちに事故等の処理に関する担当部署に対して報告する。
(イ) 内部通報
当社は、事故等及びその他の不正行為の早期発見と是正を図るため、不正行為等に関する通報を受け付ける窓口として、全役職員が利用可能な「コンプライアンス・レスキューダイヤル」を設置する。
・執行役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する事項
当社は、情報の保存及び管理に関する社内規則で定めるところにより、次の文書(電磁的記録も含む)を関連資料とともに保存・管理するものとする。
(ア) 株主総会議事録
(イ) 取締役会議事録
(ウ) ExCom議事録
(エ) GMSC議事録
(オ) 特に重要な会議の議事録
(カ) 代表執行役又は執行役を最終決裁権者とする決裁書
(キ) 官公署に提出した書類の謄本
(ク) 監督官庁から受領した認可書・通知書などの書面
(ケ) 会計監査に関するもの
(コ) その他社内規則に定める文書
また、各文書の保存期間は社内規則において定めるものとする。
・損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(ⅰ) リスクマネジメント・ポリシー及びインターナル・コントロール・ポリシー
当社は、以下に定める基本方針を柱とし、リスク管理に係る基本的事項を定めるリスクマネジメント・ポリシーを制定するものとする。
また、当社は、リスクを所有・管理、監視、保証の3つの階層に分離してコントロールする3ラインディフェンスというフレームワークを導入し、これらの役割を明示するインターナル・コントロール・ポリシーを制定するものとする。
(ⅱ) 基本方針
リスク管理に関する基本方針(以下、「リスク管理方針」という。)は、以下のとおりとする。
(ア) 株主の経済的な期待値を達成するために、一定程度のリスクを伴う事業機会を追求しなければならない。
(イ) リスクとリターンのバランスについて十分かつ注意深い考察を行うことにより、最低限の費用によって、事業活動から生じるリスクにより生じる不利益を最小化し、また、事業活動から得られるリターンを実現可能な範囲で最大化することに努めなければならない。
(ⅲ) リスク管理所管部署
当社における各所管部署は、それぞれの業務の遂行上に発生する全てのリスクについて、その管理責任を負う。
(ⅳ) 主要リスク及びリスク管理所管部署
当社は、生命保険事業を行うための主なリスクである保険引受リスク、資産運用リスク及びオペレーショナルリスク(内部不正行為、外部不正行為、労務慣行・職場環境、顧客・商行為、物的資産の損傷、システム障害、業務実行・商品・デリバリー・プロセス管理の7項目の損失事象の総称をいう。)(以下、「主要リスク」という。)に関し、主要リスクを管理又は統括する組織(以下、「主要リスク管理所管部署」という。)について、以下のとおり定めるものとし、効果的に主要リスクを管理するものとする。また、これらの文書は、子会社経営管理の観点から子会社の主要リスクについての管理も行うものとする。
主要リスク主要リスク管理所管部署
保険引受リスク統合リスク管理部
資産運用リスク運用リスク管理部
オペレーショナルリスク統合リスク管理部

主要リスク管理所管部署は、リスク管理方針を実現するため、主要リスクを管理するための社内規則を整備するものとする。当該社内規則は、代表執行役社長の承認を得なければならないものとする。
(ⅴ) オーディット・リスク&コンプライアンス・コミッティ
当社は、ExComのサブコミッティとして、オーディット・リスク&コンプライアンス・コミッティを設置し、リスク管理に関わる重要事項を協議するものとする。
(ⅵ) 報告
主要リスク管理所管部署は、担当するリスクの管理状況をオーディット・リスク&コンプライアンス・コミッティに四半期毎に報告する。但し、経営に重大な影響を与えるおそれのある事実については、随時報告するものとする。
また、主要リスク管理所管部署は、オーディット・リスク&コンプライアンス・コミッティから要請を受けたときは、直ちにリスク管理状況を報告するものとする。
・執行役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
当社は、各執行役の職務の執行の効率性を確保するために次の体制を採るものとする。
(ⅰ) 法律及び社内ルールに従って作成された社内規則により、各部門の職務分掌及び決裁権限を明確化することにより、執行役、ExCom及びその他の各機関が審議すべき事項及び報告を受けるべき事項の明確化を図る。
(ⅱ) 執行役が決定すべき事項についても、必要に応じて、ExComであらかじめ審議を行わせるものとする。
(ⅲ) 日常的な職務の執行については、適宜執行役員を任命してこれを行わせ、執行役の監督機能の強化を図るものとする。
・アクサジャパングループにおける業務の適正を確保するための体制
アクサジャパングループは、業務の適正を確保するために次の体制を採るものとする。
(ⅰ) 当社は、アクサジャパングループの健全かつ適正な業務運営を確保するための基本方針として、「グループ経営管理ポリシー」を定め、グループの経営管理にあたる。
(ⅱ) 当社は、「グループ経営管理ポリシー」に沿って、アクサジャパングループの経営管理に係る重要事項の審議のためにグループ・マネジメント・ステアリング・コミッティ(以下、「GMSC」という。)を設置する。
(ⅲ) AXAグループのメンバーカンパニーであるアクサジャパングループ各社は、各社の業務執行取締役、執行役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための諸施策に加え、アクサジャパングループの企業集団としての業務の適正を確保するために、AXAグループが定めた「エシックスガイドライン」をはじめとする様々なグループポリシーに沿いながら規範を整備するものとする。
(ⅳ) 当社は、GMSCのサブコミッティとして、外部有識者及び監査委員会が指名した委員からなるグループ・コンプライアンス・コミッティを設置し、アクサジャパングループ各社のコンプライアンス関連事項全般について幅広く助言・報告等を受け、コンプライアンスに根差した透明性の高いグループ経営を目指すものとする。
(ⅴ) アクサジャパングループ各社における重要案件や事業内容については、当社のGMSCで協議及び報告を行い、アクサジャパングループとしての一体感及び整合性を確保するものとするが、アクサジャパングループ各社の案件に対する最終決裁は、当該各社に委ねるものとする。
(vi) 当社は、子会社のコンプライアンスに関する事項を一元的に管理・統括する組織を設置する。また、当社のコンプライアンスに関する事項を一元的に管理・統括する組織がそれを兼ねることを妨げない。
加えて、子保険会社においては、コンプライアンスを統括し、かつAXAグループの基本理念やコミットメントなどの倫理基準を浸透させる役割を担う部門をそれぞれ設置するとともに、必要に応じ、各子社の事業部門毎にコンプライアンス推進担当者を置くものとする。
(ⅶ) アクサジャパングループ各社は、その役職員向けに、それぞれコンプライアンス・マニュアルを作成し、コンプライアンスの教育及び遵守の徹底を図るものとする。
(ⅷ) 当社は、アクサジャパングループにおける事故等及びその他の不正行為の早期発見と是正を図るため、不正行為等に関する通報を受け付ける窓口として、当社が設置運営する「コンプライアンス・レスキューダイヤル」を子会社の全役職員に対しても共同で利用させるものとする。
(ⅸ) 当社は、GMSCのサブコミッティとして、グループ・リスクマネジメント・サブコミッティ及びグループALMサブコミッティを設置し、保険子会社のリスク管理及びALMに関わる重要事項を協議するものとする。
(ⅹ) 当社は、グループ経営管理においても、当社の「リスク管理方針」を適用するものとする。
(ⅺ) 子会社の主要リスク管理部署はグループ・リスクマネジメント・サブコミッティに四半期ごとに担当するリスクの管理状況を報告する。
また、グループ・リスクマネジメント・サブコミッティから要請を受けたときは、子会社の主要リスク管理部署は直ちにリスク管理状況を報告するものとする。
(ⅻ) AXAグループとの重要な取引等については、当社独自の判断により決定するものとする。
・監査委員会の職務遂行のために必要なものとして会社法第416条第1項第1号ロ及び会社法施行規則第112条1項で定める体制の整備は以下のとおりとする。
(ⅰ) 監査委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人に関する事項について
監査委員会の必要に応じ、監査部門長が監査委員の命を受け、監査委員会の職務を補助する使用人の任に当たる。
(ⅱ) 監査委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人の執行役からの独立性に関する事項について
監査委員会の職務を補助すべき使用人の任に当たる監査部門長の独立性を確保するために、監査部門長の人事に関する重要な事項は、監査委員会又は監査委員会が選定する監査委員の意見を得るものとする。
また、監査部門長は、代表執行役社長への報告とは別に監査委員会へ報告を行う体制とすることで、その独立性を確保している。
さらに、監査委員会の職務を補助する使用人に対する監査委員会からの指示の実効性を確保するため、当該補助使用人は監査委員会から指示を受けた事項について継続してモニタリングを行い、その進捗等について監査委員会に報告を行うものする。
(ⅲ) 監査委員会への報告に関する体制について
監査委員会規則及び内規に従って、社内重要会議議事録及び重要文書の閲覧並びに社内各部及び営業店からの定期的な監査結果報告の受領により監査委員会が効率的に監査を行うことができる体制の整備を図り、執行役及び関係者は、監査委員会の求めに応じて報告及び説明を行うものとする。
子会社の業務執行に係る事項については、リスク管理、コンプライアンス、オペレーション等の各部門において子会社の情報を集約し監査委員会に報告を行う。但し、監査委員会又は監査委員が求めるときは、子会社の役職員から直接報告を受領することを妨げない。
また、会社及び子会社の取締役、執行役、監査役及び関係者は、会社及び子会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見した場合には、速やかに監査委員会に報告するものとする。
なお、会社及び子会社は、当該報告をしたことを理由として当該報告を行った者に対し不利な取扱いを行ってはならないものとする。
(ⅳ) 監査委員又は監査委員会の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
会社は、監査委員又は監査委員会が職務の執行のために費用を請求した場合は、当該費用が監査委員または監査委員会の職務の執行に必要でないと認められるときを除き、当該請求を妨げない。
(ⅴ) その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制について
監査委員会規則及び内規に従い、監査部門及び外部監査人との連携並びに当社及び子会社を含む企業集団における監査体制の整備を行い、監査委員会がより実効的な監査が行うことができる体制の整備を図る。
e. 業務の適正を確保するための体制の運用状況の概要
当社では、「内部統制システムの基本方針」に基づき、当社及び子会社を含む企業集団の業務の適正を確保するための体制整備とその適切な運用に努めており、当事業年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)における運用状況の概要は以下の通りであります。
当社は「コンプライアンス・マネジメント・サブコミッティ」を6回開催、「コンプライアンス・アドバイザリー・サブコミッティ」を4回開催し、法令・社内規則やグループ内のコンプライアンスの遵守状況を審議し、必要に応じてコンプライアンス態勢の見直しを行いました。また、「リスクマネジメント・ポリシー」に基づき「リスクマネジメント・サブコミッティ」を5回開催、「グループリスクマネジメント・コミッティ」を5回開催し、子会社を含む当社グループのリスク評価を行い、その管理及び低減に務めました。
当社の取締役会は、社外取締役3名を含む取締役12名(平成29年7月31日以降は、社外取締役3名を含む取締役10名、平成29年11月13日以降は社外取締役3名を含む取締役9名、平成30年2月14日以降は社外取締役3名を含む取締役10名、平成30年6月29日以降は社外取締役3名を含む取締役9名)で構成し、指名委員会等設置会社として執行役を選任し、その職務執行を監督しました。各執行役は代表執行役の指揮・監督の下、各自の権限及び責任の範囲で、職務を執行しました。
子会社については、「グループ経営管理ポリシー」に基づき重要な事項を「グループマネジメントステアリングコミッティ」で協議するとともに、当社取締役会でも審議を行い、子会社の適正な業務運営及び当社による実効性のある管理の実現に努めました。
監査部門は、監査計画に基づき、法令・社内規則等の遵守状況について、各部門を対象とする監査を実施し、その結果及び改善状況を監査委員会及び取締役会に報告しました。
監査委員は、監査方針を含む監査計画を策定し、定時の監査委員会に加え適宜臨時監査委員会を開催し、監査委員間の情報共有に基づき会社の状況を把握し、必要な場合は提言の取りまとめを行いました。さらに、執行役・その他使用人と対話を行い、監査部門・会計監査人と連携し、執行役及び使用人の職務の執行状況を監査しました。
② リスク管理体制の整備の状況
a. リスク管理体制への取り組み
金融の国際化をはじめ、金融システム改革による規制緩和や自由化等により、近年、保険事業を取巻く環境は大きく、しかも急速に変化しております。それに伴い、保険会社における事業等のリスクも増大かつ多様化し、リスク管理体制の構築が経営の健全性を高め、企業価値を高めていくために必要不可欠となっております。
こうした認識のもと、アクサジャパングループではリスク管理を経営の最重要課題のひとつと位置付け、経営を取巻くさまざまなリスクを的確に認識・把握し、事業等に影響を与えるリスクを適切にコントロールしていくことを通じて、お客さまをはじめとするすべてのステークホルダーの皆さまに信頼され、選ばれる保険グループとなることを目指しております。
b. リスク管理の基本方針
保険会社の事業を取巻くリスクはさまざまであり、それぞれのリスクの特性に応じて適切にコントロールしていくことが必要であります。アクサジャパングループでは、リスクとリターンのバランスに対し、十分かつ注意深い考察を行うことにより、効率的にリスクからもたらされる損失を最小化し事業活動から得られるリターンを実現可能な範囲で最大化することをリスク管理の基本方針としております。
c. リスク管理体制
保険事業を運営するうえで生じる各種リスクについては、それぞれのリスクに応じて所管部門による管理と取締役会による経営レベルでの管理を行う体制をとっております。また、アクサジャパングループでは、総合的にリスク管理を実施する観点から、オーディット・リスク&コンプライアンス・コミッティなどの委員会を設置し、グループレベルでの管理を実施しております。さらに、こうした体制が機能しているかを独立した立場の監査部門が適切性・有効性を評価・検証し、結果に応じて問題点の是正・改善に向けた提言をおこなっております。
d. 保険引受リスク管理
アクサジャパングループでは、保険引受に伴うリスクをその事業形態に沿って的確に認識し、コントロールすることが必要であると考えております。
当社及び生命保険子会社にあっては、保険引受リスクを経済情勢や保険事故発生率が保険料設定時の予測に反して変動することにより損失を被るリスクと定義し、担当所管を定めて注意深く保険事故発生率や将来の収益動向を分析しており、必要に応じて契約引受の査定基準や保険料の改定を行っております。
また、保険事故発生率と解約・失効率などについて最悪のシナリオを想定したシミュレーション(ストレステスト)を実施し、その結果をオーディット・リスク&コンプライアンス・コミッティと取締役会等に報告し、経営レベルで対応を検討しています。
さらに、リスク分散の方策の一つとして再保険を活用しています。再保険の取引は、ライフ・リインシュランス・サブコミッティでの審議・検討を経て决定されます。また取引先の選定にあっては、主要格付機関の格付け等をベースに信用力を考慮して行われています。
また、損害保険子会社にあっては、保険種目ごとのリスク分析に基づいた引受基準を策定するとともに、収支の分析や検証を継続的に行い、必要に応じて引受条件見直しなどのプロセス管理に努めております。さらに、保険種目ごとに、リスク保有限度額基準を設けるとともに、再保険の手配などの危険分散を行うことにより、過度なリスク集中を回避しております。
e. 資産運用リスク管理
アクサジャパングループでは、当社及び各保険子会社の資産運用において、保有資産の価値の変動や実際の運用利回りが予定利率を下回ることによる損失など各種のリスク(市場、信用、不動産投資、流動性及び下記事項fに記載するリスク)があることを認識し、当社及び各子会社においてそのリスクを総合的に評価し、運用管理をする機能が必要であると考えております。
資産運用全体のリスクを総合的に管理する組織として、収益部門や事務管理部門から独立したリスク管理部門を設置し、相互牽制機能を確保するとともに、リスクリミットの設定をはじめとする資産運用に関するリスク管理基本方針の策定やリスク量の計測、リスク状況のモニタリング及び経営層への報告などを行っております。
f. オペレーショナルリスク管理
アクサジャパングループでは、オペレーショナルリスクを内生・外生両方の事象に起因し、プロセス・人・システムが不適切であること、もしくは機能しないことによる損失に係るリスクと定義し、各社ごとにそのリスクを適正にコントロールすることが必要であると考えております。
各社は、定期的にオペレーショナルリスク管理状況の自己評価を行い、リスクを削減するために、事務処理マニュアルの整備、本社管理部門によるモニタリング、委員会の設置などによる事務水準の向上や事故の未然防止に努めております。
AXAは、世界各国で業務展開するグループ各社共通の情報システム全般にわたる厳格なセキュリティ要件、金融業界のセキュリティスタンダード及びセキュリティに関係する各種法令に従い、情報資産を正しくかつ安全に取扱い、その「機密性」、「完全性」、「可用性」を確保して情報システムすべてにおけるリスク管理の強化・維持に尽力しております。
また、コンプライアンスリスクの管理については、当社は各保険子会社にコンプライアンス統括部門を配置し、各社が年次で実施するコンプライアンス・リスクアセスメントに基づき、必要なリスク低減策を実施するなど、各社自らが主体的かつ効果的なリスク管理に取り組んでおります。加えて、外部有識者を招いたグループ・コンプライアンス・コミッティを当社に設置し、アクサジャパングループ全体におけるコンプライアンス関連の取り組みに対し、外部の視点から客観的な意見を定期的に求めるなど、当該リスクに対応するモニタリング体制を整備しております。
g. 内部統制強化に向けた追加的な取り組み
当年度から財務報告の内部統制の評価プログラムに加えて主要な内部統制を対象にその有効性を検証するための評価プログラムを開始しており、内部統制の評価態勢の強化を継続的に図っております。
h. 特有の法的規制等に係わるもの
当社及び当社の各保険子会社は、会社法上に定める株式会社であるとともに、主務大臣より保険業の免許を付与され、当社及びアクサダイレクト生命保険株式会社は保険業法第3条第4項に基づき、アクサ損害保険株式会社は同法第3条第5項に基づき、保険の引受を行っております。
さらに付随業務として、当社は同法第98条第1項第1号に基づき、他の保険会社の保険業に係る業務の代理又は事務の代行(アクサ損害保険株式会社の保険業に係る業務の代理及び事務の代行)及び保険業法第275条第3項に基づく保険募集の再委託(アクサダイレクト生命保険株式会社を所属保険会社等とし当社を保険募集再委託者とする保険募集の再委託)を行っております。また、アクサダイレクト生命保険株式会社及びアクサ損害保険株式会社においても、同法第98条第1項第1号に基づき、他の保険会社の保険業に係る業務の代理又は事務の代行(アクサダイレクト生命保険株式会社においてはアクサ損害保険株式会社の保険業に係る業務の代理及び事務の代行、また、アクサ損害保険株式会社においてはアクサダイレクト生命保険株式会社の保険業に係る業務の代理及び事務の代行)を行っております。
アクサジャパングループの支配関係については、第一部「企業情報」第1「企業の概況」3「事業の内容」に記載している事業系統図のとおりであります。
③ 役員報酬の内容(アクサジャパングループ主要3社合算)
取締役に対する報酬額及び監査役に対する報酬額の内容は、以下のとおりであります。
取締役の年間報酬総額746百万円(うち社外取締役40百万円)

監査役の年間報酬総額32百万円(うち社外監査役12百万円)

④ 会計監査の状況(アクサジャパングループ主要3社合算)
a 業務を執行した公認会計士の氏名及び所属する監査法人名
指定有限責任社員
業務執行社員
鈴木 隆樹(PwCあらた有限責任監査法人)
指定有限責任社員
業務執行社員
遠藤 英昭(PwCあらた有限責任監査法人)

b 監査業務に係る補助者の構成
公認会計士 13名
その他 51名